
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が長年積んでいたモデルグラフィックス誌の付録、ファインモールド製零戦五二型を完成させましたな。

よし、今度こそ震電改のセット品だった連山の続きを……。

そうしたいところだけど……
零戦のついでに紹介しておきたい別のキットがあるので、そちらを先に通す。
裏で零戦と並走していて、かなり進んでいるというのもあるけどね。

いつになったら連山は進むんだろう……。

筆者が手順で手こずっているようですな。
ああいう大型機は銃座も多いので……。
今回のお題 ファインモールド 1/72 九試単座戦闘機


というわけで連山の代わりに今回作るのはこちら。
ファインモールドより
九試単座戦闘機だ。
このキットも1/48スケールのものが同社から一般販売されているけど、今回のは1/72スケールとなる。

これは前回の零戦同様、また付録なのかな?

あちら同様、月刊モデルグラフィックス誌の2014年1月号付録だったものです。
零戦は2号に分かれて部品が付属しましたが、今回はこの1号のみで完結しますね。

この航空機は2013年に公開されたスタジオジブリ作品「風立ちぬ」に登場したことで有名だ。
またその映画の原作となった漫画が、このモデルグラフィックス誌2009年4月号~2010年1月号で連載されていたとのこと。
その縁もあって、このモデルグラフィックス誌の付録キットとして登場したのかもしれないね。
九試単座戦闘機とは?

この航空機は1930年代に三菱航空機が試作した艦上戦闘機だ。
同社での社内名称はカ-14。
これと正式採用を争った、同名の中島飛行機製のものもある(社内名称PA改)
そちらは別物だ。

詳しくは後述しますが、中島製のものは不採用に。
今回のキットのものである三菱製のものが正式採用される形ですな。

時は1930年代。
この時期になると航空機の主流は複葉機から単葉機になるんだけど……
日本海軍の艦上戦闘機はこの切り替えが遅れていた。
1934年頃、より先進的な機体を欲しがった上層部は三菱と中島に新型艦上戦闘機の試作を命じる。

戦間期の1920~30年代は航空機の進化が早い時期のひとつだったよね。
複葉機が単葉機に。
固定脚が引き込み脚に。

エンジン出力が上がったことが、これらの進化を促したと言われていますな。
黎明期はエンジン出力が低かったので
- 複葉にして主翼面積を広くしないと揚力が得られない。技術的な問題で大型の単葉にできない
- 引き込み脚にすると部品数が増えて重量が増し、貧弱なエンジンではその分を帳消しにできなかった
みたいなことがあったので、複葉機や固定脚機が主流に。
エンジン出力が上がると
- 複葉機は支柱や張り線部分で空気抵抗が発生して速度が出ない
- 引き込み脚の重量増をエンジン出力で帳消しにでき、逆に固定脚は空気抵抗が目立つ
といったようなことが問題視され、単葉・引き込み脚式の機体が主流に。
九試単戦は単葉ですが固定脚で、過渡期の航空機と言えますな。

そして翌年に2社の九試単座戦闘機(三菱製のカ-14、中島製のPA改)が完成。
審査の結果、三菱製のものが良好な成績を示し正式採用されることになる。
これが量産化され、後に九六式艦上戦闘機になるんだ。

九試単戦(九六艦戦)は後に零戦にも関わることになる、堀越二郎氏が設計を担当していたようですな。

そういえば九試単戦と九六艦戦、似ているといえば似ているんだけど……
主翼の形が違うような。

この九試単戦、三菱製の機体でもいくつか種類が存在しているんだ。
明記はされていないけど、今回作るのは試作1号機。
主翼がJu87などと同じような折れ曲がったスタイル、いわゆる逆ガルウイングを採用しているのがポイントだ。
試作2号機以降では廃止されて、量産型の九六艦戦でも非逆ガルとなっている。

この試作1号機、後に改修されたようですな。
改修型はカウリング直径が小さくなり、その影響でエンジンシリンダーに合わせたコブが存在するのが特徴となっています。
今回のキットから派生したものが同じくファインモールドから発売されているようですが……。

堀越二郎氏渾身の一作である九試単座戦闘機。
かつてモデルグラフィックス誌に付属した、ファインモールド製キットで蘇らせてみよう。
箱の中身を確認する


それでは中身を確認する。
こういうキットは不良品が発生したときの対応期間が短い。
筆者は未開封で放置していたけど、よい子のみんなは真似しないように。

コレクターアイテムとしてとっておくんならまだしも、筆者は作ること前提なんだから確認しないと……。


袋を開けて中身を確認。
見た感じ部品は問題なく全て揃っているようですな。

内容は
- プラランナー×3
- クリアーランナー×1(風防パーツ1つのみ)
- ポリキャップ×2(使用するのは1つ)
となっている。
成型色は灰緑色というか、ダークシーグレーみたいな感じの色合いだ。

今回は1号で完結だから、部品はこれだけだね。
後はデカールだけという。


付属のデカールはこちら。
試作機ということだけあって、日の丸と計器、それにプロペラの警戒線のみですな。

塗装図は誌面内なので今回も割愛。
収録されている塗装・マーキングは一種類のみ。
表紙の作例と同じ
「ジュラルミンの銀色地に赤い尾翼、黒いカウリング」
となっている。
大戦前の帝国海軍機でよく見られた、いわゆる保安塗装だ。

今まで組んだキットの保安塗装機ってなると、九七艦攻なんかがそれだね。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から組み立てを開始する。

例によってコクピット周りが細かく分割されているみたいだね。
ただ零戦に比べればパーツ数は少なそう。

主脚も固定脚なので製作中の部品管理が楽ですな。
塗り分けも単純ですし、模型製作の面では有利という。

単葉固定脚機は筆者の好物だ。
長年放置していたが、今の筆者にかかればすぐに完成するだろう。
とにかく、詳しい内容は実際に組んでから……。

続きは次回!