
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は苦戦しながらもアドミラルの九七式軽爆撃機が完成しました。
今回は……。

簡易インジェクションキットで大苦戦したので、今回は普通のインジェクションキットで口直し。
筆者の在庫から持ってきた戦闘機キットを紹介しよう。

またまた航空機キットに。
そろそろ他のジャンル目的の読者が離れるよ。

本当は戦車キットを先行させていたようですが、そちらに苦戦したようで……。
今回のお題 スーパーモデル フィアットG.55/S


今回作るのはこちら。
スーパーモデルより、フィアットG.55Sだ。

スーパーモデル……
以前のヴェルトロのメーカーだよね。

厳密に言うと、このG.55のキットは元々イタレリの金型だったのだとか。
さらに厳密に言うと、どうやら当時はイタレリではなく、アリプラストというメーカー名だったのだとか。

なんかややこしいなぁ。

どうやら
- 60年代にイタルスタンプという名前の会社が創業。この頃はまだプラモデルを作っていなかった
- 社名をアリプラストに変更し、60年代後半~70年代だかに最初のプラモデルとしてフィアットG.55戦闘機を発売
- 大人の事情で社名をイタラエレイに変更
- イタラエレイからスーパーモデルが分離独立し、イタラエレイの金型が一部移動。その中にG.55の姿も
- 80年ごろ、イタラエレイがイタレリに社名変更
といった流れらしい。
ちょっと聞きかじっただけだからどのくらい正確なのかは不明だけどね。

アリプラストは「似たような名前の会社が存在した」から。
イタラエレイは「イタリア語圏外の人には発音しづらく馴染みにくい」から。
……という理由で変更されたみたいですな。

ところで、この箱にでっかく書かれた「100」って?
限定100個生産とかそういうやつじゃないよね。

不明ですが、おそらくそれではないはずです。
ブックオフの値札シールが貼られているので、今回のキットは中古品。
前の持ち主かそれ以前の小売店が書いたものかと。
「特価の100円」という説を筆者は推測しているようです。

ちなみに筆者はこれをブックオフで500円で購入した。
フィアットG.55Sとは?

この機体は第二次世界大戦期後半に登場した、イタリアの戦闘雷撃機だ。
商品名には「SILURANTE」と表記されていたけど、これはイタリア語で雷撃機を意味するらしい。

戦闘雷撃機……。
またすごいものが出てきたなぁ。

まず原型のG.55(チェンタウロ)から。
これはドイツのダイムラーベンツDB605を搭載した戦闘機として開発された。
無論エンジンはドイツ国内向けで生産が手一杯だったので、イタリアはそれのライセンス生産をしてG.55に載せたけどね。

この辺りは同期のマッキMC.205ヴェルトロ、レジアーネRe.2005と同じですな。
この3機をまとめて「セリエ5」と呼ぶのだとか。

今回作るのはS型。
地中海に面するイタリアはサヴォイア・マルケッティSM.79爆撃機を雷撃機として使用し、連合軍相手に戦果を挙げていた。
戦争が進むにつれ性能が不足してきたそれの後継機として、G.55を雷撃機として使用する案が浮かぶ。
そして1機のG.55が改造を施されて、G.55Sが試作される。

SM.81、筆者の積みにあったような……。

G.55Sは魚雷を胴体下部に装備するため尾輪を延長。
胴体直下にあった1基のラジエーターは2つに分割され、左右の主翼下部に移設された。
テストでは問題ない性能を発揮し、イタリア社会共和国空軍(イタリア国家空軍)は量産発注。
しかし戦争終結により結局量産はされなかった。
残された試作機は戦後まで生き残り、後に元の戦闘機型に組み直されているとのこと。

詳しくは後述しますが、今回のキットでも戦時中のイタリア社会共和国軍仕様と、戦後のイタリア共和国軍仕様が収録されていますな。

軽快で高速な単発の雷撃機として試作されたフィアットG.55S。
イタレリの系譜を継いでスーパーモデルから発売されたキットで作ってみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開けましょう。
中身はこんな感じです。

ちょっともったいない気もするけど、レッツ☆開封!

筆者はコレクターではなくてモデラーだからね。


中身はこんな感じに。
ランナーは通常のが4枚とクリアーランナーが1枚。
右上のものが、今回の戦闘雷撃機型で新規追加されたもののようですな。

何気に成型色が2種類……。


付属デカールはこちら。
以前のヴェルトロは何故かドライデカールでしたが、今回はいつもの水転写式のようですな。

使えるかな?


付属の説明書。
古い製品らしく、1ページに全てまとめられています。
機内の色なんかが不明ですな……。

どうやら元の戦闘機型のみ使用して、今回の戦闘雷撃機型では使わないものもあるようだ。
組み立て手順やパーツはよく確認したいところ。


このキットに収録された塗装・マーキングは2種類。
- イタリア社会共和国空軍所属機(サンドカラー地にダークグリーンの帯迷彩)
- イタリア共和国空軍所属機(シルバーのジュラルンミン地)
となっています。
今回は前者で塗る予定です。

この色合いはあれだね、以前作ったヴェルトロと同じになりそうな。

ただこの迷彩を、洋上により溶け込みやすいグリーン系やグレー系のものとする説もあるようだ。
今回はサンド系で塗るけど、その辺りアレンジしてもいいだろう。

先人たちのなかには、それらの色合いで仕上げた人もいるようですな。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から作業を開始する。

単発機なのはいいけど、以前のヴェルトロは苦戦したよね。
今回はもっと作りやすいといいんだけど。

あのキットはゴムタイヤ(2機中の1機は欠品)やドライデカールなど、妙な仕様でしたからね。
今回のキットはそのような仕様はないようなので、まだ安心できそうですが。

詳しくは実際に組んでみてから。
今回は1機のみなので、同時製作とかはないので安心を。

続きは次回!