
ハセガワの定番品、B帯シリーズにラインナップされているF6Fヘルキャットを作っていきましょう。

前回は塗装とマーキングを行い、ようやく鹵獲機らしい見た目になった。
今回はやり残したマーキングの塗り潰しと、ウェザリングを行い完成させよう。

今月2つ目の完成品。
順調に進んでいるようだね。

ただ先月購入品なので、積み山が減ったわけではありませんな。
あと一つ、その先月購入一団は残っているわけですが……。

今月中には全て完成させたいところだ。
それでは作戦を再開する。
元の白帯部分塗り潰しを再現する


今回の鹵獲機は元の米軍マークの上から日本軍の日の丸マークを描いているみたいだけど……
米軍マークは白い星と、左右に伸びた白帯からなっている。
なのでそのままだと白帯が見えた状態になるんだ。
しかし今回の機体はそれも塗り潰されているのか、撮影されたモノクロ画像では確認できなかった。
なので、デカールが乾燥したところでその塗り潰しを再現してみよう。

筆者が以前購入した書籍「日本軍鹵獲機秘録」によると、他の機体の塗装は様々な感じみたいだね。
機体色ごと日本軍の迷彩に塗り替えているパターンだったり、米軍塗装のままで国籍マークの星だけ書き換えて白帯部分を残しているパターンもあったり。

今回のF6F「ヨ-801」の有名な写真もこの本に掲載されていましたな。
大戦末期の機体のようなので、筆者は全身が塗り替えられているとは判断せず、元のシーブルーのまま進めています。
白帯の塗り分け部分もシーブルーを調色したものではなく、なんらかの日本軍側の手持ちの暗色で塗り潰したのかと解釈して……。

黒とかも考えたけど、ここは手持ちの水性ホビーカラーの濃緑色(暗緑色)1で塗り潰した。
寸法はキット付属の米軍マークデカールを参考に、フリーハンドで塗ってみることに。
ウェザリング!


続いてウェザリング。
いつもの3点セットと行きたいところですが……
今回のF6Fはシーブルーの単色で、しかも凸モールド。
単純なスミ入れですと単調になりますな。

というわけで以前連山でも試して味を占めた、タミヤエナメルを使用したドッティングを導入。
紺色系の機体色なので、明るい同系色であるスカイブルーを中心に使ってみよう。
他には多少変化を付けるため、フラットホワイトやパープル、ライトグリーンも加えて……。

どうなることやら。


ドッティング後はいつもの銀剥げ、排気管汚れですな。
暗色なので銀剥げは目立ちます。
ただそこまで米軍機は塗装剥げが激しいイメージがないので、コクピットなど可動部に少々施すぐらいに留めておきます。

排気汚れはタミヤのウェザリングマスターBセット。
機体が黒っぽいので、ススだけだと目立たない。
なのでサビ色も混ぜて、茶色っぽい排気汚れを施している。

大馬力の機体っぽく、排気汚れは気持ち強めで……。
最後の仕上げ


最後につや消し……
といきたいところですが、ここで筆者が
「グロスシーブルーの塗装なんだからグロス(光沢)のほうがいいのでは?」
と判断。
本体はMr.カラーGXのスーパークリアーIIIでコートし、光沢仕様にしています。
変化を加えるため、排気汚れ周りなどはつや消しクリアーを使ってコーティングしていますが。

なんかまた面倒なことを。

模型としては、光沢面のほうが道中でデカールを貼りやすいという長所がありますな。
逆に粉物が定着しづらかったりして作業性が落ちたり、光の反射で凸凹が目立つので表面処理を念入りに行う必要がありますが。

とりあえずこれで完成かな?
以下、ギャラリーだよ。
ハセガワ 1/72 F6F ヘルキャット 完成!







結構スカイブルーのドッティング色が残っている感じかな。
動翼の凹みに残っているのは結構気になるかも。

もっと溶いてから乗せてもよかったかもしれませんな。
ここから先は別機体との比較に。



まずは以前組んだF4U-1Aコルセアと。
ハセガワからもF4U-1Dのコルセアが発売されていますが、今回のはタミヤ製品ですな。
逆ガル翼で細い胴体のコルセアに対し、太い胴体と厚みのある主翼が特徴的なヘルキャットとわかりやすい形をしています。

本来はコルセアが主力艦戦になる予定だったけど、艦載機としては使いにくいものだったという。
だから改良待ちの間はヘルキャットが主力になった感じだね。

初期の量産型であるF4U-1は主に陸上基地で運用された。
画像にあるF4U-1Aで前方視界の悪さが改善され、艦載機として運用されるようになったのだとか。
前述したF4U-Dは更なる改良型で、大戦中最後の量産型コルセアとなっている。

大戦後のジェット機の時代になるとF6Fは急速に第一線から引き上げられたのに対し、F4Uは戦闘爆撃機としてしばらく活躍したようですな。




続いて相対した日本海軍の艦上戦闘機、零式艦上戦闘機の五二型と。
大きさがまるで異なりますな。

同じハセガワ製のと比較したほうが良かったんじゃない?
それかこの前組んだファインモールド製か。

筆者がその2社製品をどこにしまったのか失念したようです。
なので手近にあったタミヤ製品を持ってくることに。

小柄で軽快な機体に大口径砲を備えた零戦と、大柄で頑丈な機体に小口径砲を複数備えたヘルキャット。
対象的になっているのが興味深いところだ。
作ってみた感想のコーナー


途中の事故がなければもっとサクッとできたはず。

筆者がこのキットを組んだ感想としては……
- パーツ数が少なく、古い金型のキットであるが部品の合いは非常に良い
- 値段も2025年6月現在税込み990円と安価。その割には大柄でボリュームがある
- 凸モールドのため接着剤などでパーツ表面を溶かさないように注意する必要がある。合わせ目をまたぐ胴体下の信号ライト部分は凹みを付けたりクリアーパーツを使うなどして、作り直したほうがそれらしいかもしれない
- プロペラ軸部分が短い上に非可動。ここは今回改造してプロペラが回るようにした
といったところ。
大柄な見た目の割には安価ですぐ形になるのが利点。
「とりあえずF6Fヘルキャットを組んでみたい」
という人におススメだ。

キットは風防やカウリング周りの部品を選択することで、初期型の「F6F-3」と後期型の「F6F-5」を選択するような形になっています。
実際は他にも両者は相違点があるようですが……。

ちょっとググって見たけど、ハセガワ以外にはアカデミー、イタレリ、エデュアルド、エレールとかが出しているみたいだね。
あんまり見かけない機体と思いきや、海外メーカーから結構出ていたというか。

ハセガワ製のように3と5の選択式になっているキットもあれば、別々になっているキットもあるようだ。
筆者は今のところハセガワ製しか完成させたことがないから、他社製品について詳しくは不明だけどね。

筆者の第2積み山に、組みかけのアカデミー製F6Fが転がっていた気がしますが……。

今回はここで終了。
次回はまた別のキットを紹介予定だ。

次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット