
フジミ模型より再販されたばかりの、九九式艦上爆撃機。
選択式の本キットを、後期型である二二型で組んでみましょう。

前回は本キットを使用してヒケ埋めを実践してみた。
今回は寄り道から戻って組み立て開始。
コクピット周りを作ってみよう。

購入してすぐのスタート。
最近筆者は購入してすぐに作らなくなってきたからなぁ。

この九九艦爆と同時に購入したJu88はともかく、先々月購入したIV号突撃砲とモルガも後回しになっていますな。

モルガは裏で開封が済んで組み立てが始まっている。
そこにこのキットが割り込む形になったんだけどね。
後も控えているし、早く完成させたいところだ。
それでは作戦を開始する。
合わせ目接着


まずは合わせ目消しのために接着。
主翼・主脚・機首・250kg爆弾を貼り合わせてしまいましょう。
機首は一一型と二二型で同じ番号の異なる部品を使うので、ごっちゃにならないよう注意です。
合わせ目消しについては過去記事参照ですな。

九九艦爆の特徴でもある固定脚。
このキットではタイヤ部分とスパッツ部分が一体成形だね。
スパッツはディティールの違いでそれぞれ異なる番号がついているけど、大丈夫かな?

スパッツ側面の丸いディティールが2つのものと3つのものがある。
3つのものが機体外側を向き、2つのものが機体内側に来ると覚えよう。
後は内部の凹凸ピンで区別する感じだ。
凸凸同士はピンを切り落とさないかぎり合わないけど、凹凹同士を接着しないように注意だ。

他にここで注目・注意する点としては……
- 機首はエンジンパーツを挟み込んで接着するような指示になっているが、実際は挟み込まなくても後付け可能。今回はエンジン周りの塗り分けや加工の都合で後付けする
- 主翼パーツは貼り合わせ前に、主翼下に爆弾ラックを取り付けるための穴開けをする。指定の口径は0.7mm。一一型では機体内側寄りの片側1セット分の穴を、二二型では片側2セット分全ての穴を開口する
といったところですな。
筆者は手持ちに0.7mmのピンバイスがないので、0.8mmで開けています。
二二型なので、片側4つ全て開口ですな。


左主翼の前側にはどうしても隙間が発生した。
接着剤だけでは消しきれなかったので、他パーツについていたバリを切り出して貼り付け。
接着剤で溶かしつつ押し込み隙間に押し込んでいる。
合わせ目部分の接着剤が乾いたら一緒に削り落とそう。

ヒケ埋めを早速応用して……。

むしろ伸ばしランナーの応用ですな。
とにかくスチロール系接着剤で適当なプラ材を溶かして、パテ代わりにするわけです。
コクピットの組み立て


続いてコクピット。
胴体内側の側壁部分は浅い押し出しピン跡があります。
削って処理しておきましょう。

ここも少し一一型と二二型で違いがある。
- 床板・座席周りは共通・ただ一一型は後部座席を前側に向かせ、二二型は後ろ向きにする
- 外装上部の33番パーツは一一型・二二型で同じ名前の部品の選択式
- 一一型のみ胴体の尾部に穴を開ける
- 二二型のみ、後部座席に機銃を取り付ける
といったところ。
機銃はおそらくキットでは一一型の風防だと収まらないので、二二型のみ取り付ける形になっているのだろう。

実際は一一型でも装備されているはず。
座席は前後で違う部品だから混ざらないように注意だね。
背もたれの幅が狭くなっているのが27番で、操縦席だよ。


組み立てるとこんな感じに。
……塗り分けとかがあるので、座席以外ほとんどバラバラですな。

詳しくは後述するけど、同社の旧製品とは色の指定が異なるようだ。
旧製品だと座席と機内の色が異なっていたはずだが、今回は共通だ。
ヒケを埋める



コクピット上部パーツはヒケによる凹みがあります。
これは前回1記事まるごと使って埋める様子を解説しましたな。

ここも機内色で塗るので、早めに処理したというやつだ。
この手の作業は乾燥時間が少なからず発生するので、なるべく組み立て序盤に済ませておくと作業効率が上がる。
コクピットの塗装


ここで機内を塗ってしまいます。
キットの指定ですとMr.カラーもしくは水性ホビーカラーの512番、ロシアングリーン4BO(1947~)ですな。
筆者はこの色を持っていないようですが……。

筆者は511番の、大戦期のロシアングリーンならあるんだよね。
キットの箱に必要な塗料が掲載されているし、このキットと一緒に用意しなかったのかな?

筆者は当初購入する予定だったけど……
店頭で実物を見たところ、他の色との差が小さくて代用できると思って購入しなかったようだ。
購入しても筆者は戦後ソ連戦車が守備範囲外で、他にあまり使わない可能性が高かったというのもある。

実物で確認してきたところ、511番のロシアングリーンよりも少し黄色みがある色のようですな。
ややオリーブドラブ系に近いともいいますか。

んで、筆者はなんかそれらとはぜんぜん違う色味の塗料で塗っているね。
水性アクリジョンのRLM02グレーという。

ロシアングリーンの代用品で何か塗ろうとも思ったけど、筆者が同じ愛知航空機のタミヤ製晴嵐がこの色の指定だったのを思い出してね。
今までの愛知系は全部その色を機内色にしていたので、それに合わせる形にした。
九九艦爆はハインケルHe70の影響を受けていた形をしているので、この状態だと少しドイツ機っぽく見える。

他社製の九九艦爆キットや先人達の作例でもコクピット色はバラバラですな。
機体内部色のような黄緑系だったり、三菱系コクピット色のような暗い緑が多数のようですが。

ちなみに筆者が以前組み立てたフジミ製の旧製品では
- 座席→水性ホビーカラーのグレー(ねずみ色)
- 機内全体→Mr.カラーもしくは水性ホビーカラーの青竹色
の指定だった気がするね。

前の天山とか流星も青竹色指示だったね。
筆者は違う色で塗ったけど。

一昔前のキットですと
「日本機の機内は全面青竹色」
の指示が多いですな。
近年は
「搭乗員区画は黄・緑系の色で、それ以外の機内は青竹色」
みたいな指示が多数ですが。

この辺りも時代が進んで新しい発見があると変わる感じだ。
操縦桿は水性ブラックサーフェイサーとMr.カラーのシルバーで塗り分け。
キットでは握り部分のみ黒だけど、筆者は操縦桿根元も黒で塗り分けている。

計器盤は先ほどの機内色。
旧製品では確かシルバー指示でしたな。
計器面は黒で塗り潰した方がそれらしくなりそうですが……。
機内のウェザリング


その後は計器のデカールを貼り付けてから、スミ入れとドライブラシ。
- スミ入れ→タミヤエナメルのスミ入れ用ブラック
- ドライブラシ→タミヤエナメルの明灰緑色
ですな。
デカールシートが2枚付属するので、計器は1回失敗しても再チャレンジが可能です。

水性アクリジョンがエナメル塗料と相性が悪いのか、染みこんでやや拭き取りが難しかった。
必要な部分にピンポイントに塗った方が良かったかもしれない。

結果的にはそれらしくなったから、問題ないけど。
今回の戦果


後は床板を胴体で挟み込んで貼り合わせ。
主翼パーツも合わせてしまいましょう。

胴体側面になんか汚れが。

あれもヒケ埋めのためのプラ材だ、
あの位置は裏にピンがある影響か、局地的に厚みができていてね。
ピン自体は上部パーツを被せて見えなくなるので、処理は不要だ。

計器盤や機銃は胴体の合わせ目を消してから取り付けましょう。
先に取り付けると、作業中に押して破損させる可能性がありますので。

上部パーツも合わせ目がモールドを兼ねているっぽいので後回し。
今回はここで中断。
次回はエンジン周りなどを組んでみる予定だ。

続きは次回!
この記事で作っているキット