ブロンコより発売されています、ハンガリー軍突撃砲ズリーニィII型を作っていきましょう。
前回は車体上下を合わせて形にした。
今回は履帯ラックやシュルツェンを取り付け、全体の組み立てを終えよう。
ここまで来ると後はもうこまごまとしたものばかりというか。
ところがどっこい、むしろこの辺りがこのキットの地味な難所といいますか。
ハンガリー軍に詳しい先人達からすると、かなり気になる部位らしい。
筆者も先人や有識者達から得た情報を元に手を加えていく。
それでは作業を再開しよう。
前面予備履帯ラックの加工
さて、こちらが今まで放置していた予備履帯ラックですな。
板状のものとなっており、左右が一体化されています。
ただどうも先人達によると、これは試作車輌に見られたものらしい。
そのため量産型のズリーニィとは形状が異なるようだ。
量産型ではこの予備履帯ラックが左右に独立しているとのこと。
また凸凹のパターンも異なるようだ。
どうするのかな?
筆者はラックの自作が億劫だったので、外した状態にした。
基部のエッチングを接着し、左右の蝶ねじを取り付ける棒状の箇所は伸ばしランナーでそれらしくしている。
ロシアのクビンカ戦車博物館には唯一現存するズリーニィIIがあるようですが、それもこんな感じのようですな。
シュルツェンの組み立て
ここでようやくシュルツェンです。
砲塔がないので、車体のみとなっています。
簡単そうに見えるけど……。
各シュルツェンはトゥラーンのものとは異なり、モールドが入っています。
筆者はデザインナイフで切り出していますな。
本当は専用のエッチングハサミなどを使うのがよさそうですが……。
問題はコの字フックの接着。
トゥラーンのものでは取り付け位置が微妙に凹んでいたけど、ズリーニィのものはそれがない。
完全なイモ付けとなっている。
接着位置がずれて接着剤で網目が埋まらないように注意しよう。
とりあえず接着するとこんな感じに。
一部シュルツェン同士を跨ぐように配置するフックもありましたが、今回それは省略しています。
詳細がわからなかったというか。
ボックスアートでもシュルツェンが欠けた状態だけど、跨いだところのフックについて何も記載がなかったし。
シュルツェン化の組み立て
続いてシュルツェン架。
上段の「F4番パーツ」
下段の「F1番パーツ」
はそれぞれ似たようなものとなっています。
混ざらないように注意ですな。
取り付けていくんだけど……
なんか微妙に合わないね。
下段に合わせると上段のが浮くというか。
このキットの難所だ。
シュルツェン架を曲げて微調整することになる。
ただ作業中にイモ付けしたコの字フックが外れたりして……。
面白いキットだね。
最後尾のシュルツェン架を加工する
最後尾のシュルツェン架、F3番パーツは車体下部側面からまっすぐ横に伸びた形をしています。
不思議な構成ですな……。
筆者が先人達や有識者から得た情報によると、どうやらフェンダー上部から下がっているのが正しいらしい。
なのでこのパーツは改造することに。
元のパーツを切り刻んだり削ったりして。L字状の部品を2つ用意。
左が元の部品。
右が加工後の部品。
L字パーツを接着してこんな形にします。
正直強度が不安ですな。
このキット、シュルツェン自体あんまり強度がないし、もはやそこまで気にしなくてもいいかも。
後は現物合わせで位置を決めて接着。
リベットパーツは伸ばしランナーを薄切りして再現する。
なんとなーくそれらしくなったかな?
シュルツェンを引っ掛けて位置を確認。
問題なさそうですな。
牽引ロープの組み立て
最後に放置していた牽引ロープの組み立てです。
ロープ本体のヒモは結ばれているので、ピンセットでヒモ本体に傷をつけないようほどきましょう。
ヒモの両端はそのままだと広がっているね。
いきなり切り直すとほどけるから、一度瞬間接着剤で端を固めてから斜めに切るといい感じに切れるよ。
ヒモはフックパーツに通したあと、端をエッチングパーツ(P25番)で留めます。
ただヒモ自体が太いからかいくつか問題が。
- フックパーツの穴が小さくヒモが通らない
- ヒモが太くてP25番パーツで巻けない
といったものです。
筆者は
- フックパーツの穴を1.0mm径のピンバイスで広げた
- エッチングパーツはシートの端から切り出し新規に用意
することで対処している。
今回の戦果
後はロープを取り付けて完了。
……取り付けた車体右側の画像が見当たりませんな。
アホな筆者が撮影を忘れたらしい。
先に留め具を接着してからヒモを通し、ピンポイントで車体とヒモを接着している。
一部デカール部分と重なるので、あまりベッタリ車体とヒモは接着しないほうがいいだろう。
トゥラーンの過去記事は何か参考にならないかな?
前述のとおり、シュルツェン同士をまたぐPa3パーツとPa5パーツは省略している。
また内側の側面フェンダーPa4番も省略してしまっている。
これで本当にいいのかわからないけど。
今回はここまで。
次回はようやく塗装に入ることになるだろう。
続きは次回!
この記事で作っているキット