模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回は筆者が長年積んでいた回天隊の屠龍丁が完成し、手持ちの屠龍3機が全部揃いましたな。
今回は……。
ここ最近筆者の調子がいいので、手のかかりそうなAFVキットを投入したいと思う。
その割にはまた作業に記事が追いつきそうなんだけど。
とりあえず今回の品物を確認しましょう。
今回のお題 ブロンコモデル 41MトゥラーンII重戦車
今回作るのはこちら。
ブロンコより
41M トゥラーンII重戦車だ。
商品名では「ハンガリー 41MトゥラーンII中戦車」となっているけど……
トゥラーンIIは運用したハンガリー軍内では重戦車扱いだったので、今回はそれに従う。
あっ、このキットはずいぶん前に筆者が購入してそれっきりにしていた……。
2年前の正月に購入したやつですな。
あの時はガンタンクなど4つ購入しましたが、これとローデンのハインケルがまだ完成していません。
41M トゥラーンII重戦車とは?
この戦車は第二次世界大戦時にハンガリーが運用した戦車だ。
先ほども述べたとおり、同じトゥラーンでもバリエーションによって中戦車だったり重戦車だったりする。
この辺りに関しては後述。
なんか話が長くなりそうだなぁ。
第二次世界大戦直前の1938年。
ハンガリー軍はスウェーデンのランツベルクL-60軽戦車を元にライセンス生産した、38MトルディI型軽戦車を採用した。
しかし翌年に大戦が勃発。
この様子を見ていたハンガリーはより強力な戦車を配備しようと考える。
トルディは以前ここでも作っていたね。
20mmライフル装備のI型ではなくて、40mm砲装備のトルディIIaだけど。
当初ハンガリーはドイツのIV号戦車だかIII号戦車だかのライセンス生産権を得ようとしたが、これは許可されなかった。
代わりにチェコスロヴァキアのシュコダ社が試作していたT-21という戦車が選ばれ、これを元にしてライセンス生産することが決定する。
これでトゥラーンシリーズの第1弾、40MトゥラーンI型中戦車が正式採用されることに。
ちなみにトゥラーンとは、中央アジアに存在したといわれる伝説上の国名・民族名だとか。
T-21、なんか初めて聞く名前の戦車が。
当初はs-II-cという名称で開発されていたチェコスロヴァキアの戦車ですな。
同社が開発した35(t)ことLTvz.35軽戦車を拡大・発展させたようなものだったそうです。
当のチェコスロヴァキアがドイツに併合されたこともあって、試作止まりでしたが。
そういえばトゥラーンの足周り、どことなく以前作った35(t)に似ているような。
ハンガリーでライセンス生産に当たって、いくつか仕様を変更している。
目立つところでは
- エンジンをハンガリーの企業であるヴァイス・マンフレート社製のものに変更
- 原型では47mm砲を装備していたが、同軍の対空砲や対戦車砲と口径を合わせるため40mm砲に変更
などなど。
ただこれらの仕様変更などの問題もあって、トゥラーンIとしての試作車は1941年にようやく完成。
部隊配備に至っては翌1942年まで遅延した。
もう独ソ戦が始まっちゃっているという。
というかハンガリーはドイツの同盟国だけど、それだとソ連の……。
T-34を敵に回すことになりますな。
もちろんトゥラーンIの40mm砲では明らかな力不足であると判断され、改良型が開発されることに。
そこで主砲を短砲身ながら75mm砲に変更。
これが今回作る41MトゥラーンII重戦車だ。
ハンガリー軍では75mm砲装備は重戦車扱いされるので、この名称になった。
実際の重量は20t弱しかないんだけどね。
国際的に見ると、45t以上で重戦車に分類されることが多いですな。
短砲身の75mmだと同じ短砲身75mmのIV号戦車みたいな感じかな?
これでもT-34には力不足な気がするんだけど。
こちらも生産が遅延して、最初の車輌が完成したのが1943年に入ってからだとか。
これでも力不足なのはわかっていたので、後に長砲身の75mm砲を搭載した43MトゥラーンIII型重戦車が試作された。
やっとこさ後期のIV号戦車クラスになったものの、こちらは大戦後期の混乱により試作止まりとなっている。
なんかいろいろマイナーな戦車の名前が出てきたけど、要するに
- T-21(s-II-c)→チェコスロヴァキアのシュコダ社で試作されていた中戦車。主砲は47mm砲
- 40MトゥラーンI→T-21をベースにハンガリーがライセンス生産・改修を施した中戦車。主砲は40mm砲
- 41MトゥラーンII→トゥラーンIの主砲を40mmから短砲身75mmに変更したもの。75mm砲装備により重戦車を名乗る。今回作るのはこれ
- 43MトゥラーンIII→トゥラーンIIの短砲身75mmを長砲身75mm砲に変更したもの。試作止まり
ってことかな?
大体そんな感じです。
東欧のハンガリーがライセンス生産したチェコスロヴァキア生まれの戦車・トゥラーン。
ブロンコのキットを使い、短砲身の75mm砲を装備したトゥラーンII型を作ってみよう。
箱の中身を確認しよう
それでは箱を開けよう。
中身はこんな感じ。
なんか付属品が多そうな。
まずはプラランナー。
ペリスコープなどクリアーパーツランナーが2枚。
それと可動式履帯のランナーが多数。
これはかなり部品が多い感じ。
車体はリベット接合車には珍しく、バスタブタイプだね。
その他付属品。
- ロープ
- エッチングパーツ
- デカール
となっている。
シュルツェンは薄いエッチングパーツでいいんだけど……
シュルツェン架までエッチング製なんだ。
組み立ては大丈夫かな。
塗装は5種類。
いずれもハンガリー軍所属で、迷彩の有無やシュルツェンの有無で選択する。
筆者は今回シュルツェン付きの車輌にしたいので、2、3、4番のどれかになりそうですな。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から早速組み立て開始となる。
しかしブロンコモデルって、聞いたことないメーカー名だね。
中国のメーカーですな。
筆者も今回ここの戦車を組むのは初めてだそうです。
航空機ならここの開設以前に購入して途中まで組んだものの、放置してしまっている。
それもそのうち引っ張り出して紹介するかもしれない。
もっとも、トゥラーンが完成するかどうか怪しいですけどね。
裏で早速筆者が手をつけていますが、どうも一筋縄にはいかないようで。
どんなものなのかは次回以降でお届けしよう。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット