模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はフィンランド軍のB-239バッファローが完成しましたな。
今回は何を作るのやら。
久々に筆者の製作技法的なことでも紹介したいと思う。
何を教えてくれるのかな?
ガンプラとかでよくあることだけど……
部品を外すときや持ち方が悪くて変な力が加わった際に、よく接続軸が折れてしまうことがあるだろう?
今回はここの修理方法を紹介する。
ああこれね。
ありがちというか。
筆者はガンプラ以前、少年時代に旧トミーのゾイドをこれで何機も破壊しましたな。
今回の犠牲者 HGUC 高機動型ザクII(黒い三連星)
今回事例としてメインに取り扱うのはこちら。
ガンプラHGUCシリーズより、高機動型ザク(黒い三連星)だ。
また君かぁ。
今までに何度も出てくるけど、いつまで経っても完成させてもらえないという。
パターンその1 真鍮線を使った棒軸の修復
さて先ほどの画像を再び。
このキットで筆者が破損させたのは脚部のバーニア部分。
バーニアを脚に接続するためのピンが折れてしまっている。
この位置、ちょうど手で脚をつまんだ際に横から力が加わるんだよね。
軸自体もそんなに強度がないから、簡単にポキっと。
今回修理に使う材料はこちら。
WAVEのC・ラインシリーズだ。
いわゆる真鍮線だね。
いろんな種類があるけど、今回は1.5mm径を使用する。
このほか工具類も使うけど……
それらは説明しながら順に紹介する。
今回は比較的細いピンですからね。
太いピンならプラ棒などでも代用可能です。
台紙部分とか値段がまちまちだけど……
最近改定したんだっけ。
手始めに本体側へ軸を埋め込むための凹みをつける。
いきなり目的の穴を開けようとするとズレた際の修正が難しい。
ここはデザインナイフなどで中心に軽く凹みをつけておこう。
デザインナイフはシールの余白を切り出すなど、汎用性の高いプラモデル用工具です。
初心者の方でも比較的最初のほうに揃えておきたい工具の1つですな。
続いて凹みをつける。
使用した工具はタミヤの精密ピンバイスD。
今回は1.5mm径の真鍮線を使うから、1.5mm径のドリルも必要だ。
ただズレ防止のためいきなり目的の1.5mm径を使うのではなく、先に1.0mm径など小さいもので凹みをつけておこう。
タミヤのベーシックドリル刃セットなら両方入っているから安心だ。
ガンプラってスナップフィット式だから、パーツ内部が凸凹しているんだよね。
いきなり目的の穴を開けようとすると、その凸凹にドリルが引っかかって穴がずれたり。
場合によっては内部をあらかじめ削っておいたほうがいいかもしれませんな。
今回は簡単な凹みなので、そのまま進めますが。
続いて真鍮線を適当な長さに切り取って用意。
金属製で、しかもそこそこ太い1.5mm径だ。
間違っても精密なニッパーでは切らないように。
刃がガタガタになる。
筆者の場合、0.5mm径とかだと格下げしたボロニッパーで処理しちゃうんだけどね。
よい子のみんなはマネしちゃだめだぞ。
今回はペンチを使っています。
詳細は不明ですな。
筆者の自宅に転がっていた謎ペンチなので。
筆者も太い真鍮線を頻繁に使わないので、専用の金属用ニッパーを持っていないようだ。
そのうち導入したいところ。
真鍮線は先ほどの凹みへ、埋めるようにして接着する。
金属なのでタミヤセメントなどのスチロール系は効かない。
瞬間接着剤を使うといいだろう。
本体に真鍮線をセットしたけど……
真鍮線が元の軸よりわずかに太いのか、今度はバーニアが入りにくい。
バーニア内部の穴を1.5mm径ドリルでさらっておくといいだろう。
何はともあれ、これで修復完了ですな。
真鍮線の色が内部で目立ちますが、気になる人は塗るなりするといいでしょう。
金属なので、下地にプライマーを忘れずに……。
他のバーニアは健在だったけど……
強度を確保したかったのでピンを切り取り。
全て真鍮線で置き換えてしまっている。
筆者のことですから、後で折ることを前提にして……。
これで真鍮線置き換えは完了。
画像の左側が作業前。
右側のが作業後だ。
結構凹みをつけるのが難しそうな。
今回のは面が狭い箇所だから、少しでも左右にズレると変な位置に穴が開きそうだったし。
その場合は
- 折れたピンをバーニアに接着し、元の取り付け穴を埋める
- 先ほどの作業を、より細い真鍮線とドリル刃で実行する
といったパターンでもよさそうですな。
追記 この画像は後に改造で同じような状態になったブレイズザクファントムのものですな。
今回は更にパーツの合わせ目の上に凹みをつけている。
勝手にパーツが分解して穴あけ作業の邪魔をするので、先に合わせ目を接着しておくといいだろう。
その2 プラサポシリーズを使ったボールジョイントの修復
ついでにもうひとつ、紹介しておきたいパターンがあるのでこちらも実演。
初期のHGUC系列に見られる、股関節などボールジョイントの修復作業だ。
これはザクじゃないよね。
筆者のジャンクパーツ入れから漁ってきた、HGUCドムトローペンの股関節部分だ。
きれいにボールジョイント式の関節が折れている。
初期のHGUCのボールジョイントは妙に強度が低いといいますか。
パーツを外そうとしただけで関節ごと折れてしまったり。
ボールジョイントのパーツはいくつかあるけど……
筆者が現在主に愛用しているのはWAVEのプラサポシリーズだ。
プラパーツとポリパーツを組み合わせて関節を新造できるんだけど……
筆者はどちらかといえばボールジョイントの修復に使用している。
このシリーズ、ここでもときどき出てくるよね。
以前のだとゲルググJかな。
今回ここで使うのは画像のBJ–05プラサポ1。
棒軸部分が3.0mm。
ボール部分が5.0mm径となっている。
一部例外はあるけど、大体のHGUCシリーズの股関節に合うんだ。
先ほどの真鍮線のものと同様、元の軸があった場所に凹みをつけます。
ここもやはり内部の凸凹でズレやすいので、先に細いドリルで凹みをつけておくといいでしょう。
場合によってはあらかじめ内部を削っておく手も。
ここは最終的に3.0mm径の凹みをつけよう。
先ほども紹介したタミヤのベーシックドリル刃セットなら、1.0~3.0mm径が0.5mm刻みでセットされているから安心だ。
凹みをつけたらそこにプラサポの1番パーツを取り付ける。
長さは目的のものに合わせて切って調整しよう。
プラ製なのでスチロール系接着剤でも接着可能。
これで完了だ。
あっという間に。
一般的には軸ごと交換するよりも
- 折れた軸の中にピンバイスで穴を開ける
- 開けた穴に真鍮線を通す
- 軸を再接着
といった方法もあるようですな。
筆者はあまり使わない手段ですが。
作業まとめ
そんなこんなで無事修復完了したわけだけど……
ざっくり説明すると
- ピンバイスで凹みをつける
- 軸パーツを埋めるようにして接着する
だけ。
ピンバイスで凹みをつける際、パーツ内部の凸凹でドリル刃がズレないように注意してほしい。
埋めるようにして接着しているので、ただ接着するよりも横からの負荷に強いのが利点ですな。
これだけでだいぶ強度が変わってきます。
他のパーツを使っているので、未塗装だと少し目立つのが難点だけどね。
ただ外から見えにくい箇所がほとんどのはず。
筆者は塗っちゃうから関係ないけどね。
壊れて捨てるしかない。
……と思っていたものが見事に復活できる。
気になる人はぜひとも試してほしい。
今回は以上だ。
……あれ、またザクは未完?
続きは次回ですな。
この記事で作っているキット