模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はタミヤの零戦二二型をサクッと完成させてしまいましたな。
今回は……。
以前から並行して進めていたAFVがようやく紹介できる状態になった。
今回はそれにしよう。
そういえば何か進めていたっぽいね。
なかなか進まないからか、結局2つも別キットを挟んでからの紹介に。
今回のお題 ブロンコ 40/43M ズリーニィII突撃砲
今回作るのはこちら。
ブロンコモデルより
40/43M ズリーニィII突撃砲だ。
またなんかマイナーそうなものを。
以前組んだトゥラーン戦車の派生型ですな。
もっとも、模型としてはこちらのほうが発売が早いんですけどね。
40/43M ズリーニィII突撃砲とは?
この車輌は第二次世界大戦期にハンガリーが開発した突撃砲だ。
名前のズリーニィとは16世紀にオスマン帝国相手に戦ったハンガリーの英雄、ズリーニィ・ミクローシュから来ている。
ズリーニィ・ミクローシュ。
オーストリアのハプスブルク家に仕えたクロアチアの総督で、クロアチア名ではニコラ・シュビッチ・ズリンスキとなります。
というかクロアチア人であり、こちらの国でも英雄とされているようです。
オーストリアやらクロアチアやらハンガリーやら、なんかややこしいことに。
筆者もよく理解していないので大丈夫です。
その辺りは世界史に詳しい人にお任せして、話を突撃砲のズリーニィに戻す。
ドイツの同盟国として戦っていたハンガリー軍。
1942年の夏ごろ、そのドイツ軍が装備しているIII号突撃砲を見たハンガリー国防省の自動車課と戦闘車両課が、自国軍でもこれを装備すべきだと提案した。
この提案が通り、同国の中戦車であったトゥラーンをベースにした突撃砲の開発がスタート。
これが後のズリーニィ突撃砲となる。
製造コストが抑えられて、より強力な砲を搭載できる。
本家のドイツ軍でもかなり頼りにされていたね。
イタリア軍でもドイツ軍の突撃砲の影響を受け、セモベンテシリーズが登場していますな。
見た目的にも、ズリーニィはこちらに近いと言いますか。
ズリーニィは元のトゥラーンから車体幅を広げ、主砲を車体に直接搭載していた。
主砲は40M105mm榴弾砲。
元々は牽引式の野戦砲であったが、不具合により相当数が余っていたらしく……
それの在庫処分も兼ねての採用でもあったようだ。
この105mm砲を装備したズリーニィが今回作るズリーニィIIとなる。
1942年の末に試作車が完成した
……あれ?
ズリーニィ「II」?
「I」じゃないの?
後に75mm砲を装備して対戦車能力を上げたズリーニィIが開発されます。
こちらは主砲量産の目処が立たず、試作車だけで終了してしまったようですが。
先発の105mm砲型がズリーニィII。
後発の75mm砲型がズリーニィI。
前後している理由については2023年12月現在も謎だとか。
パンターのD→A→G→F型みたいな。
試作車が試験終了する前の1943年1月に、ズリーニィIIは最初の40輌分の生産注文が入る。
しかし各地に散らばった多数の下請け工場が生産に関わっていたこともあり……
なかなか生産は進まず、最初の3輌が完成したのは同年9月になってからだった。
しかもこの3輌、軟鉄製で防弾能力はなく訓練にしか使えなかった。
残りの37輌はまともな装甲板を持つもので、1943年10月から翌年1月にかけて少しずつ完成した。
小国ゆえに兵器の量産体制が整っていないという。
前述の通り途中で生産されるはずだったズリーニィIも生産が不可に。
ズリーニィIIの方も1944年7月のアメリカ軍の空襲により、生産を行っていたヴァイス・マンフレート社の工場が破壊されてしまう。
なんとか回収した部品を使いガンズ社で組み立てが再開するものの、この会社があったブダペストが陥落しこちらも生産が止まる。
最終的にズリーニィは合計で60輌強が生産されたのみにとどまるとのこと。
1944年7月の空襲。
ズリーニィだけでなく、開発中だったタシュの試作車体もこれで破壊されていますな。
ハンガリー版III号突撃砲ともいえるズリーニィII突撃砲。
2023年12月現在唯一のインジェクションキットである、ブロンコの製品で作ってみよう。
箱の中身を確認しよう
とりあえず箱を開ける。
中身はこんな感じ。
相変わらず細かそうな。
部品その1。
トゥラーンから幅増しされた車体下部と、突撃砲型の車体上部が新規パーツですな。
足周りの部品は基本的にトゥラーンと共通となります。
トゥラーンの足周りで筆者は随分苦戦していたよね。
またあの時の光景が……。
パーツその2。
履帯はやはりパチパチはめるタイプ。
材質が違うのか、トゥラーンと異なり車体パーツと同じ成型色となっています。
クリアーパーツはトゥラーンと同じかな?
それとマシンガンやジェリカン・ドラム缶があるけど……。
燃料缶類はおまけのアクセサリーパーツ。
今回は使わないけどね。
どうやら別売りもされているようだ。
その他パーツ。
- エッチングパーツ×4
- ワイヤーロープの紐
- デカールの保護紙(?)
ですな。
シュルツェンをはじめ今回もエッチング満載だね。
ところで右上の「1+1」って何かな?
後述しますが、収録されている塗装図の中にシュルツェン上にマーキングを施したものがあります。
それ用のステンシルシートですな。
付属デカールはこんな感じ。
比較的シンプルな内容だ。
国籍マークや車番がメインとなっている。
4番のドクロマークぐらいかな、変わっているものは。
紙媒体は
- 説明書
- ボックスアートのロゴなしイラスト
ですな。
イラストは額にでも入れて飾っておきたいところだ。
塗装は3種類収録。
いずれもハンガリー陸軍所属で
- 迷彩なし・シュルツェンなし
- 迷彩なし・シュルツェンあり
- 迷彩あり・シュルツェンあり
のどれかですな。
いままで筆者は迷彩塗装のハンガリー車輌ばかり組んでいた。
今回は単色シュルツェンありで組んでみよう。
先ほどのステンシルシートも、この車輌でのみ使う。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から早速組み立て開始となる。
トゥラーンで一度組んだからそこまで苦戦しないかな?
砲塔がない分、シュルツェンの数も少ないし。
ところがそういうわけにもいかなそうで……。
以前組んだトゥラーンIIは2017年ごろの発売。
今回のズリーニィIIはそれに先立ち2012年に発売された。
先発だからか、いくつか気になる点もあってね……。
気になるなぁ。
とりあえず、詳しくは次回以降だ。
この記事で紹介しているキット