
ガンプラのHGUCシリーズより発売されています、ザクI(旧ザク)とザクIスナイパータイプ。
それらを組み合わせて、ゲーム「ジオニックフロント」で初登場したゲラート・シュマイザー少佐機を作ってみましょう。

前回は筆者がしばらく放置していたそのミキシング状態のものをサルベージしてきた。
今回は本格的に手を加える。
主に上半身の組み立てを行い、最初の改造ポイントである肩アーマーのスジボリ追加をしてみよう。

スジボリ追加……
消えかけたモールドの彫り直しは時々行っているけど、新規の彫り直しは初めてなんだよね。

イマイチイメージができず、それで筆者はこのキットを長年放置していたみたいですな。

今回の課題とも言える部分だ。
それでは作戦を開始する。
合わせ目接着


手始めに各部の合わせ目貼り合わせ。
HGUCの旧ザクは挟み込み箇所が多いキットです。
各部の後ハメや改造のため、複数個所を切り貼りしていますな。

後ハメに関しては過去に今までの旧ザク系キットで散々紹介した。
詳細はそれらを確認してもらいたい。

頭と肩アーマーはまだ接着していないみたいだね。

この撮影後に手を加えてから接着しています。
合わせ目消しについては過去記事参照ですな。
頭部の製作


まずは頭部から紹介。
ここは旧ザクのものを使用しています。
改造としては
- アンテナ付きパーツを選択し、アンテナは左右から削り込んでシャープ化
- モノアイはクリアーパーツに置き換えるため、3.0mmの凹みを付けておく。そのまま貫通させると可動用のツマミの強度が落ちるので、小さい径の穴で貫通させておく
- 後ハメ加工のため、干渉する外装内部やフレーム部分を切削
といった感じですな。

アンテナシャープ化とかモノアイ加工とかは過去記事参照だよ。
というかモノアイはこのキットを実験台に使ったという。

あれから3年。
ようやく動き出したというやつです。
……後ハメ後のモノアイパーツは外装の下からはめ込むわけですが、少し引っかかりやすいですな。
レール部分(C20番)と基部(C7番)を一緒にしてから組み込むよりは、一つずつ組み込んで外装内部で合わせるとよいかと。

ちなみに今回は通常のHGUCザクIのキットを使っているけど……
成型色変更品である黒い三連星仕様でももちろん大丈夫だ。
寧ろ後で塗ってしまうことを考えると、シール付きの三連星版の方がお得かもしれない。
胴体の組み立て


続いて胴体。
ここはスナイパータイプ用のものを基本にして、ランドセルだけ通常のザクI用にしてしまいます。
規格は同じなので、無改造で組み合わせられますな。
胸部パーツの前後を接着し、合わせ目を消してしまいましょう。

スナイパータイプのは胸部やフロントスカートの形状が違うんだよね。
色も相まって08小隊のトップ機みたいな。

トップ機は楕円形のリブや上部左右の六角形部分がなかったりと、これよりもう少しディティールダウンしたような見た目だ。
前回も少し語ったけど、MGのランバ・ラル機がこのタイプと同じような感じになっている。

んでゲラート・シュマイザー機は……。

どうも媒体によって少し異なるらしい。
発出のジオニックフロントではトップ機に近い平面的な見た目。
近年の他ゲームなんかだとラル機に近い見た目のようだ。
改造の手間と見た目の密度も考えて、今回は後者の案で行こう。

というわけで胴体はこれで終了ですな。
腕部の製作


続いて腕部。
ベースとなるパーツは基本的にスナイパータイプですな。

前腕は袖口が太くなったスナイパータイプ付属のものを使用。
両肩にアーマーが付くので、肩は基部・アーマー共にそれぞれスナイパータイプと通常型のものを持ってこよう。
それ以外の部品は通常型・スナイパーどちらでもよい。

そうなると肩アーマーなしの基部が2つ余るんだよね。
なんかに使えないかな?

考えておこう。
前腕や肩基部はヒジ関節を挟み込むような構造なので、いつもの後ハメ加工。
前腕側はCの字に切り欠き、肩側は棒軸接続に変更だ。

旧ザクが最初に発売したのが今から19年ほど前の2006年。
あの時の筆者はこれをどうするか悩んでいましたが、今ではもう迷いがありませんな。
肩アーマーにスジボリを追加する


さてここからが本番。
カードやゲームなど媒体によって多少ディティールが異なりますが、ゲラート・シュマイザーのザクIは肩アーマーに2本のモールドが入っていることが多いようですな。
今回はこれを再現してみましょう。

筆者初めてのモールド追加。
しかも曲線なんだよね。
どうするのかな。

とりあえずメインの工具はクレオスのMr.ラインチゼルです。
デザインナイフなどの工具は断面がVの字状になっており、深さによって彫った部分の太さが変わってきてしまいます。
スジボリ工具は断面が凹型になるので、深く彫っても太さが変わりにくいというやつですな。

まずは2本のモールドが等間隔になるようにする。
とりあえずマスキングテープに5.0mmの目盛りをつけて、これを定規代わりにする。
2本のモールドがそれぞれ中央の合わせ目部分から5mm離れた位置に来るようにしよう。
点の印をある程度つけて、それを線で繋いでいく。


線を書いたらそれに合わせてテープでガイドを。
……今回は曲面・曲線なので、いつものスジボリガイドテープは使えませんな。

さすがにフリーハンドでのスジボリは不安だね。
何かいいものはないかな?

ここで意外にも有効だったのが、タミヤの曲線用マスキングテープ。
飛行機模型で使おうと購入してうまく活用できず放置していたものだけど、今回のスジボリ時にガイドとして丁度いいものだった。
今回は1枚でガイドにしているけど、2枚重ねにすればより有効に働きそうだ。

少し伸ばすようにしてやるといい感じに曲線になるようですな。
書いた線に合わせてテープを貼り付け、角度や位置を確認。
彫り進めていきましょう。


一度に彫るといまいち各部が繋がりにくそうだった。
なので画像のように3区画に分けて
- 真ん中の球体部分(赤)
- 外淵の真っ直ぐな部分(青)
- それらの間の凹んだ部分(緑)
の順に彫った。
先に赤と青の区画を彫ってから、それらを繋げるように緑の区画を彫るイメージだ。

青の区画は真っ直ぐなので、いきなりラインチゼルを使うよりは先にデザインナイフで切れ込みを入れておくとよいかと。
今回の戦果


ある程度できたら合わせ目接着。
合わせ目を削って整形するついでに、細かい彫り直しをしたりヤスリがけで彫った際のめくれを修正しておこう。
ゲラート・シュマイザー機は両肩ともにモールド入りのようなので、反対側も同様のことを行っておく。

スミ入れを行い、モールドが彫れているかも確認。
多少歪んで見える場所もありますが、概ね問題ないようですな。

というか、曲面だから真っ直ぐ彫ったつもりでも角度によっては歪んで見えるんだよね。

媒体によっては肩アーマーは更に丸いモールドがあったりする。
ただこれ以上ディティールを増やすとクドいように筆者が感じたので、これで止めておこう。
今回はここまで。
次回は残る脚部や武器を組んでしまう予定だ。

続きは次回!
この記事で作っているキット