
模型大体戦闘日誌、始まるよ!

前回はイタレリのサヴォイア・マルケッティSM.79の雷撃機型が完成しました。
今回は……。

さすがにここ最近は航空機模型が続きすぎたので、路線変更。
筆者の在庫にある戦車模型を紹介しよう。

飛行機続きだったから、他のジャンルがほとんど動いていないんだよね。
おまけにほとんどが組みにくい海外製品だったという。

直近で最後に組んだ戦車もP40。
タミヤパッケージのイタレリ製品でしたな。

今度は安心の国産キットだ。
タミヤ製ではないけどね。
今回のお題 タスカモデリズモ M4A3(76)Wシャーマン


というわけで、今回作るのはこちら。
タスカモデリズモより
M4A3(76)Wシャーマンだ。

米軍の主力戦車M4シャーマンだね。
今までにも型違いを何個か作ったけど、このメーカーはここでは初めてかな?

タスカモデリズモは静岡に存在するメーカーでしたな。
2013年より社名をアスカモデルに変更しており、現在も存続中です。
2025年現在はその新社名のほうが馴染み深いかと。

M4シャーマンのバリエーションが非常に豊富なことで知られている。
筆者は枢軸国びいきであまりシャーマンを組まないから、なかなか触れる機会がないんだけど。

旧社名のキットなのは、このキットが中古で手に入れたものだからですな。
筆者がしばらく放置していたというのもありますが。
M4A3(76)Wシャーマンとは?

この戦車は第二次世界大戦後半に活躍したアメリカの中戦車だ。
詳細は今までにも語ってきたので、簡易的な説明に済ませよう。

暫定的な戦車として車体に75mm砲を搭載した、M3リー中戦車に続いて登場した本命の中戦車だったね。
M4シャーマンでは75mm砲を砲塔に搭載しているから、使い勝手が大幅に向上しているという。

M4シャーマンはエンジンの違いによる名称違いや、装備や各部の前期後期などがある。
今回作るのはM4A3。
通常のM4が航空機向けだったコンチネンタルR975ガソリンエンジンを搭載していたのに対し、M4A3ではフォード社が戦車向けに開発したGAA液冷V型8気筒ガソリンエンジンを搭載している。
このエンジンを搭載したM4A3がもっとも評判がよかったので、大戦中に他国へはほとんど供与されずほぼアメリカ陸軍内だけで使用されていたようだ。


搭載エンジンが異なるので、車体後部やエンジンデッキ周りが異なるレイアウトになっているというやつですな。
上の画像は先ほどもリンクを貼り付けた、筆者が過去に製作したタミヤのM4シャーマンとM4A3E8シャーマンイージーエイトです。

イージーエイトはサスペンションをVVSSからHVSSに変更したタイプだったね。
これで幅広の履帯が装備できるようになって、シャーマンの弱点であった接地圧の高さを軽減できたという。
今回作るのは「E8」の文字がついていない、従来型のVVSSサスペンション装備型だね。

VVSSも時期によっていくつか種類があるようですな。
今回のは上部転輪のアームが斜め上に飛び出た後期型のようです。

「W」(water)と型式についているとおり、今回の車輌は誘爆防止目的で不凍液による湿式弾薬庫を採用した後期型車体。
元々シリーズ内でも後から登場したM4A3は、大半が後期型車体のようだけどね。


後期型車体は正面装甲が一枚板になっているのも特徴だね。
初期型車体は操縦手・通信手ハッチ前に張り出しがあって角度がついていなかったという。

極初期の車輌ではさらに直視バイザー(Direct view Visorの意味。通称
DV)が装備されていたようですな。
防御上の弱点になることはもちろん、車内容積の拡大や生産性の向上目的で改良されていくわけです。
これらの分類基準も他の戦車同様、時代や資料によって異なる場合がありますが。

それと砲塔。
従来は75mm砲搭載型だったけど、強力なドイツ軍戦車に対抗するため貫徹力を高めた76mm砲搭載型が途中で登場。
今回のキットは76mm砲搭載型となる。

ここではまだ作っていないけど、75mm砲搭載のM4A3はタミヤから発売されていたね。
あっちはそれとM4A3E8が発売されているから、今回のタスカキットはその間をちょうど埋めるタイプというか。

大戦後期の米軍主力戦車、M4A3シャーマン。
従来のVVSSサスペンションを装着し新型の76mm砲を搭載したタイプを、タスカ(現アスカ)のキットで組んでみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開ける。
中身はこんな感じ。

ありゃ、一部袋が開封されているという。

ここの開設以前に筆者が一度同社のシャーマンキットを作ったようですが……
その際に選択する部品を間違えて、予備にしていたこのキットと部品を交換したようです。
部品自体は入れ替えただけで揃っているので、組む分には問題ないはずです。


付属ランナーはこんな感じ。
入れ替えたのは足周りの一部のようだね。
ランナーはやや多く見えるけど、それは各派生タイプを網羅しているため。
ランナー1枚当たりの部品点数は少なめだ。

このランナーをやりくりして、各タイプのキットが発売されているわけだね。

サスペンションなどは別売りもされているようですな。
それらを使えば、キットとしては収録されていない組み合わせのタイプにも作り変えられるという。


その他の付属品。
- 履帯(4本のベルト式で、2本ずつ接着して2組作るタイプ)
- ポリキャップ(機動輪や誘導輪に使用)
- 発砲ゴムシート(可動ギミック再現のため切り出してサスペンション内部に仕込む)
- エッチングパーツ(同型のプラパーツもあり)
- デカール(高品質なイタリアのカルトグラフ製)
となっている。

履帯はどうやら通常のプラモデル用接着剤で接着可能なようですな。
数あるシャーマンの履帯ですが、このキットに付属するのはT48型履帯。
V字型の滑り止めが付いたゴムカバーに覆われたタイプとなっています。

タミヤ製のシャーマンシリーズでよく付いてくるタイプだね。
実物だと表面のカバーはゴム製で両端のコネクター部分は金属製だから、キットでは塗り分けが少し大変なんだけど。



紙媒体は説明書と塗装図。
このキットはエッチングパーツやイモ付けの部品がいくつかあるけど、多くの原寸図や詳細解説で迷わないようになっている。

親切設計だね。
説明書の表紙に書かれたキャラクターのイラストは……。

モリナガ・ヨウ氏のイラストですな。
ミリタリー物ですと食玩のワールド・タンク・ミュージアムシリーズで有名ですかと。

筆者も幼少期にコンビニでいくつかワールドタンクミュージアムをいくつか購入した記憶があるみたいだ。
……話をこのキット戻そう。
収録された塗装は3種類。
- 第6機甲師団第69戦車大隊C中隊 1944-45年 フランス→ドイツ
- 第761戦車大隊C中隊 1944年11月 フランス・ナンシー
- 第3機甲師団第774戦車大隊C中隊 1945年2月 ベルギー・ボヴィニー
となっている。
いずれも西部戦線のアメリカ陸軍所属車輌で、オリーブドラブの単色塗装だ。

M4A3自体ほとんどがアメリカ陸軍で使われたようですからね。
今回は単色塗装ばかり収録されていますが、塗装図にも記載があるとおり迷彩の車輌も存在したようですな。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から作業に入る。

これはあれかな。
またドイツ軍鹵獲仕様になるのかな?

おそらく。

このタイプの鹵獲例はあんまり見かけないというか。
アテはあるのかな?

詳しくはその時になってからお伝えしよう。

続きは次回ですな。
この記事で紹介しているものの改訂版










