
筆者が組みかけで放置していた、ドラゴン・サイバーホビーのT-34/85を作っていきましょう。

前回はその組みかけで遺棄されていたものをサルベージしてきて、中身を確認した。
今回は組み立て再開。
バラバラになっていた足周りを修復したり、当時うまく組めなかった砲塔を組んでみよう。

ええっと、ほぼ組み立て済みのものだから1から組むわけじゃないんだよね。
見ている人たちは理解できるかな?
そもそもこんなマイナー仕様な戦車キットを見る人がいるのかわからないけど。

基本的な構成は今まで組んできたドラゴン・サイバーホビーシリーズのT-34/76と似たようなものですな。
なのでそちらを参考にしていただければ幸いです。

砲塔は勿論、履帯や転輪など各部の形状が少し異なるだけだ。
それでは作戦を開始する。
足周りの修復


まずは足周りを修復。
10年近く前に筆者が一度挑んだみたいですが、うまく組めなかったようですな。

なんか部品が折れたり、接着剤でぐちゃぐちゃに。

過去の筆者が一度組もうとしたんだけど……
- 誘導輪アームを接着して組もうとしたため、履帯の張りを調整できない状態に
- 案の定履帯を巻いたもののうまく留められず。枚数調整でもうまくできない形に
- 誘導輪の接着を剥がそうとしたところ、軸を折ってしまう
- 真鍮線で修復しようとしたところでモチベーションが尽きてしまい、そのまま放置ルート入り
……といった形らしい。

なんかそういうパターン、前にも聞かなかったっけ。

一昨年サルベージして組み立て再開したT-34/76(1941年型鋳造砲塔)も、同時期に同じく放置ルート入りしたもののはずです。
あちらも履帯の組み立てがうまくできずに……。

昔の筆者は履帯の枚数調整で張りを調整する発想しかなかったんだ。
ティーガーやパンターと違ってT-34の場合は履板の前後幅が広く、2枚1組になっているから枚数で細かく調整ができない。
実物同様、誘導輪アームで調整するのが確実だ。

そのアームを折っちゃって、余計な手間を増やして……という。

昔の筆者が戦車の構造とかを理解していなかったというのもありますな。
10年ぐらい前ですと、まだ戦車模型素人のはずです。

それと……
このキットの車輌は転輪がディスクタイプと穴開きタイプが混ざった個体になっている。
どうやら左右1個ずつに穴開きタイプが使われ、残りはディスクタイプになっているようだ。
キットでは
- 車体右側→先頭の転輪が穴開きタイプ
- 車体左側→真ん中の転輪が穴開きタイプ
になるように指示されているので、その通りに配置しよう。

画像では車体右側の穴開き転輪が真ん中に来ていますが、これは後で先頭に変更しておきましょう。
キットの塗装図では右側面が掲載されていませんが、画像検索したところ当該車輌の右側面らしき写真が出てきて、先頭に穴開き転輪を装備していました。
なのでおそらくその配置で問題ないかと。

転輪が不揃いなのは鹵獲車輌だからかな?
撃破した他のT-34の部品を寄せ集めて、なんとか走行・戦闘可能な状態にしたみたいな。

このT-34の転輪とか誘導輪・機動輪。
これもやはり時期や生産工場によって細部が異なるらしい。
現時点の筆者はT-34の転輪に関して
- ディスクタイプ
- 穴開きゴムリム付きタイプ
- 穴開きゴムリムなしの鋼製タイプ
- スターフィッシュ型タイプ(大戦後の仕様らしい)
ぐらいしか違いを理解できていないみたいだけど。

筆者の考証はアテにならない……ということですな。

あんまり気にしても先に進まなくなって、また放置ルート入りする。
ここでは細かい形状云々よりも、キットの組み立てについて重点を置こう。
誘導輪アームを修復する


とりあえずまずは誘導輪部分の修復を。
アームの軸が誘導輪側と車体側、2箇所とも折れていますな。

車体側は過去の筆者が真鍮線を打ち込んで修復しているみたいだね。
これはなんとかそのまま使えそうな。

誘導輪側は元の軸が切り取られて、代わりにピンバイスで凹みが付けられている。
元の軸を凹みに埋め込んで接着してもいいけど、長さが足りなそうだった。
なので手持ちにあった同径の伸ばしランナーを使って、凹みに差し込んで埋めるように接着することに。

こっちは真鍮線やプラ棒じゃないんだ。
伸ばしランナーだと微妙に円錐状になるから、精度が落ちると思うんだけど。

どうも過去の筆者が凹みを2.5mm径でつけたらしい。
2.5mm径の真鍮線やプラ棒は保有していないのでね。
今回は伸ばしランナーからその径に合いそうなものを探して差し込んでいる。
どうも放置ルート入りした原因の一つに、この軸径の合う手持ちがなかったというものがありそうな。

この辺りの軸修理は筆者にとってはもはやお馴染みのようですな。
調整ができるように、今度こそ誘導輪アームは接着せずにしておきましょう。
履帯の組み立て


続いて履帯の修復。
今回のキットの履帯はランナーから1枚ずつ切り出して接着する、組み立て式となっています。
ドラゴン・サイバーホビー系列の他のT-34シリーズと同様ですな。

まずは一枚ずつバラバラにする。
幸い過去の筆者の接着が甘かったようで、少し力を加えればパキパキと外れてくれた。
それでも外れない箇所は流し込み接着剤やエナメル塗料用溶剤を流し込んだり、デザインナイフでパーツ合わせ目に切れ込みを入れてから力を加えている。
案の定何枚かは破損したから、予備のパーツから代わりを持ってきたりもしているけどね。

またなんか参考になるのかならないのかわからない方式で……。

バラバラにした履帯は接着剤で溶けた箇所があるので、まずは一度削って整形し直す。
特に噛み合わせ箇所はグチャグチャだと接着面積がとれずに千切れる原因になる。
ここでは写っていないけど、転輪も接着剤で溶けた箇所があったので同じように整形だ。

アームの修復の他、ここで作業が億劫になり過去の筆者はこのキットを放置ルート入りに……。

整形作業後は枚数確認のため、先に10枚ずつの束を作り仮組み。
その後流し込み速乾を使い接着。
メインで使用した接着剤は確かクレオスのMr.セメントSPだね。

整形したとはいえ、一度接着したものだからだいぶガタガタに。

画像の仮組み状態ではうまく噛み合っていない箇所があるけど、それは接着剤を流し込みつつ押し込んでうまく馴染ませる。
流し込み接着剤を使ってパーツに負荷をかけると破損することもあるけど、今回はなんともなかった。

キットでは履帯の枚数指定がありませんな。
過去のT-34シリーズは片側76枚だったので、今回もそれに合わせましょう。
10枚の束を7本と、6枚の束1本を作ると把握しやすいかと思われ。
今回の戦果


流し込み速乾を使ったので、数分置いてからすぐに取り付け。
後の塗装を考えて、今回はロコ組みにしておく。
塗料が入りにくくなりそうな転輪同士の間とかは、先に暗色で塗っておこう。

今回はロコ組みだね。
ちょっと強度とかが気になるけど。

気持ち緩めに調整しておきましょう。
修復で履帯や誘導輪の強度が落ちていますし。

無理にピッタリにしようとして履帯を引っ張ると、また履板の噛み合わせ部分から千切れるからね。
長くなったので今回はここまで。
残りは車体上部と砲塔。
次回はこれらのいずれかになるだろう。

続きは次回!
この記事で作っているキット