
チェコのアドミラルより、日本陸軍の九七式軽爆撃機を作っていきましょう。

前回は付属しない窓類を補いつつ、コクピットの組み立てを行った。
今回は風防を除く、他の細かい部品を取り付けていこう。

……なんか更新期間が少し空いたような。

このキット、難所だらけで一つ問題を解決するとまた次の難所が現れるのを繰り返すものとなっています。
どうも筆者は風防周りでかなりの時間を使ったらしく……。

あまりにもうまくいかなかったので、風防周りは次回独立した記事で紹介予定だ。
今回も難所だらけなんだけどね。
それでは作戦を再開しよう。
合わせ目の整形


まずは前回貼り合わせた合わせ目部分の整形を。
胴体底面は爆弾倉となっているので、合わせ目を消さずタガネで彫り直しておきましょう。
スジ彫りガイドテープと併用すると、ズレずにまっすぐ彫り直せますな。

窓周りの色違いは伸ばしランナーで隙間を埋めた後だね。
黄色だからわかりやすいという。


乾燥待ちの間に整形を済ませた他の部品たちとの一枚。
ここからこれらの部品を取り付けていきましょう。

このキット、ぱっと見モールドはキレッキレでパーツ表面も滑らかなんだよね。
ここからどんな難所が待ち構えているのかな。
軸を打ちつつ翼を取り付ける


まずは尾翼から。
他キットでは胴体と一体化されていることの多い、垂直尾翼まで別パーツ化されていますな。

ここは他社の簡易インジェクションキット同様、軸が省略されたイモ付け構造になっている。
補強のためにピンバイスと0.5mm真鍮線を使って軸を増設しておこう。
- 尾翼側に真鍮線で凹みを付け、真鍮線を埋め込み接着
- 真鍮線つきの尾翼を胴体に押し付けて線の切り口の跡を残して、そこをガイドに胴体にも凹みをつける
といった感じで進めている。

ちょっと隙間ができるけどこれは気にしなくていいかな。
特に可動部は隙間があったほうがそれらしいというか。

水平尾翼はエレベーター(昇降舵)、垂直尾翼のはラダー(方向舵)でしたな。


主翼もイモ付け構造なので、2.0mm径のプラ棒を増設。
こちらは穴を貫通させるとコクピット側面に穴が開く可能性があったので、浅い凹みをつけるのに留めた。
プラ棒もそれに応じてピンとしては短い感じに。
補強材というよりは、空洞になっている主翼の接着面積を増やすためのものになった。

右主翼は根元が白く。
これは以前のJu86D同様の、主翼上下のズレ埋めだね。
エンジン接続軸を増設する


続いて機首のエンジン部分。
空気取り入れ口や排気管は開口されていないので、ピンバイスで凹みをつけるなどして再現しておきます。

ええっと、問題は本体とカウリングの接続だね。
そのままだと空洞な筒状のもの同士を接着する格好になるけど、強度が気になるというか。
軸を増設しようにも、胴体側はコクピット部分まで完全な空洞だし。

なのでまずは胴体側に適当なプラ板を貼り付けてフタをする。
乾燥後に切り取り削ることで整形し、その後は軸を接続するための穴を開けよう。
カウリング側はレジン製のエンジンパーツの裏側に凹みをつけて、プラ棒の軸を接着。
これを加工した本体側に差し込むことで着脱可能にした。

プラ板のフタは一見難しそうですが、合わせ目消しの応用みたいな感じですな。
接着して乾燥後に切削整形というやつです。
プラ板部分はカウリングを被せると見えなくなるので、多少加工は雑でも問題ありません。
作業性重視なら薄いものを。
強度重視なら厚いものを使うと良いかと。
爆弾の取り付け


続いて爆弾を取り付け。
九七軽爆は胴体下に爆弾倉がありますが、主翼下にも装備しているようですな。

ここも何の目印もないイモ付け。
説明書には主翼根本から68mmの位置って書いてあるけど……
それだと主翼端辺りになるね。

実物の画像で確認したところ、そこまで胴体から離れた位置ではなさそうです。
おそらくその68mm表記が間違っているのではないかと……。

インチと間違えたかな?

1インチが25.4ミリなので68インチですと約1727ミリになります。
余計ありえませんな。


あれこれ迷った結果筆者は
「両翼の爆弾架同士の間隔が68mmなのでは?」
と判断。
なので
「機体の中心線から34mmのところ」
に爆弾架を取り付けることにした。

この位置なら主脚に近いからそれらしいかな?
主脚は取り付け位置が明確に凸モールドで示されているから、真鍮線の接続穴を開けるだけに。

左右の位置は決まったけど、今度は前後の位置が不明だった。
爆弾架の寸法が説明書では大きめに書かれているのもある。
今回は前寄りの位置にした。
これが正しいのかは不明だ。


爆弾架を取り付け。
ここもイモ付けなので、ゲート部分をそのまま接続ピンに利用。
主翼に穴を開けて、そこに爆弾架のゲートを差し込む形にします。

爆弾と接続する方は最初からピンがあるね。
これはレジン製の爆弾側に凹みをつけてみよう。
爆弾はフィンが斜めになる形で固定できるように……。

タイヤや爆弾はレジン製で、余分なレジン部分を取り除く必要がある。
いきなりニッパーなどで所定の形に切り出そうとすると破損しそうだったので、大まかにニッパーで切り取った後にデザインナイフで削り落としている。
特に爆弾は薄いフィン部分に余分なレジンが付いているので、慎重に進めよう。
今回の戦果


前述どおり主脚は位置がはっきり示されているので、真鍮線を追加したのみです。
タイヤ部分はホイール・スパッツともに薄いので軸打ちはせず、スパッツ内部に浅い凹みをつけるのに留めておきました。

一方尾輪は完全なイモ付け。
こっちは真鍮線で補強をするけど、パーツ自体が細いから穴開けでズレないように……。

今回はここで中断。
次回は冒頭でも述べたとおり、問題の風防組み立てになる予定だ。

続きは次回!
この記事で作っているキット