クレオス(グンゼ産業)のIV駆駆逐戦車の続きです。
前回は足周りの組み立てをした。
今回は車体上部の組み立てとなる。
伸ばしランナーを使った穴埋め
新しい部分の組み立てに入りたいけど……
その前にやることが出来たのでやっておこう。
前回あの後この穴について調べたが、部品を取り付けるわけでもないようなので埋めることにした。
ついでだから伸ばしランナーを使って穴を埋める方法を紹介しよう。
伸ばしランナー……あれですね。
伸ばしランナーは基本的に棒状になった部分を使う。
でも今回はこの普段捨てるような錐状部分を使うんだ。
まずは使いやすいようにカット。
そして接着剤を塗って穴にはめる。
接着剤が乾燥したら写真のように不要部分を大まかにカット。
ランナーが錘状のおかけでこちらから細かい調整をせずともぴったり収まるのですな。
あとはヤスリで平面に。
これで完了。
パーツの裏側まで穴が貫通している場所ならどこでも使えるテクニックですよ。
貫通していない場所でもピンバイスを使って貫通穴を作れば……。
合わせ目接着
いよいよ車体上部の組立てです。
IV駆で合わせ目が出来るのは
- 砲身
- マズルブレーキ
- 横置きマフラー
です。
ここを接着しておきましょう。
筆者はどうやらこの記事を書く以前、つまり放置前に実行していたようだ。
この合わせ目消しは乾燥時間をとるため一番最初にやることをおススメする。
合わせ目消しについては記事ができました。
そちらも参考にしてください。
車体上部の組み立て
まずは車体裏の巨大な押し出しピンを切り取ります。
特にフェンダー裏は履帯と干渉するので必須ですよ。
古い製品にありがちなものだ。
ドラゴン旧製品は新製品に比べると押し出しピン跡が激しかったり、切り貼り部分が多いのが難点。
真鍮線によるフック新造
ハッチ類には取っ手が着いているが、成形の都合か板状になっている。
このままではつかめそうにないので新造してみよう。
板状のモールドを削り0.5mm径のピンバイスで穴を空ける。
ハッチを締め切りにするなら裏側まで貫通させたほうがいい。
今回は貫通させず凹みのみに。
あとは0.5mm径真鍮線でフックを作成する。
筆者は曲げるのが下手なので、近くで見ると結構不恰好だったりする。
綺麗に曲げられる方法を調べたほうが良さそうですね。
そのほかの車体上面作業
こちらは上面パネル。
カニ型望遠鏡は後で接着できますので、塗り分けに備えて別にしておきます。
ハッチは素の状態で開閉可能ですが今回はシリア軍仕様。
フィギュアの手持ちもありませんのであまり生かせないですね。
ハッチの裏には押し出しピン跡があるけど、ここもそのままにして製作スピードを上げる。
前面の点検ハッチはパテで穴埋めする場所があります。
他のパーツを取り付ける前に埋めておきましょう。
組み立てる前に説明書を確認して、乾燥時間をとる場所は先に済ませると作業効率が上がるんだ。
以前のIII号戦車同用、フェンダーのつなぎ目はモールドをあらかじめ彫っておきましょう。
車体上面の後部。ここも押し出しピンがあります。
しかしここは後から見えなくなる場所なのでやはり無視します。
車体上部が出来ました。
あまり改造する場所はなかったので比較的楽に進みましたね。
前面に甘食のようなピストルポートが左右二つある、比較的初期の生産車であることがここでもわかるね。
調べたところ1944年1年にIV駆L48は最初の量産型が完成。
同年3月ごろから左側のピストルポートが廃止されているようだ。
主砲の組み立て
いよいよ主砲です。
取り付け基部はプラパーツ。
そのままでは緩いので、軸にセロテープを一周巻いて保持力を上げます。
抑えのパーツもプラ製。
不用意にスチロール系接着剤を流し込むと軸まで固着するので、ゼリー状瞬着などを使って慎重に留めておこう。
防盾、マズルブレーキの取り付け前に、陰となる部分に黒を塗っておきます。
また砲身はマズルブレーキを外したネジ部分も再現されていますが……
今回は取り付けるためネジ部分は切り取ります。
マズルブレーキは射撃時の砲の後座距離を縮めるためのもの。
しかしIV号駆逐戦車は地面と砲の距離が近く、排出されるガスで砂埃が舞って射撃の妨げになるため外されることも多かったとか。
1944年5月ごろからの生産車からは装着用のネジ部分が最初から省略されているようだ。
今回の戦果
防盾、マズルブレーキを取り付けて砲は完成です。
初期の生産車なので防盾カラーも大型のものとなっている。
後期の生産車になると重量軽減を図って小型化されているんだ。
このキットではL/70型用としてその小型防盾カラーが付属する。
ちなみに同じく選択式であるタミヤのIV号駆逐戦車旧製品。
こちらは小型防盾カラーのみの付属となっています。
なのであちらは比較的後期のL/48駆逐戦車に近い形態という。
ただあちらは主砲がマズルブレーキを装備した状態だけどね。
今回はここまで。
次回は車体上下を合わせるところから始めよう。
この記事で作っているキット