ドラゴン・サイバーホビーより発売されています、M10偽装パンターを作っていきましょう。
前回は塗装とマーキングを行った。
今回はウェザリングをして完成にしよう。
早速完成に。
ところで、筆者はこのキットをどのくらい放置していたのかな?
詳しい年月は不明ですが、5年以上10年以下の説が有力です。
ただマジックトラック付きなところを見ると、このキットは初版の可能性がありますな。
なので製造からはそれ以上の年月が経っているかと。
このキットは中古品で確保したからね。
仮に初版なら、バルジの戦い65周年の2009年製だ。
そんなキットをバルジの戦い80周年に完成させるべく、作戦を再開しよう。
エナメル塗料を使ったウェザリング
まずはエナメル塗料を使ってのウェザリング。
- スミ入れ兼ウォッシング→タミヤエナメルのスミ入れ用ブラウンとガイアエナメルの埃色
- ドライブブラシ→タミヤエナメルの明灰緑色
- オイル染み→タミヤエナメルのクリヤーオレンジ+フラットブラック
を使用しています。
詳しいやり方は過去記事を参照に……。
今回は極小部品や歪みを矯正した部品を多数接着した。
あまり多量のエナメル溶剤に曝すと、接着部分が外れる可能性がある。
いつもよりも少なめに……。
ウェザリングカラー・ライナーを使った上面の汚し
続いてクレオスのウェザリングカラー、ライナーをメインに使用した汚し。
……とはいってもここもほとんど過去記事のとおりですな。
- ウェザリングカラーのステインブラウンとラストオレンジとマルチブラックで錆汚れ
- ウェザリングカラーのグランドブラウンでチッピング
- ウェザリングライナーのスートブラック・ディープブラウンで雨だれ・錆びだれ
といった感じに。
いつもの展開に……。
面が広いので、ウェザリングはいつもよりキツめに施している。
筆者がデカール貼りに失敗してシルバリングが目立つから、それを隠す目的もあるけどね。
ドイツ軍の鉄十字と違って、米英連合軍のマークは星と円の間が空くからなぁ。
錆び部分は予備履帯部分のみ直でウェザリングカラーを塗り、排気管部分はタミヤエナメルのハルレッドを下地にしていますな。
もっとも、上からですと偽装でほとんど見えないのですが……。
足周りの汚し
続いて足周り。
いつもなら泥や土汚れメインですが……
今回の車輌は12月のアルデンヌ戦線。
土系は最低限にして、雪系のものをメインにしましょう。
土系はウェザリングカラーのグレイッシュブラウン。
ドライブラシのように、少量を筆に染みこませて擦り付ける。
その後はタミヤエナメルのクロームシルバー。
こちらも同じように擦り付ける。
雪を銀ピカにすると不自然なので、先にこれらを施した。
これらも過去記事を参照にしてほしい。
雪系はタミヤの
- 情景テクスチャーペイント・雪
- 情景テクスチャーペイント・粉雪
をメインにして、タミヤアクリルのフラットアースを少量混色。
微妙に泥が混ざった雪にします。
テスクチャーペイントはアクリル系塗料と混ぜられるんだっけ。
本来はジオラマ向けのものですからね。
ジオラマですとベースにスタイロフォームや発砲スチロールを使うことが多いですし。
ラッカー系ですとそれらが溶けるので、アクリル系なのでしょう。
……ちょっとフラットアースが多いかな?
なんかチョコアイスみたいな感じに。
粉雪のペイントがべた付いているのもあってか、余計それらしく。
本当は雪のテクスチャーペイントをベースにする予定だったけど……
筆者の手持ちがほとんどない状態でね。
粉雪を多めに混ぜることになった。
M10パンターのような大型の装軌車輌ですと、大粒でシャリシャリ感のある雪のほうが良さそうですな。
逆に粉雪は小型車輌や、接地面に凹凸の少ない装輪車輌に合いそうな気がします。
つやを消して最終組み立て
最後につや消しクリアーを吹きつけ。
道中でタミヤのウェザリングマスターBセットに含まれるスノーを擦り付けて、ところどころ白っぽくしている。
テクスチャー類で表現できなかった極薄い雪というか、凍りついた感じの表現を狙っている。
そして最終組み立て。
分割した先頭のサイドスカートを接着したり、ライトのレンズを仕込んだり。
ライトカバーはレンズを仕込むとはめ込みがキツめになるから、接着はしなくていいかな。
あまり細かいところを突っつくと史実同様に目的地へ辿り着けないので、これで完成としましょう。
以下、ギャラリーとなります。
サイバーホビー 1/35 M10偽装パンター 完成!
こうして見るとM10っぽいハリボテを貼り付けただけのパンターなんだよね。
おかげで砲塔偽装は接着面積が狭く、少し苦労しましたな。
筆者の完成品にM10戦車駆逐車の完成品が存在しないので、代用品としてM10の原型車であるM4シャーマンと。
こちらはマークがドイツ軍の、正式な鹵獲品ですな。
M10はM4と同じ車体だから、大きさもほぼ同じのはず……
となると、M10パンターは本物よりも一回り大きいということに。
同じグライフ作戦に投入された、III号突撃砲G型改造のM7偽装車。
ようやく両者が揃いましたな。
マイナーで珍妙な車輌が次々インジェクションキット化。
いい時代になったものだね。
作ってみた感想のコーナー
筆者のコレクションンに、また珍車が……。
筆者の感想としては……
- ドラゴン・サイバーホビーのスマートキットパンターがベースなので、細かい溶接跡なども最初から再現されている
- B4号車とB7号車は細部が異なるが、丁寧な図と共に両者の違いを示している。詳細が判明しなかったのか、サイドスカートの後部などは明確な指示がなかったが
- M10偽装取り付けのために、車体や砲塔の外装が新規のものに差し替えられているが、元の車体・砲塔外装との合いがあまり良くなく隙間ができた。砲塔のものは外から全く見えなくなるから、そこまで気にしなくてもいいが
- 偽装パーツが反っていたり、砲塔のものは接着面積が狭いので組み立てに少々苦労した。パーツの反りは長期放置による経年変化の可能性もあるが
といった感じ。
このキットの一番のポイントはやはり希少性。
2024年12月現在でも、1/35スケールのM10パンターインジェクションキットはこれしかなかったはず。
近年は様々な新興メーカーがマイナー車を続々発売していますが、M10パンターのキットはまだこれだけのはずですな。
パンター系のキットを発売している新興メーカーもいくつかありますが……。
ドラゴン・サイバーホビー製品は再販時に細かい付属品が変わったり、名義が変わっていたりする。
特に中古品店で探す場合はその辺りに注意してほしい。
本物のM10と並べてみたいけど、筆者の手持ちには完成品のM10がないからなぁ。
新規で買うよりも、まずは在庫の片付けだ。
M10パンターはこれで終了。
次回はまた別のものになるだろう。
次回も、お楽しみに~。