
サイバーホビー製のT-34/85。
ドイツ軍に鹵獲された第112工場製のものを作っていきましょう。

前回はサルベージしてきた組みかけ品の、足周りを修復した。
今回は砲塔を進めていこう。

76mm砲搭載型と85mm砲搭載型の最も異なるポイントだね。
となると過去のドラゴン・サイバーホビー製のT-34/76のキットでは説明できないような箇所に。

ほとんど組みあがっているので、詳細は割愛せざるを得ませんが……。

ただまだ組んでいないところで筆者として少し気になる点があるようだ。
そのあたりを中心に見ていこう。
それでは作戦を再開する。
砲塔の組み立て


本キットの砲塔はこちら。
前述通り、ほとんど組みあがっていますな。
ドラゴン・サイバーホビーのT-34/85は76mm砲搭載型とは異なり、内部の砲尾部分は再現されていません。

「第112工場製」って銘打っているけど、それの特徴がここに現れるみたいだね。
U字型の吊り下げフックや、斜めに吊り上った溶接跡ライン。
キットではそこを新規パーツにしているみたいな。

他社から発売されている他の第112工場製T-34/85とかを見ていたところ、今回のキットで再現された特徴は比較的初期のものに見られるみたいです。
更に初期のものでは搭載砲が異なるらしく、その影響で防盾周りの形が異なるのだとか。
合わない新規パーツをどうにかする


U字型フックは以前の筆者が接着済みです。
こちらはただ貼り付けるだけですな。
問題はまだ筆者が取り付けていない、溶接跡部分です。
見事に部品のラインが合いませんな。

結構な段差ができるというか。
経年変化とかそういうものじゃないよね。

10年ぐらい前に筆者が一度組もうとしたときからこんな感じだ。
当時の筆者にはこれを整形する技術がなく、バラバラになった履帯と共に放置ルート入りする原因になった。
今回はこれを修正してみよう。


新規パーツに何かを盛るか、それとも砲塔外装を削るかのどちらかですが……
今回は盛る方針で。
パテを使うのもいいですが、今回は伸ばしランナーを使用。
細切れにして当該部分に接着していきます。
位置が決まったら更に接着剤を塗布してランナーを溶かし、ヘラなどで押し付けて圧着していきます。

いわゆるプラパテ・ランナーパテというやつだね。
あんまり盛りすぎて接着剤の量が多くなると、溶剤成分で元のパーツに影響が出そうだけど。

せっかく新規パーツで再現された溶接跡が埋まっちゃうよ。

斜めの溶接ライン部分だけ、デザインナイフで切り込みを入れるなどして目印をつけておこう。
水平の溶接跡部分はキットの合わせ目に沿った位置なので、そこまで気にしなくて大丈夫そうだ。


乾燥後、削って均していきます。
この後鋳造表現を施すので、多少の凸凹は気にせず進めていきましょう。

消えてしまった溶接跡は伸ばしランナーで復活させる。
水平部分の溶接跡もつけるついでに復活させてしまおう。
この辺りのやり方は過去記事も参考にしてほしい。
フックの着脱をする


後は溶きパテで鋳造表現。
キットは元からゴツゴツした程よい鋳造表現が施されていますが、先ほどの切削部分の修正も兼ねてまとめて施してしまいます。

ここで筆者が調べ物をしているうちに
「キットの指定と違うのでは?」
と思い、主に砲塔後部に手を加え始めた。
主なこととしては
- 砲塔後部の長いフックの位置を上方にずらして再接着
- 同じ箇所の小さいフック6個を撤去
- 砲塔付け根の縦筋を削りこむ
といった感じだ。

せっかく過去の筆者が測ってイモ付けしたフック達が次々と……。

筆者が調べ物をしているうちに、ミニアート製のT-34/85(第112工場1944年春生産型)の製品情報にたどり着きましてね……
それに対して筆者が
「今回のサイバーホビーキットのものと近い時期の車輌を再現しているのでは?」
「砲塔後部のフックの位置が今回のキット指定のものと異なるぞ」
と思ったらしく、急遽手を加えたようです。

組み立て完了したと思いきや、また別のことを……。

この小さいフック、どうやら荷物とかを固定するためのものらしい。
使用例としては、巻いた毛布っぽいものをバンドで縛って、そのバンド部分をこのフックに通して車体後部に吊り下げているものを見かける。
どうももう少し後の生産型のものによく見られたようだ。

筆者が以前組んだアカデミーの第183工場製のでも付いていたね。
とりあえずこれで今度こそ砲塔は組み立て完了……。
キューポラハッチを2枚タイプに交換する


組み立て完了としたいところですが、もう一つ気になる箇所を筆者が見つけてしまったようです。

今度はなに?

どうもT-34/85は車長キューポラのハッチが2枚タイプのものと1枚タイプのものがあるようで……
筆者が
「今回のキットは1枚タイプだけど初期は2枚タイプがよく見られたみたいだし、U字フックを使っていることからして今回は初期のものだから2枚タイプのほうが良いのでは?」
と思ったらしく。

また余計なことを……。

というわけで改造。
アカデミー製品の余剰パーツに2枚タイプのハッチがあったので、今回はそれを流用している。
キューポラ径がやや小さかったので……
基部と余剰パーツになかったペリスコープ周りだけ元のパーツを使用し、ハッチだけアカデミー製にした感じだ。

タミヤ製のT-34/76(1943年型)で余ったキューポラも用意しましたが……
こちらは更に径が小さかったので、今回は使わず。
入手難易度的にはこちらのほうが手に入れやすいんですけどね。
今回の戦果


そんなこんなでこのような形に。
今度こそ砲塔は組み立て完了とします。

細かいことは気にせず……
のつもりが、そこそこ手を加えているような。
流用パーツも使ったし。

この説明書を無視した筆者の改造は合っているのか不明ですが。
筆者はT-34に限らず
「完成品を並べてみてようやく気づくタイプ」
なので……。

専門的なことはともかく、これで決定としよう。
これ以上手を加えるとまた放置ルート入りするのでね。
今回はここまで。
次回は残る車体上部の組み立てになる予定だ。

続きは次回!
この記事で作っているキット