
スペシャルホビーより発売されています、ドイツ国外仕様のJu87Aを作っていきましょう。

前回は主翼と胴体を合わせて形にし、尾翼や動翼を形にした。
今回は残りの部品を取り付けて組み立てを終えよう。

相変わらず筆者は作業に夢中かぁ。

急ぎの用らしく……。

どちらかといえばこのスツーカよりも、次のものが急ぎなんだけどね。
それでは作戦を再開する。
プロペラの組み立て


手始めにプロペラから。
スピナーパーツは3分割。
プロペラ前後と、軸と一体になった土台部分との3つに分かれていますな。

キットでは機首の凹みにただ軸を差し込むだけの指示になっている。
しかしこの軸ではかなり短く、差し込んでも間違いなくすっぽ抜ける。
ここは接続方法を変えてみよう。


ええっと、どうなっているのかな?

説明すると
- 機首側は穴を3.0mmに広げ、そこに同径のプラ棒を差し込んで軸にしている
- プロペラは土台部分の元の軸を切り取り、そこに3.0mmの穴を開けている
- スピナー内部に薄切りにしたポリキャップを入れる。キャップはタミヤMMシリーズの機動輪内部などに仕込むものの余剰品。
といった感じ。
軸と受けの穴を、機首とプロペラで逆にしたと思っていただければ幸いだ。

ポリキャップはタミヤMMシリーズのもの。
あれは大体1キットに4つ付いてくるけど、2つしか使わないパターンが多かったね。
いろんなキットに付いてきて余るから、筆者の手持ちにはたくさんあるという。

普通なら軸に押し込んだ際にキャップも一緒に押し込まれてしまうので、抑えが必要になりますが……
今回はプロペラパーツが仕切り代わりになって、ポリキャップを抑えてくれます。
なのでポリキャップは単に薄切りにして入れるだけですな。

ポリキャップはより薄めに調整している。
押し込んだ際に内部で動くのでやや緩くなるけど、その分回りやすくもなる。
息を吹きかけた際にクルクル回るぐらいの緩さだ。
この後の塗装でこの辺りも変わるかもしれないけどね。

……プロペラとは関係ないけど、主脚がすでにくっついているような。

主脚はモールドに合わせたイモ付けなので、この時点でくっ付けてしまった。
スパッツ部分は上面色と同じなので、塗り分けを考えたら塗装後の接着がいいんだけど。
ここは接着剤のはみ出しを警戒したり支柱との接続を確認するため、先に取り付けだ。

機首は他にもバルジ類を取り付けていますな。
これらは取り付け位置にモールドがあるので、そこにパーツを合わせて接着するだけです。
ついでに側面のエンジン排気口にもノミやピンバイスで凹みをつけておくとよいかと。
ダイブブレーキの組み立て


続いて急降下爆撃機特有の装備である、ダイブブレーキ。
ここも難所となっています。

これまたほぼオールエッチングパーツという。

中央の扇状になった仕切り部分のみ、エッチング製かレジン製の選択となっていますな。
ここはある程度厚みが欲しかったので、レジン製を選択しています。

エッチング同士の接着面積は非常に狭い。
ちょっと引っかかっただけで簡単に外れるので取り扱い注意だ。
ここでは後で強度確保のため、少し工夫を。
左右の支柱であるP4番パーツ。
ゲートが2箇所あり、どちらも他パーツと接触する位置にある。
片方は綺麗に切り取り、ブレーキ本体であるP19番パーツと合わせる。
もう片方はゲートを残して、ピン状にしておく。

ピン状に残しておくということは……。


ダイブブレーキと主翼の接続部分はダボやモールドはなく、完全なイモ付け。
なので先ほど残したP4番パーツのゲートと合うように主翼下に穴開けをし、そこにゲートを差し込むことにした。

こういうのって位置決めが難しそうな。

やり方としては
- ダイブブレーキ側のゲートにゼリー状瞬間接着剤を少量つける
- 説明書の図を頼りにダイブブレーキを主翼下に仮留めし、接着剤を主翼下につける
- ついた接着剤が乾燥したらそこに0.5mm径の穴を開ける
といった流れ。

接着剤をスタンプすることで、取り付け位置を転写するというやつですな。

ここで本体に接着すると作業中に破損しそうなので、ダイブブレーキもこの状態で別にしておく。
ダボを作ったので、おそらく塗装後の接着でも大丈夫なはず。
心配なら塗装面を侵食しない接着剤を使うことになるだろう。
風防の組み立て


続いて風防。
- 2本あるアンテナ線支柱
- 縦長のスリット状になった後部機銃取り付け部分
など、B型以降のものとは大きく異なった形になっています。

アンテナ線支柱はクリアーパーツへのイモ付けで間違いなく強度が出ないので、塗装後の接着にしよう。
問題はバナナ状のA19番パーツ×2。
2本あるけど、なぜか同じパーツのはずが長さがそれぞれ異なる。
また、説明書の取り付け位置がわかりにくい。

ここは資料をググりながら……。


おそらくこんな感じでしょうか?
筆者も自信がないようで……。

長さが異なるのが気になったので、長いものは短いものに合わせてカットしてしまった。
このパーツと風防、風防と本体の接着にはいつものセメダインハイグレード模型用を使っている。

あれ、そういえばこの前組んだ機銃架がないような。

引っ掛けて外れる上に本体塗装の際に飛び出て邪魔になるので、後付けすることにしました。

風防の外側からうまく入るのかな?

このキット、簡易インジェクションの割りに風防の合いが良好でね。
外から機銃架や機銃が入らなかったら、塗装後に一度外してしまう予定だ。
パテとかも使っていないから、塗装後にそれらが砕ける心配もしなくていいんだ。

強いて言うなら本体側のパーティングラインがバリ状になっており、どこまでがパーツなのかわかりにくいのが難点でしたな。
バリだと思ったら本体部分で、削りすぎて風防との間に隙間ができないか心配でしたが……。

機首側は少し削りすぎたので、一度プラ板を貼り付けてから再度削って調整したぐらいだ。
爆弾投下アームの加工


続いて爆弾投下アームを。
ここで筆者は
- このキットには爆弾パーツが付属しない
- アーム部分は本体と直付け
といった点が気になったようですな。

日本陸軍は研究目的でスツーカを輸入していたみたいだから、空荷でもあんまり違和感なさそうだけどね。
ハンガリー空軍仕様なら爆弾がほしいかも。

今回は日本陸軍仕様の予定。
空荷でもいいけど、筆者としてはやはり爆装したかったようなので
- 爆弾パーツをフジミ製のJu87B/Rキットから流用。本体に接続する長方形のリブを短くしておく
- 投下アームは伸ばしランナーで軸を追加し、流用した爆弾パーツとの接続軸を作成
- 本体下の凸リブは爆弾に干渉するので、削り取り。
と改造を施している。

以前のフジミ製B-1スツーカでもこの爆弾は使いましたな。
となるとそれの分は余っていないので、ここの開設以前に筆者が作っていたものの流用ですね。

それと投下アームは本体側の取り付け位置に1.0mm径の穴を開け、そこにアームを差し込む形にしている。
これで重なる覗き窓の塗り分けを容易にし、なおかつ差し込んだアームを爆弾ごと保持することができる。


試しに取り付けるとこんな感じに。
爆弾も問題なく保持できますし、大丈夫そうですな。

……機体下部の爆弾取り付け位置周りは凸リブがあっただけで、なにもディティールがないんだよね。
他社製品のB型以降のだと凸凹があったけど、実際のA型もなかったのかな?

あれこれ追加しようとすると完成しなくなる。
爆弾で隠れるし、今回はこのまま進めよう。
その他細かい部品の取り付け


あらかた組み終わったので、後回しにしていた主翼下のバランサーパーツも接着。
ついでにクリアーの伸ばしランナーを使い、省略されている翼端灯も追加してみましょう。

筆者にしては珍しく、ここは追加するんだ。

やけに細分化されたキットのわりに、この目立つ部分は省略していたのが気になったみたいでね。
1.0mm径の凹みをつけて、そこにクリアーの伸ばしランナーを接着。
乾燥後に削って角を丸く落としてそれらしくしている。
マスキングはゾルを使った。

伸ばしランナーについては過去記事を参照にしていただければ幸いです。
クリアーのランナーを使えば今回のようなものも作れますが、材質が異なるのか伸ばす加工時にやや硬い感じがしますな。


B型以降のものとは大きく異なる、長く伸びたピトー管。
これはプラパーツの先にエッチングパーツを取り付ける構造になっています。
そのままですと極小パーツのイモ付けなので、強度が出ませんな。

やはり0.5mm径のピンバイスで凹みをつけてから、埋めるようにエッチングパーツを接着している。
このピトー管は先に取り付けたら破損・紛失しそうだったので、塗装後に取り付けることにしよう。
今回の戦果


そんなこんなでクリアーパーツのマスキングをし、これで組み立て完了としましょう。
せっかく塗り分けましたし、後でタイヤもマスキングしたほうがよさそうですな。

B型以降のJu87とは似ても似つかない見た目なんだよね。
金型流用が聞きにくいからなのか、模型でもあんまり見かけないような。
……そういえば主翼の機銃が右側だけにしかないのは気のせいかな?

筆者もこれは少し疑問に思っていたようです。
取り付け位置のモールドもありませんし、ボックスアートにも書かれていないという。

Ju87Aはエンジンの出力不足で、本来想定していた一部武装が外されて軽量化されていたという情報もある。
その影響ではないか……と筆者は推測しているみたいだ。

爆弾搭載量を減らしたり、機銃手を乗せなかったという情報もありますな。

とりあえず今回はここまで。
次回は塗装に入る予定だ。

続きは次回!