模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はタミヤMMシリーズの古参キット、M41ウォーカーブルドッグが完成しましたな。
今回は……。
引き続きタミヤMMシリーズの製品を作っていく。
あの自走砲を紹介しよう。
先月末の完成品にシレっと混ざっていた……。
放置すると積みプラ化するからね。
さっさと作るに限る。
今回のお題 タミヤ 自走榴弾砲ヴェスペ(イタリア戦線)
今回作るのはこちら。
タミヤMMシリーズより
自走榴弾砲ヴェスペ(イタリア戦線)
だ。
筆者がこの前購入してきたやつだね。
ヴェスペはタミヤMMシリーズの記念すべき200弾として1996年に一度ラインナップされている。
今回のはMMシリーズ第358弾として2018年に発売されたもの。
先行した通常版に組み立て式の履帯や兵士4人などを追加し、マーキングもイタリア半島での戦いに参加した車輌が収録されているリニューアル品だ。
通常版は一度ここでも作っていましたな。
既にお手つきだったので、ウェザリング用品の実験台となっていましたが。
自走榴弾砲ヴェスペとは?
この車輌は第二次世界大戦後期に活躍したドイツ軍の自走榴弾砲だ。
ヴェスペとはスズメバチを意味する。
自走榴弾砲?
榴弾は弾自体が爆発して、撒き散らした破片などで殺傷するものですな。
主に歩兵や建物、非装甲車輌に対して使われます。
自走砲は搭載する砲によって自走ロケット砲、対戦車自走砲、自走対空砲など種類が分かれますが……
現在では単に自走砲というと、この自走榴弾砲のことを指すことが多いとか。
1941年にバルバロッサ作戦を発動してドイツ軍はソ連へ侵攻した。
ソ連領内は舗装されていないような場所も多く、雨が降ればその辺泥沼と化す。
装軌式であった戦車ならまだしも、牽引砲を多数装備した砲兵部隊はこの泥沼の中ではまともに行動が出来なかった。
T-34以外にも東部戦線は強敵が……。
機械化部隊による電撃戦の印象が強いドイツ軍。
しかし実際はそうでもなく、馬も多数使われていたようですな。
これを受けて1930年代半ばから細々と続けられていた自走砲開発が急ピッチで進められることに。
当時砲兵部隊が主に装備していた榴弾砲は10.5cm砲と15cm砲。
この内10.5cm砲をII号戦車の車体を改良したものに搭載したのが、今回作ることになるヴェスペだ。
当初は別の車体もベースに考えられていたけど、コスパを考えてII号ベースになったとか。
ちなみに15cm砲を搭載したものはIII/IV号車体と組み合わせられ、後にフンメルとなりますな。
ヴェスペ用の車体はオリジナルのII号戦車の車体からは
- 上部転輪が片側4個から3個に減少
- 衝撃緩和用のダンパーが第1、2、5転輪のリーフスプリング部に増設
などの改良が施されている。
ほとんど専用のものというか。
ヴェスペの生産は1943年の2月に開始。
初めてまとまった数が投入されたのは同年夏に東部戦線で発生したツィタデレ作戦(クルスクの戦い)から。
10.5cm榴弾砲とII号戦車の車体という既存品の組み合わせではあったものの評価は高く、1944年7月までに600輌強が生産されたという。
またヴェスペ自体は車体のスペースに余裕がなかったので、ほぼ同じ構造で主砲を持たない弾薬運搬車も150輌ほどか作られたという。
戦果を聞いた総統閣下もご機嫌で、全てのII号戦車をヴェスペにするよう命令も出したとか。
同じII号戦車ベースの自走砲としてマルダーII対戦車自走砲がありますが、ヴェスペの生産が優先されたこともあってこちらは生産を終了したようですな。
既存品の組み合わせながらも有効な兵器として活躍したヴェスペ。
装いも新たに登場したタミヤのキットで再現してみよう。
箱を開けてみよう
それでは箱を開けてみよう。
中身はこんな感じ。
成型色はサンドブラウンだね。
ランナーは8枚。
これにバスタブ状の車体下部が付属する。
画像右に縦に並んだ3枚のランナーが今回の新規パーツですな。
組み立て式の履帯や兵士たちの収まったものとなっています。
代わりに通常版で付属したベルト式履帯や防寒着の兵士2人は外されています。
その他ポリキャップや牽引ロープ用の糸、それにデカール。
前述通り、デカールも通常版とはまったく異なるものとなっている。
糸は近年のタミヤキットでよく見られるものと同様だ。
タコ糸と違って毛羽立ちが少ない代わりに切り口からほつれやすいので注意だ。
実際使うときは瞬間接着剤で端を固めてから切るといいだろう。
大戦後期の車輌だけあって、マーク類は比較的シンプルだね。
紙媒体はいつもの
- 説明書
- 実車解説書
- Tech Tips!
ですな。
塗装は説明書に収録されています。
このキットはイタリア戦線のもの。
なので実車解説書ではイタリア半島での活躍も綴られている。
塗装は2種類。
それぞれ
- A 第26戦車師団所属車
- B 第29戦車擲弾兵師団所属車
となっている。
いずれも1944年、イタリアのアンツィオ近郊にいた車輌だ。
説明書を見た感じ、塗装違いによる部品の選択はないみたいだね。
筆者は今回Bパターンで作る予定です。
ダークイエローの車体に、グリーンの蛇行迷彩が軽く入った姿が特徴的です。
次回へ続く……
長くなったので今回はここで中断。
実際の作業内容は次回以降になる。
先月末の戦果報告に混ざっていたから、実際はもう完成しているんだよね。
ここ最近筆者の作業速度が上がっていますからね。
実際の作業と記事が少し離れています。
ここら辺で少し時間のかかるキットに挑戦しても良さそうだ。
とりあえずしばらくはこのヴェスペについて語っていくことになるだろう。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット
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