模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はなにやら九九式軍偵察機を使って風防のマスキングを紹介しましたな。
今回は……。
再び在庫品を使って筆者の製作法紹介となる。
今回は筆塗りで蛇行迷彩をしてみよう。
また在庫品処分かぁ。
実のところよくわからない残骸状態のものは筆者も紹介に困っているようなので……。
資源の有効活用だ。
それでは作戦を開始する。
今回の犠牲機 ハセガワ 九九式軍偵察機
今回の技法を紹介するにあたって使用するのはこちら。
ハセガワ社より、九九式軍偵察機だ。
また君かぁ。
以前も軽く触れたけど、このキットは2機セットのコンボキット。
筆者がここの開設以前に襲撃機として1機作ったものの、もう1機は途中で遺棄。
今回はその遺棄されたものを再利用する。
以前ここで作ったのはコンボキットPart2。
今回のはそれに先立って発売されたPart1ですな。
Part2がシンプルな塗装のものが収録されているのに対して、Part1は複雑な迷彩のものが収録されています。
キット内容を簡易チェック
とりあえず箱を開ける。
2機セットだけど前述通り片方は完成している。
もう1機分の残骸だけが入っていた。
これがその残骸だね。
見た感じコクピット周りの組み立ての途中っぽい。
付属パーツに関しては前述のPart2の製作記事を参照にしてください。
パーツ自体は共通です。
付属デカールはこんな感じ。
片方完成しているから虫食い状態だね。
右下には2010.04の表記が。
約13年前の発売ですな。
筆者は確か発売間もない頃に購入したはず。
収録されている塗装図は3種類。
- 襲撃機 飛行第27戦隊第1中隊所属機 (1942年 クアラルンプール)
- 軍偵察機 所属不明 (1944年 ニューギニア)
- 軍偵察機 飛行第38戦隊第2中隊(元独立飛行隊第89中隊)所属機 (1945年ボルネオ)
となっている。
1の機体は完成済み。
今回は蛇行迷彩ということで、2番の機体にする。
一見するとすごく複雑そうな機体。
大丈夫かな?
蛇行迷彩前まで進める
とりあえず残骸を組み立てて塗装まで進めます。
道中は基本的に以前作った襲撃機・軍偵察機と同様なので、それらを参考にしていただければ幸いですな。
強いて違いを挙げるならコクピット内部の押し出しピン跡を処理していないことぐらい。
処理も考えたけど、組んでしまうと目立たないように感じたので今回はそのまま進めることに。
その後はエアブラシ塗装。
ベースとなる明灰白色1や、プロペラの赤褐色などを塗っておきます。
このキットも明灰白色指定なんだ。
先行した片割れも明灰白色で塗ったので、それに合わせた感じですな。
本題 蛇行迷彩を筆塗りする
さてここからがようやく本題。
機体上部に施された、この細い蛇行迷彩を再現してみよう。
どうやって塗るのかな?
筆者の手持ちのエアブラシでは難しそうだったので、ここは筆塗りだ。
鉛筆を使い塗装図を参考に下書き。
モールド部分で迷彩の要所要所を合わせていこう。
今回の迷彩は日の丸部分を囲うように線が描かれていますな。
デカールを切り出して仮留めしながら進めていきましょう。
側面図と上面図では一部つじつまが合わないように見える箇所もある。
適当にそれらしく処理してしまおう。
細かいところは気にせずに……。
これで下書きが完了ですな。
あまり手で触れると下書きが消えてしまう。
さっさと迷彩を施してしまおう。
水性アクリジョンで蛇行迷彩を施す
迷彩を施すにあたって今回使う塗料はこちら。
クレオスの水性アクリジョンシリーズより、濃緑色だ。
アクリジョン……。
筆者のところではまだあまり使っていない塗料だね。
成分表には
- 合成樹脂(アクリル)
- 水
- 有機溶剤
- 顔料
と書かれている。
単純な表記だけをみると同社の水性ホビーカラーと変わらない。
ただ有機溶剤成分を極力抑えたものとなっているようだ。
各塗料の違いがわかりにくいですがクレオスのHPによると……
- Mr.カラー→溶剤系アクリル樹脂塗料
- 水性ホビーカラー→水溶性アクリル樹脂塗料
- 水性アクリジョン→水性エマルジョン塗料
とのことです。
よく水性塗料として水性ホビーカラーと水性アクリジョンがごっちゃになるけど、別のものなので注意。
とりあえず迷彩を施す。
今回の蛇行迷彩をするにあたって使用した筆は、クレオスのMr.ブラシシリーズの面相筆。
細い線も楽々描ける。
薄くして塗り重ねたいところですが……
薄めすぎるとスミ入れみたいに塗料がモールドに流れ込みます。
ほどほどの濃度がよいでしょう。
ラッカー系やエナメル系と違って、多少濃くても塗料が糸を引きにくいのも利点だ。
ササッと描いてこんな感じに。
一部薄いところは後で上から描きなおしている。
あんまり力を入れないように、サッと塗る感じかな?
更に進めていくとこんな感じに。
乾燥は速いほうだけど、作業に夢中でうっかり乾いていないところを触れないように注意だ。
心配な人は何回かに分けて塗ったほうがよさそうですな。
全体を塗り終わった状態はこんな感じに。
近くで見ると少し粗く見えるけど、遠くから見るとそれらしくなる。
味があるというか。
今回はこれで進んでしまおう。
蛇行迷彩についてはここで終了。
その後の動向
デカールを貼り付けるとこんな感じに。
さすがに13年経過していたからか、少し崩れましたな。
そこまで深刻なものではなかったので、繋ぎつつ貼ることに。
そのままウェザリングをして完成だ。
この辺りも以前組んだ襲撃機と内容はほぼ同様。
そちらを参考にしてもらいたい。
以下、ギャラリーだよ。
ハセガワ 九九式軍偵察機 完成!
数年前に片方だけ完成していたコンボキットが、ようやく2機揃うことに。
これで九九式襲撃機/軍偵察機が5機揃いましたな。
実はもう1機分放置されているのは内緒ですが。
作業まとめ
というわけで蛇行迷彩を行ったわけですが……。
筆者の蛇行迷彩手順は
- 鉛筆で下書き
- 面相筆で上から筆塗り
……だけ。
語ることがないね。
筆者は過去にも何回か筆塗りの蛇行迷彩を行っている。
画像はハインケルHe177A-5とマッキMC.202フォルゴーレ。
前者はMr.カラーで。
後者はタミヤアクリルで迷彩を施している。
今回のアクリジョンとはまた別の塗料なんだ。
アクリジョンは溶剤成分が少ないから下地をほとんど侵食しないのが利点だね。
また筆者としては
「臭いはアクリル系塗料より強めで、ラッカーやエナメル系よりは抑え目」
とのこと。
あくまで個人的感想だけどね。
そこまでキツい感じはないですが、表現しづらい独特の臭いがするというか。
2023年2月現在、水性アクリジョンはまだ色数が他のものに比べると少ない。
今後に期待だ。
徐々にスケールモデル系の色も増えているみたいだね。
筆者としては同じ色でも別の種類で使い分けたいようですが……
管理が難しくなるという問題が。
溶剤を入れれば復活するラッカー系と違って、アクリジョンやアクリル塗料は一度乾燥すると同じ溶剤での復活が難しいのが欠点だ。
手に入れたら早めに使い切りたいところ。
筆者の在庫に、今回の濃緑色が使えそうなのは……。
というわけで今回はここまでとしよう。
この記事が迷えるモデラー達の参考になれば幸いだ。
次回も、お楽しみに~。