試したまえ!流し込み式速乾接着剤はABSに有効なのか

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筆者の製作技法
レーナ
レーナ

模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

アドルフ
アドルフ

前回はフジミの月光を完成させましたな。

今回は……

ヴァルダ
ヴァルダ

次のキットに着手しようと思ったけど、ある情報が入ってきた。

「流し込み式速乾の接着剤はプラ用でありながら、ABS樹脂にも有効」

というね。

次作る予定のキットにABS樹脂が含まれているので、今回はついでに検証してみたいと思う。

レーナ
レーナ

久々の検証回という。

アドルフ
アドルフ

手持ちのABS用接着剤が劣化して、使えるかどうか怪しい状態になっていたのが事の発端のようです。

買い直すのが手間なので、できればあるもので済ませたいというやつですな。

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今回の犠牲者 HGUC ジム寒冷地仕様

ヴァルダ
ヴァルダ

今回実験に使うのはこちら。

ガンプラのHGUCより、ジム寒冷地仕様だ。

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レーナ
レーナ

0080ポケットの中の戦争に出てきたジムの一種だよね。

ヴァルダ
ヴァルダ

このキットには一部ABS樹脂が使われている。

今回はこの合わせ目が発生する、マシンガンで試してみよう。

レーナ
レーナ

ABSは粘り気があるから一時期のガンプラの関節とかに使われていたよね。

今は新素材のKPSが主流で、あまり見かけなくなったけど。

アドルフ
アドルフ

ABSの特徴としてはその粘り気ですな。

粘り気を生かして、ポリキャップが仕込めない関節部分に使われていました。

ただ欠点として

  • 通常のプラほどではないものの、稼動を繰り返すと磨耗して緩くなる
  • プラとは性質が違うため、通常のスチロール系接着剤は効きにくい

といった問題が。

メーカー側としてもプラと材質をそろえたほうが好都合なのか、2024年7月現在ではKPS(強化プラスチック)の関節が主流になってきたという。

ヴァルダ
ヴァルダ

「ABSは溶剤が浸透して破損しやすいから塗装に不向き」

という声もある。

筆者は特別ABSが破損しやすいとは思っていないので、いつも気にせずに塗っているけどね。

薄い塗料で溶剤成分が浸透して破損するのはABSのみならず、プラパーツでも発生する。

アドルフ
アドルフ

説明書の部品一覧。

このキットはCランナーがABS製ですな。

今回実験に使うマシンガン本体はこのC8番とC9番パーツです。

レーナ
レーナ

なんか可動とか関係ないパーツもABS製になっているのは気のせいかな?

アドルフ
アドルフ

おそらく成型色を合わせる都合でしょう。

とりあえず……。

実際にやってみた

ヴァルダ
ヴァルダ

それでは実験開始。

今回使った流し込み式速乾接着剤はクレオスの

Mr.セメントSP(スーパーパワー)

だ。

作業性の良さから、現在筆者が主力で使っている。

アドルフ
アドルフ

なにやら他のクレオス製品と同様、ビンが現行の角型から丸型に変更されるとの情報が出てきましたな。

ここ最近見かけなかったのはおそらくその切り替えが原因かと。

レーナ
レーナ

筆者は角ビンのを数年前に5個ぐらいまとめ買いしていたよね。

今使っているのともう1つがまだ手持ちにあるという。

ヴァルダ
ヴァルダ

とりあえず通常のプラ製パーツ同様の流れで合わせ目部分を接着する。

合わせ目消しについては過去記事を参照にしてほしい。

レーナ
レーナ

なんとなく樹脂が溶け出しているようには見えるね。

ただ白い変色が目立つというか。

アドルフ
アドルフ

溶け出してはいますが、プラのように多量ではないですな。

場合によっては樹脂成分が足りず、隙間もできそうな……。

ヴァルダ
ヴァルダ

1日ほど置いてから合わせ目部分にはみ出た接着剤を切削・整形する。

見た感じ大きな問題はなさそうだ。

グリップ部分の銃身上面に白い凹みがあるけど、これは元々あったモールドなのでノーカン。

レーナ
レーナ

合わせ目は消せたけど、どうしても白い跡みたいなのは少しだけ残るかな?

アドルフ
アドルフ

黒や青など、濃い色のパーツでは顕著ですな。

それが気になって筆者は成型色仕上げ派から塗装派に転向したわけですが……。

ヴァルダ
ヴァルダ

サーフェイサーを吹きつけ、隙間や段差をチェック。

使用したのはクレオス製500番の缶スプレータイプ

粗目のサフというのもあるけど、見た感じ合わせ目部分に隙間も発生していない。

例のモールド部分だけ凹んで隙間があるように見えるだけだね。

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アドルフ
アドルフ

筆者としては合格の範囲のようです。

強度とかがどうなのか気になりますが、ここは無可動なので……。

ヴァルダ
ヴァルダ

念のため800番の紙ヤスリで磨いてチェック。

合わせ目部分に凹みがあったらそこにサフが残るんだけど、今回は目立つものが見られなかった。

レーナ
レーナ

少しだけ表面の凹凸でサフが残っている感じかな?

あからさまに合わせ目部分に真っ直ぐ残ったものはないというか。

アドルフ
アドルフ

概ね問題はなさそうですな。

もう一つの流し込み式速乾 タミヤ製のを試してみる

ヴァルダ
ヴァルダ

ここでもう一つ筆者が気になったことがあるらしい。

「タミヤ製の流し込み式速乾はどうなんだろう?」

と。

なので手持ちのタミヤセメント速乾(流し込みタイプ)で実験してみることに。

レーナ
レーナ

筆者の手持ちのタミヤ流しこみ速乾はこれだけだよね。

筆者はクレオス派なのかな?

アドルフ
アドルフ

筆者は元々タミヤ派だったのですが……

一時期手に入らなかったらしく、その際にクレオスのを代わりに使っていたようです。

クレオスのをまとめ買いして、単にそれをまた使い切っていないという。

ヴァルダ
ヴァルダ

実験に使うABS製パーツはHGUCゲルググのビームライフル。

筆者のガンプラ用武器庫に転がっていたものだ。

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アドルフ
アドルフ

説明書を確認。

ビームライフル本体はD5番・D7番パーツを使用します。

このキットではそれらが収まったDランナーがABS製ですな。

ヴァルダ
ヴァルダ

ここで注意点が。

まだ筆者は持っていないんだけど……

近年再販されたHGUCのゲルググ/ゲルググキャノンとシャア専用ゲルググのDランナーはABSからKPSに変更されているらしい。

なのでそれらはプラ用接着材で問題ないようだ。

レーナ
レーナ

なんか以前もチラッと言っていたね。

アドルフ
アドルフ

どうも

「2018年頃にプレミアムバンダイでジョニー・ライデン専用ゲルググが発売されたのを境にして、それまでABS製だったDランナーがKPS製に変更された」

……との情報がありますな。

ヴァルダ
ヴァルダ

筆者も以前店頭でシャア専用ゲルググの再販品を見つけたけど……

手持ちに仮組み放置しているABS時代のものが多数あるので、見送ってしまった。

なので未だにKPSのゲルググを確認できていないでいる。

ヴァルダ
ヴァルダ

ゲルググの話は置いといて、クレオスとタミヤの成分を確認。

  • 有機溶剤100%
  • メチルエチルケトン
  • アセトン
  • 酢酸エチル

と、成分名は同じものが並んでいる。

順番が異なるので、おそらく配合比が異なるのだと思うけどね。

アドルフ
アドルフ

筆者は科学に関しては素人なので、この辺りの成分についてはあまり詳しくないですな。

レーナ
レーナ

ドデカンとかブチルとかは知っていなかったっけ。

アドルフ
アドルフ

それはカスタムロボです。

あの作品のファッティバイス型ロボは確か科学由来の名前だったはずですな。

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ヴァルダ
ヴァルダ

正直筆者はクレオスもタミヤもあまり変わらない感覚で使っている。

強いて言うならハケの形がわずかに違うぐらい。

クレオスはハケ部分が大きく接着剤成分を多量含めるので、ドバドバたくさん流し込むのに有利。

逆にタミヤはハケ先端が細いから、パーツ表面を荒らさず隙間にピンポイントに流し込みやすい。

……気がするね。

この辺りはほとんど誤差の範囲だけど。

アドルフ
アドルフ

ほとんど

「店で在庫があったほうを買う」

みたいな感じですな、筆者の場合は

ヴァルダ
ヴァルダ

とりあえずタミヤのもので流し込んで貼り合わせ。

こちらも樹脂成分が溶けたようには見える。

レーナ
レーナ

スコープ側面はなんか隙間が残っているような。

ヴァルダ
ヴァルダ

そういう広い面上にできる合わせ目はプラパーツでも接着剤だけでは消しにくいんだ。

ちょうど前回作った月光もそんな感じだった。

なので今回はノーカンにする。

アドルフ
アドルフ

乾燥後、削って整形するとこんな感じに。

そのスコープ側面はともかく、本体周りの合わせ目はまったく問題ないようですな。

レーナ
レーナ

ガンプラの武器の合わせ目って、どちらかといえば接着剤云々よりも入り組んだ形状の方が厄介だよね。

アドルフ
アドルフ

普通のヤスリだけでは削りにくいですな。

奥まったところなんかは平刃の彫刻刀なんかが便利だったりします。

ヴァルダ
ヴァルダ

500番のサフを吹きつけ。

本体部分は目立った段差はなし。

レーナ
レーナ

例のスコープ側面だけだね。

サフはちょっとした傷や凹みを埋めるほか、素の状態では見えにくかった隙間を視認しやすくなる効果もあるという。

ヴァルダ
ヴァルダ

紙ヤスリで磨くとこんな感じ。

合わせ目部分を削りすぎていたのか多少凹みになっているものの、概ね問題ないように見える。

作戦終了!

アドルフ
アドルフ

というわけで実験は終了です。

概ね問題ない感じでしょうか。

ただ流し込み式速乾でABS樹脂は溶けますが、プラに比べると溶ける量は減るようには見えますな。

ヴァルダ
ヴァルダ

作業直後では問題ないように見える。

経年でどうなるかはまだわからないけどね。

ちなみに乾燥時間が足りないと、経年とかでヒケて合わせ目が浮きでることがある。

乾燥したつもりが乾燥していなかった、みたいな。

レーナ
レーナ

筆者はそういうのが気になって速乾を主力にしているというか。

通常のスチロール系接着剤はヒケが多発して……。

ヴァルダ
ヴァルダ

後は強度とかがどうなのか。

無可動の武器とかを貼り合わせる分には特に問題なさそうだけどね。

アドルフ
アドルフ

筆者が試したところ、多少引っ張ったり曲げたりする分には問題なさそうです。

これも部品の形状とか接着面積で変わりそうですが。

ヴァルダ
ヴァルダ

そんな感じで今回はここまで。

次回は通常の製作記に戻る予定だ。

レーナ
レーナ

続きは次回!

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