模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回は筆者がよく行う戦車の足回りウェザリングを紹介しましたな。
今回は……。
またもや筆者が戦車を作る。
それの開封記事となる。
戦車2連続だね。
先月・先々月は航空機を6連続しましたので、2連続程度で驚くことはありませんな。
今日のお題 タミヤ 1/35 III号戦車L型
今回作るのはこちら。
タミヤMMシリーズより
III号戦車L型だ。
前回のN型に引き続き、今回もタミヤのIII号戦車なんだね。
おそらく筆者はこれで現行のタミヤMMシリーズIII号一族全てに手をつけたことになりますな。
実際のところこのキットはここの開設以前に作ったことがあるようですが。
このキットは1997年発売。
先行して発売していたIII号突撃砲G型の部品を一部流用して発売された。
前回完成させたN型はさらにこのキットを元にして発売されたんだ。
余談ですが、かつてタミヤMMシリーズの第11弾にIII号戦車M/N型がラインナップされていたそうです。
L型というチョイスも、おそらくそれとの被りを防ぐためかと。
無論2022年6月現在、当該キットは生産休止中だ。
III号戦車L型とは?
III号戦車は第二次世界大戦期にドイツで開発された中戦車だ。
来るべき戦争に備え、対戦車能力を備えた主力として開発されたわけだけど……。
開発にもたついて序盤では数が足りなく……、ってやつだね。
時は対ソ連戦が始まった1941年6月。
ドイツ軍は恐るべき戦車に遭遇した。
T-34にKV-1ですな。
所謂T-34ショックという。
このソ連戦車に対して、あらゆるドイツ軍の装甲戦闘車輌は力不足だったんだ。
これは主力であるIII号戦車も例外ではなかった。
1941年6月の独ソ戦開始時、一番新しいIII号戦車は42口径の5cm砲を装備したJ型。
総統閣下の強い要望により60口径の長砲身5cm砲を装備した後期のJ型が同年12月頃に生産開始したけれど、これでも劣勢であった。
IV号戦車やIII号突撃砲は長砲身の7.5cm砲に換装して、火力では対抗できたんだよね。
当然III号戦車も長砲身の7.5cm砲を装備する案が出た。
これはIII号戦車K型というもので、長砲身7.5cm砲を備えたIV号戦車の砲塔をIII号戦車の車体に乗せたものだった。
しかしそのままでは重量過多なので車体側に大改造を施す必要があり、この案は計画止まりに。
わざわざ大改造を施すぐらいなら、IV号で代替するか新しいの開発したほうが良い……ってことかな?
余談ですがこのK型は後にIV号の砲塔に5cm砲と通信機器を備えた、III号指揮戦車K型にその形式名は受け継がれています。
今回作るL型は計画止まりになったK型に代わり登場したJ型の後継だ。
生産時期は1942年の6月から12月ごろといわれている。
主砲は変わらず60口径の5cm砲。
J型ともっとも異なる点は砲塔前面の装甲厚。
J型では30mmだったが、L型では57mmに強化されているんだ。
J型って砲塔前面が30mmだったんだ。
防盾は変わらず50mm厚ですな。
もっともIII号は防盾が広く、防盾で砲塔前面をほとんどカバーしているようにも見えるので……。
他にはJ型の一部で取り付けられていた20mm厚の防盾と車体前面の中空装甲(スペースドアーマー)が標準装備になった。
防盾のものに関しては取り外されて枠だけなっている車輌もあるけどね。
これはJ型でも取り付けられていたんだ。
ドラゴン社のJ型のキットでも中空装甲付きのJ型が収録されていますな。
ちなみに近年の情報によりますと、長砲身のJ型は後にL型へ編入されたのだとか。
L型の中でも途中から砲塔左右や前面左のクラッペや車体側面の脱出用ハッチ、車体の砲塔リングガードを廃止したものが登場する。
これらは主に防御力の向上や生産簡略化のためと言われているようだ。
見た感じ今回のキットの車輌は
- 砲塔クラッペ廃止
- 車体側面の脱出用ハッチは有り無し選択
- リングガードも有り無し選択
になっているようだね。
次のM型では戦闘能力に直接関係ない渡渉能力を強化、N型では火力支援車輌へと用途が変わっている。
なのでこのL型こそがIII号戦車の最終形態といえる存在となっている。
今回はその事実上のIII号戦車最終形態を、タミヤのキットで再現してみよう。
箱の中身を確認しよう
それでは箱の中身を確認してみよう。
中身はこんな感じだ。
N型とは違い、金属部品は付属しない。
なんかほとんど変わらないような。
詳しくは後述……。
袋を開けてプラパーツを並べる。
ランナー5枚と車体パーツの組み合わせだ。
やっぱり同じじゃない?
参考までに、こちらはN型付属のプラパーツ。
7.5cm砲用の部品が収まったFランナーが追加されただけで、L型用の部品は5cm砲含めそのまま付属します。
ということはN型のキットでもL型で組むことが出来るんだ。
後述するデカールのみ異なる感じだ。
その他の付属物は履帯とポリキャップ。
履帯は接着・塗装が可能なベルト式。
初心者でも安心だ。
この履帯はタミヤのIII号戦車シリーズ共通のタイプですな。
- III号突撃砲G型
- III号突撃砲B型
- III号戦車N型
付属のものと同一です。
付属デカール。
前述したとおりこれのみN型には付属せず、L型の本キットのみ付属する。
大戦中期の車輌だからか、マーク類がまあまあ多いね。
紙媒体は説明書とTech Tips!
この他後述する塗装図が付属する。
解説文の後ろに書かれた「L」の文字がいいね。
塗装は箱にも記載されているぞ
塗装図はペライチのものが付属する。
ここには3種類記載されている。
それぞれ……
- 第502重戦車大隊 第1中隊133号車 1942年9月ロシア(ダークイエローにグリーンの迷彩)
- 第10戦車師団所属車 1943年2月 チュニジア(ダークイエロー単色)
- 第18戦車師団所属車 1942年冬 ロシア(ダークイエロー単色)
ですな。
第10戦車師団所属車のみアフリカ方面の車輌で、残りは東部戦線の車輌ですな。
あれ、1943年2月以前なのにダークイエロー指示の塗装ばかり……。
どうも近年の研究ではなんらかの理由でアフリカ向けの塗装で東部戦線に向かった車輌がいたとかいないとか言われている。
なので上記の車輌は東部戦線の車輌でもアフリカ軍団向けの塗装を施してみても良さそうだね。
近年のキットだと、IV号戦車F型にアフリカ向け塗装の東部戦線に配置された車輌が収録されていましたな。
塗装図には3種類の塗装が収録されているけど、箱の側面には更に2種類の塗装が掲載されている。
- 第11戦車師団第15戦車連隊所属車 1943年夏ロシア(ダークイエローの下地にブラウンの迷彩)
- ヘルマン・ゲーリング戦車連隊所属車 1942年ドイツ国内(ジャーマングレー単色)
おまけかと思いきやしっかりデカールも収録されているので、こちらの車輌でも作れますな。
今回はこのゲーリング戦車連隊の車輌で作る予定だ。
次回、製作開始!
今回はここで中断。
次回から組み立て作業を開始する。
そういえばこのキット、N型と違って金属部品は付属しないんだよね。
なので別売りのエンジングリルセットを確保しております。
むしろ最初からこれが同梱されているN型のほうが特殊ですな。
準備は万端だね。
材料は揃っているし、作業時間も確保出来た。
後はやるかやらないかの問題となる。
これは模型に限った話ではないけどね。
とりあえず今回は切りのいい、この場所で一時中断ですな。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット
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