タミヤのM4A3E8シャーマンイージーエイトを作っていきます。
前回は塗装とマーキングを済ませた。
今回はウェザリングを行い完成させよう。
これが年内最後の完成品になりそうかな?
おそらく。
仮にもうひとつ完成しても記事は間に合わないかと。
それではシャーマンイージーエイトがどうなったか、確認していこう。
スミ入れ兼ウォッシング!
まずはスミ入れ兼ウォッシング。
- タミヤエナメルのフラットブラウンを窪んだ箇所
- ガイアエナメルの埃色を薄めて全体に
それぞれ流し込みます。
その後溶剤でふき取りを。
少し前とは使う色が変わったけど、以前紹介した過去記事に詳しいやり方は書かれているよ。
どうも筆者は
「茶色をスミ入れに使うと流れた錆っぽくなる」
といって最近多用しているようです。
履帯はブラウンメインで使って、奥まったところが錆びたように見えるのを狙ってみます。
ドライブラシ
続いてドライブラシ。
グリーン系の車体色なので、明るいグリーンである明灰緑色を。
後のチッピング作業に備えて、少しオーバーに施しておきましょう。
これも詳しくは過去記事……。
擦りすぎて細かい部品を折らないように注意してね。
車体上部の汚し
そのまま車体上部のウェザリングを一気に進めてしまいます。
- オイル染み
- チッピング
- 雨だれ
- 錆
といったところでしょうか。
雨だれはウェザリングライナー錆色セットのスートブラック。
イージーエイトは比較的面が広い部分が多いからいい感じに。
錆は今回工具類には施さず、履帯や排気管のみに行っている。
ついでに錆汚れで使うクレオスのステインブラウンを使って、工具の木目も描いている。
縦向きに筆の跡が残るように塗ってそれらしくしているだけだけどね。
足周りのウェザリング
足周りはウェザリングカラーのグレイッシュブラウンとタミヤエナメルのクロームシルバーの組み合わせ。
これもいつも通りですな。
大戦末期の車輌なので、ドロドロした感じというよりは市街戦で石畳の上を走行した感じを目指している。
なので履帯の汚れも乾いた感じに。
スプラッシュ!
過去記事の流用ばかりの技法で少しマンネリなので、ここで少し新しいことを。
スプラッシングというやつですな。
やり方は先ほどのオイル染みと同じ様な感じ。
- 筆に塗料を含ませる
- ヘラなどで塗料を含んだ筆先を弾く
これで泥はね汚れが車体に施される。
水溜りに車体が突っ込んで、その汚れが乾いて跡になっているみたいな。
使用した色はタミヤウェザリングマスターAセットのライトサンド。
これをタミヤアクリル溶剤で溶いて使っているよ。
最終工程
最後はつや消しクリアーを吹きつけ。
道中に先ほども出てきたウェザリングマスターAセットで砂埃も追加します。
完成まであと少し・・・・・・。
つや消し後、ここでペリスコープやライトなどのクリアーパーツを取り付ける。
取り付けにはセメダインのハイグレード模型用接着剤。
航空機模型の風防取り付けでいつも使っているやつだ。
- 塗装面を溶かさない
- 透明
- 擦ればきれいに剥がせる
から、クリアーパーツの接着には便利なんだよね。
そして履帯の向きを間違えないように装着。
重量感が欲しいので、瞬間接着剤で上部転輪と接着してしまいます。
これでイージーエイトは完成だ。
以下、ギャラリーとなる。
タミヤ 1/35 M4A3E8 シャーマンイージーエイト 完成!
シャーマンって航空機用エンジンを使い回したから縦長のイメージがあるけど、これは足周りを強化してどっしりした感じがするね。
特に76mm砲装備車は砲塔の重量が大きかったため、HVSSと幅広履帯の導入が急がれたようです。
76mm砲装備車の他、105mm榴弾砲装備車でもこのHVSSに変更されたものがあるようですな。
M4A3E8シャーマンイージーエイトが投入されたのは1944年12月から始まったバルジの戦いの途中から。
同時期にまとまった数が投入されたドイツ軍のティーガーIIと。
こうしてみるとティーガーIIの巨大さが目立つというか。
兵器の質で対抗したドイツ軍に対して、整備性や生産性で戦力を整えたアメリカ軍。
両者の方針違いがよく現れている。
故障や燃料切れで戦う前に脱落する車輌が相次いだドイツ軍。
一方米軍も性能で対抗できないことからちょっとした騒ぎに。
これがM26パーシングの実戦投入に繋がります。
作ろうと思えば作れたんだけど……
アメリカ軍の偉い人達が
「極少数しか出てこないティーガーのために新型重戦車を配備したくない」
って言って渋っていたんだっけ。
76mm砲はパンターに対しても分が悪く、それがバルジの戦い緒戦の敗退で大きなショックになった感じですな。
ちなみにM26の90mm砲でもティーガーII相手には物足りず、その後主砲を強化したT26E1(量産型はT26E4)スーパーパーシングの開発にも繋がります。
筆者の手持ちにあるシャーマンファイアフライVCと比較。
アメリカ軍とは対照的にイギリス軍は火力不足を補うため、シャーマンに17ポンド砲を搭載して対抗したわけですな。
シャーマンファイアフライVCは元々アメリカ軍のM4A4の75mm砲装備型。
搭載エンジンの違いから、エンジンデッキや後部パネルのレイアウトがM4A3(E8)とは異なるところに注目だ。
バスのエンジンを5基繋げたってやつだっけ。
結構複雑で整備性が悪かったようだけど。
なのでほとんどがイギリスを始めとした同盟国に供与されたようですな。
もっとも、イギリス軍の他巡航戦車に比べれば故障が少なく好評だったようですが。
ちなみにエンジンサイズの都合か、M4A4系列は車体が微妙に長くなっているのが特徴だ。
その他今回比較している両車の違いは
- 履帯の幅とそれに伴うサスペンション(VVSSとHVSS)
- 前面にバイザーブロックが飛び出た前期型車体と前面装甲が一枚板となった後期型車体
といったものがある。
とにかく今回のイージーエイトのアイデンティティは76mm砲と幅広履帯と水平渦巻スプリングサスペンション(HVSS)
これだけでも覚えてね。
作ってみた感想のコーナー
ドイツ軍戦車ばかり作る筆者だから、アメ車は新鮮というか。
筆者がこれを作っていて気に入った点は
- タミヤらしく部品の合いが良い
- 部品点数も多すぎず形にするのは容易
逆に気になった点としては
- ハッチの取っ手が一体成型で板状に省略されている(筆者は今回真鍮線で改造)
- フェンダー留めの部品が細かく数が多いので紛失注意(ついでによく似た違う形状の余剰部品が混ざっている。筆者は間違えてそれを使ってしまった)
気になった点は例によって「敢えて挙げるなら」といったところ。
作っていて楽しいキットであることは確かのようだね。
組みやすいですが転輪が2重構造になった都合上、少し整形に時間がかかりますな。
模型としては前期のVVSS装備のほうが簡単だったり。
M4シャーマン系列はタミヤMMシリーズでもいくつか種類が発売されている。
見た目については完全に好みで選んでしまっていいだろう。
イージーエイトは76mm砲と幅広履帯で力強い姿が印象的だ。
同シリーズには履帯やマーキングなどを変えた朝鮮戦争版もある。
スタンダートな75mm砲装備型か、対戦車能力を向上させた76mm砲装備か……
他にもいくつか発売されているようですな。
それらのものもそのうち作るかもしれない。
今回はここまで。
次回は戦闘機になる予定だ。
次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット
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