模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回は筆者が長年放置していた、HGのセイバーガンダムが完成しましたな。
今回は……。
久々に戦車でも紹介してみよう。
なにや新製品が届いている。
ジオングはガンプラだし、以前から発売されているよ。
いえ、どうやらもうひとつの画像のほうのもののようですな。
ちなみにジオングと一緒にスモークブルーが写りこんでいるけど、これは前回早速セイバーガンダムのセンサーに使ったものだ。
そっちは置いといて、本題に入ろう。
今回のお題 アミュージングホビー E-100超重戦車(マウス砲塔型)
そんなこんなで今回作るのはこちら。
アミュージングホビーより
E-100超重戦車(マウス砲塔型)だ。
これはまたゲテモノ感が。
アミュージングホビー自体、計車輌率高めのマイナー路線ですからね。
ここで組むのはおそらく3年前のフェルディナント以来かと。
E-100超重戦車とは?
これは第二次世界大戦末期のドイツで計画された車輌だ。
詳しくは後述するけど、完成はせずに車体のみがほぼ出来上がった時点で終戦となっている。
ティーガーとかパンターとかそういう愛称もなくて、ちょっと異質な名前というか。
第二次世界大戦中、ドイツ軍はさまざまな戦闘車両を開発したわけだけど……
気がついたらそれが膨大な種類になっていた。
当然異なるものを複数運用することは、生産や整備に支障が出る。
基本のI号~IV号戦車だけでも6種類。
さらにそれらには突撃砲や自走砲、対空戦車など派生車輌が大量にあるわけで。
元の戦車型とシャーシを流用した派生車輌だけなら、互換性はあるのですが……。
ティーガーIとティーガーIIも、名前だけでほとんど別物という。
最後期のティーガーIはティーガーIIと一部部品が共通化されていたみたいだけど。
そこで戦車の規格化を図り、その規格に従った一連の車輌シリーズの開発を計画した。
それがEシリーズ。
Eとはドイツ語で開発を意味するEntwicklungという単語から来ている。
部品の規格化の他にも
- 外装式のサスペンションを使い、車内容積を広くとる
- 傾斜装甲を用いて特に前面の防御力を上げる
- 動力部分のコンポーネント化により、整備性を高める
などといったことが求められていたとか。
Eシリーズで計画された車輌は5種類。
- E-10→48口径7.5cm砲を装備した軽駆逐戦車。立ち位置的にヘッツァー的存在。というかヘッツァーの名前は元々E-10につけられる予定だったらしい
- E-25→70口径7.5cm砲を装備した駆逐戦車。立ち位置的にはIV号駆逐戦車に近い
- E-50→砲塔を持った50t級の戦車。パンターに近い車輌
- E-75→砲塔を持った75t級重戦車。E-50と同じサイズだが装甲厚はこちらが上。ティーガーII的な車輌
- E-100→100t超の超重戦車。今回作るのはこれ
といった感じだ。
数字部分は重量を意味しているってことかな?
ちなみにE-5という車輌の存在も語られることがありますが……
こちらはそもそも存在したのかがはっきりしていないようですな。
しかし既存の車輌の生産・改良でEシリーズはどれもほとんど開発が進まず。
そんな中、最も進んでいたのがE-100であった。
1943年6月ごろからアドラー社で開発開始。
翌年に総統閣下からの命令で超重戦車の開発が中止された後も、ヘンシェル社の工場の片隅で組み立て作業が続行されていた。
……そういえばこの時、裏でマウスの計画も進んでいたんだよね。
試作されたマウスの様子を見て
「重量過多な超重戦車は実用性が低い」
ってなって……。
1945年に入り連合軍が進駐してくると、E-100の試作車体はアメリカ軍によって接収される。
この時E-100はエンジンやサスペンションが装備されていないものの、それ以外の車体はほぼ完成していたようだ。
アメリカ軍は接収したE-100の組み立てを続行させたが、走行には至らず。
興味を失ったのか、アメリカ軍はE-100の車体をイギリス軍に引き渡す。
1945年6月にイギリス軍が本国に持ち帰ったとの記録があるようだが、それ以降の記録は残されていない様子。
その後スクラップとして処分されてしまった、という説が現在では有力だ。
あらら。
これでもまだ進んでいたほうなんですけどね。
他のEシリーズはモックアップのみ完成とか、サスペンションなどの部品単位の試作しかされていなかったようで。
幻に消えたEシリーズの一員、E-100超重戦車。
E-100系列をいくつか発売していたアミュージングホビーから新たに発売された、マウス砲塔搭載型を作ってみよう。
箱の中身を確認する
それでは早速箱を開ける。
中身はこんな感じ。
さすがに超重戦車だけあってボリュームがありそうな。
パーツその1。
灰色のプラパーツ群ですな。
転輪などを収めたAランナーは2枚入りとなっています。
先ほども少し触れたけど、アミュージングホビーは今までにE-100系列のキットをいくつか発売している。
最初に登場したのが直線的な砲塔を搭載したクルップ砲塔型で、これは2017年ごろに発売したようだ。
この2017年発売製品の車体に、新規造型されたマウス砲塔を組み合わせる形となっている。
画像右上にあるBランナーと砲塔外装が新規部品だ。
マウスは……
まだアミュージングホビーからは発売されていませんな。
最近組んだ気がしましたが、あれはタコム製という。
砲塔と一緒に右上に写っている工具のFランナー。
これはレーヴェって書いてあるね。
アミュージングホビーが初期に発売していた、VII号戦車レーヴェからの流用品ですな。
ドイツ軍共通の車載装備なので、レーヴェ以外にも使い回されているという。
砲塔側面、車体前面共に装甲面は質感も再現されている。
そのままでも実感的だ。
パーティングラインとかがないか、後で確認しておかないと。
プラパーツその2。
Tランナー×4です。
E-100特有の皿バネサスペンションと履帯ですな。
サスペンションは1組しか使いませんが。
履帯は可動式だね。
組み立てるのは大変だけど、その分弛みとかはつけやすくて……。
筆者はこのキットを5280円で購入した。
値段を考えればこの内容は破格だろう。
前のフェルディナントもそうでしたが、アミュージングホビーは可動履帯率高めですな。
ありがたいものです。
その他エッチングパーツとデカール。
エッチングパーツはエンジングリルのみと、必要最低限ですな。
筆者としてはこれで十分なようです。
デカールに2023って書いてあるね。
実際の発売は2024年3月だったけど。
ちょうど年を跨ぐ時期に製造されたのでしょう。
このキットも確か通販サイトに2024年1月ごろ発売とか書かれていたのが長引いて現在に……。
……ケースになんか見慣れない形のパーツが入っているよ。
ティーガーIIなどと同じようなキューポラと、対空機銃。
そして対空機銃の照準器のようですな。
銃身は金属で、それ以外は3Dプリンター製。
どうやらボーナスパーツのようですな。
筆者は使うか迷っているけどね。
ちなみにキューポラはハッチも一体成型されているので、閉めた状態のみとなっている。
収録されている塗装図は2種類。
- ダークイエローにグリーンの斑迷彩
- ダークイエローとオキサイドレッドの車体にジャーマングレーの砲身
ですな。
後者はボックスアートと同じものとなっています。
実際にE-100は完成形が存在しなかった。
なのでこれらの塗装は一例となる。
手持ちの余剰デカールなどを使うなどして、好きに仕上げてしまおう。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から組み立てに入る。
一番の難所は可動履帯かな?
ここだけでも過ぎれば何とかなりそうな。
離型剤によるパーツのぬめりはないので、そのままスタートできそうですな。
ただ同メーカーの他製品に比べて、バリが少し多いように感じますが。
整形しながら進めていこう。
それでは今回はここで。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット