ドラゴン・サイバーホビーより発売されています、M10偽装パンターを作っていきましょう。
前回は大まかに本体が組み上がった。
今回は本キットのメインとなる、偽装部分を作っていこう。
組み立てが終わっていないのにもうパート5に。
久々の長編になりそうかな。
今回のキットは語る箇所が多いですからね。
一筋縄ではいかないようで……。
直近のキットの大半が過去に作ったものとほぼ同じ内容で、詳細を端折っていたのもある。
それでは作戦を再開しよう。
前面偽装パーツの組み立て
まずは前面部分から。
前面の上下装甲共に偽装パーツを取り付けます。
これはまたなんか細かそうな部品がたくさん……。
このキットではB7号車とB4号車を選択することになりますが……
両車輌は細かい部分で差異があります。
前面パーツではフックの取り付け位置が異なるようですな。
それぞれの指示通りにフック取り付け部分に穴を開けたり、不要な取り付け箇所のモールド部分を削ったりしよう。
筆者は今回B4号車で組むことにした。
U字フックは外側寄りに取り付けよう。
下部もアイプレートの取り付け用に、裏から穴を開けます。
こちらは各車輌で共通の穴になりますな。
車体下部、なんかすごく取り付けに困るような部品の指示が出ているんだけど。
下部の真ん中に付くコの字状のパーツ。
これはエッチング製かプラ製を選択する。
今回は接着強度を優先してプラ製を使ってみよう。
組み立てるとこんな感じに。
細かい部品が登場しましたが、まだまだ序の口です。
ここはとにかく、選んだ塗装パターンと部品の選択がごっちゃにならないようにするといいかな。
この後車体に取り付けるんだけど……
下部パーツはややはめ込みがキツめだった。
両側面を少し削りこんでおくといいだろう。
側面・後部偽装パーツの組み立て
続いて側面と後部。
こちらはエッチングパーツが必須となりますな。
ここで注意してほしいのは画像の右側にランナーごと付いているF20番パーツ。
円状の部品にピンが突き出たような形をしているのだが、ピンの部分とゲート部分の境目が非常にわかりにくい。
間違って切り落とさないように。
サイドスカートは最後部が真っ直ぐなものか、角度のついたものかの選択式ですな。
この部品はどうやら塗装パターンとリンクしていないようです。
ちょっと画像をググッてみたけど……
不鮮明な写真ばかりで、正確な形状は不明だね。
明確な記録が残っていないから、このように2種類を好きに選ばせるパターンにしたのかもしれない。
今回は真っ直ぐなパターンにしてみよう。
裏側は取り付け前に軽く黒で塗り潰し。
接着に支障が出るので、接着面にはなるべくはみ出さず……。
そういえば、本体の後部と側面の接合部分が合わなくて隙間ができていたんだっけ。
ちょっと色が変わっているような。
微妙に色が白っぽいのはプラ板を突っ込み、溶着したからですな。
丁度溶接跡の位置でもあるので、突っ込んだプラ板を細かく刻んでそれらしくすればうまく馴染んでくれます。
寧ろ厄介なのは偽装パーツの反りだ。
後部・側面共に反っていてそのままだと浮いてしまう。
軽く曲げて矯正した後、瞬間接着剤を点付けして部品を接着。
最後に流し込み接着剤で補強している。
これは元々の反りなのか、それとも経年変化によるものなのか……。
反り解消はお湯とかで温める手段もありますが、筆者は力技で勝負ですな。
お湯を用意する手間もあったり、筆者の友人がドライヤーでパンターの砲身を溶かした事例もあってね。
温めて矯正には少し抵抗があるようだ。
サイドスカートを取り付けるけど……
一番前のはなんか履帯に被さるね。
これだとせっかくロコ組みした足周りが外せないような。
サイドスカートは反りが激しく、丸ごと取り外して後付けしようとするとうまく接着できない可能性がある。
なのでここは干渉する先頭部分だけモールド部分で切り離し、塗装後に接着することにした。
後部は反った偽装外装の他、極小エッチングパーツが襲い掛かります。
特に注意したいのは真ん中のMA8番。
極薄のパーツを立てるように貼り付けるため、接着面積が極端に狭いという。
少しでも強度を出したいため、筆者はハセガワのモデリングチゼルで取り付け部分に軽い溝を彫っている。
ここは代わりのプラパーツはないので注意。
紛失したらエッチングパーツの枠を切り出して自作するなどすることに。
予備履帯ラックの取り付け
正式には偽装パーツではありませんが……
予備履帯ラックもM10に合わせて、位置が変わっています。
キットではこのラック部分をこれまた極小エッチングパーツで再現しています。
- MA5番のパーツをコの字に曲げて本体に接着
- マジックトラックの履帯をセット
- MA6番のピンパーツを、MA5番の穴に通して接着
……って流れでいいのかな?
なんかすごくやりづらいんだけど。
筆者がゼリー状瞬間接着剤を切らしているせいで、これらを通常の瞬間接着剤でやることに……
通常のは流動性が高いので狭い面ですと流れたり、乾燥が早すぎて取り付け時に乾いてしまっているパターンが多いという。
先ほど夕飯を買出しにいった筆者がゼリー状瞬間接着剤を調達してきた。
最も、その頃にはもうエッチング取り付け作業は終了していたんだけどね。
とりあえず車体側の偽装パーツ取り付けは終了です。
極小エッチングパーツが多いので、取り扱い注意ですな。
放置せずに、早めに完成まで持ち込みたいところです。
なんか車体側面がテカテカしているのは気のせいかな?
偽装部分と本体の装甲部分で変化をつけたがった筆者が、装甲部分に接着剤を塗ってざらつかせている。
やり方としては鋳造表現の応用みたいな感じだ。
そういえば筆者の部屋からリモネン臭が……。
ただ筆者の手持ちのリモネンセメントは経年劣化していたのか、いつまで経っても乾かなかった。
なので結局流し込み式接着剤を使うことに。
偽装部分は本体の装甲面となんか材質が違うんだっけ。
いわゆる軟鉄製のようですな。
砲塔偽装パーツの組み立て
続いて砲塔部分。
こちらも防盾がB7号車とB4号車で選択式です。
防盾の上下面と前面の繋ぎ目が角ばっているのがB7号車用。
丸まっているのがB4号車用ですな。
今回はB4号車なので、丸まっているタイプを選択しましょう。
外装部分は脅威の一体成型。
ただ、これも少し反っているかな?
矯正しつつ……。
ここは細い棒状の部品で砲塔本体と偽装部分を接続する形になる。
部品の接着面積が極端に狭くなるので注意しよう。
ここはなかなか難しい展開に。
偽装部分が反っているんだけど、矯正しようとすると接着した部品が外れそうになって……。
一番難しいのは前側の支柱であるF21番パーツ。
偽装を被せてしまうと、外からの修正が難しく……。
筆者は
- 長い棒状のF1番パーツを偽装に接着
- 後部の短い棒であるF2番パーツを偽装に接着
- 前部の短い棒であるF21番パーツを本体に接着
と順番に位置決めし、その後に本体と偽装を合わせている。
偽装と本体を直接接着する指示はありませんが……
前面パーツは両者が接する部分があったので、そこで強度確保も兼ねてせっちゃくしてしまっています。
ここも左右でズレがないように……。
ほとんどハリボテみたいなものだから、多少ガタついていてもそれらしいかもしれないけど。
ここも元のパンター用の砲尾パーツとM10偽装パンター用の防盾の噛み合わせが悪く、防盾が左右で変な角度がつきそうだった。
内部を削って調整したり、あまり置くまで押し込まないようにして……。
キューポラが撤去され、観音開きのハッチがついた天板。
ハッチの取っ手は省略されて単なる板状だったので、ここは0.3mmの真鍮線で作り直しています。
ちなみに本物のM10戦車駆逐車ではオープントップになっている。
砲塔乗員全員で周囲を警戒し敵の早期発見ができ、緊急時の脱出も容易だったみたいだけど……
防御力の低さから、手榴弾避けのネットや天井を増設した車輌もあったという。
砲弾や爆弾は勿論だけど、なんか適当な落下物でも乗員達が殺傷されるという。
今回の戦果
砲塔を車体にセット。
追加した偽装パーツも干渉しないようですな。
これで組み立て完了です。
今回はここで中断。
部品を紛失しない内に、次は塗装になる予定だ。
続きは次回!