今回のお題 プラッツ III号戦車J型(黒森峰女学院Ver.)
今回作るのはこちら。
プラッツ・サイバーホビーより
III号戦車J型 黒森峰女学院Ver.
ガルパンキット……
アンツィオのP40以来ですな。
今でこそプラッツのガルパンキットは様々なメーカーのOEMで発売されているけど……
初期のものはほとんどがドラゴン・サイバーホビー製品のものだった。
このIII号戦車J型も、ドラゴン・サイバーホビー製品を元にしている。
筆者も元になったものはここの開設以前に組んでいましたな。
どこにしまったのやら……。
黒森峰のIII号戦車は何回か細かい仕様を変更して再販されている。
筆者が今回作るのはGP-13と書かれた、初版のやつだね。
確か2013年ごろの発売だったはず。
2023年6月現在は
- GP-50
- GP-66
の品番でもラインナップされているようだ。
他にはGP-48として、同じくドラゴン・サイバーホビー製キットを使ったヴァイキング水産高校所属車も発売されているみたいですな。
ところで「一度組もうとしてできなかった」というのは?
詳しくは後で語る。
……思い出しましたな。
このキットは確か履帯が。
III号戦車J型とは?
この戦車は第二次世界大戦のドイツ軍中戦車だ。
同軍が訓練目的で作ったI号戦車の次に、主力として対戦車戦闘を行える車輌として開発されたんだ。
ただし、数々の新機軸を採用しようとした結果開発が遅れ、大戦序盤は数が揃わなかった。
余りに開発が遅れたため
- ピンチヒッターとしてII号戦車が開発
- 支援車輌のはずのIV号戦車のほうが開戦時に多くなってしまった
といったやつですな。
この辺りは以前も説明されたね。
J型はそのなかでも後期生産型といえる存在。
最も大きな特徴は、車体が一新されたことによる車体前面の装甲厚。
- 直前のH型では30mmの基本装甲に30mmの追加装甲をボルト留めしていた
- J型では50mmの一体成型された装甲に変更されている
一見装甲が薄くなっているけど、一体化したので寧ろ強度は上がっているのだとか。
それまでの基本装甲の30mmは初期生産型のE型から全く変化がなかったようですね。
更に武装に関してだけど……
主砲は当初H型同様、短砲身の42口径50mm砲を搭載していた。
ところが、1941年4月の総統閣下誕生祝賀パレードの最中、短砲身の本車を見た総統閣下は相当カッカ。
長砲身60口径50mm砲の搭載を強く要求したんだ。
閣下はこの件以前から、より強力な60口径の50mm砲を要求していたようですね。
このことをきっかけに、同年12月からこの60口径50mm砲を搭載した、長砲身のJ型が生産される。
ロンメル率いるドイツアフリカ軍団に配属された車輌は英軍の戦車をやすやすと撃破。マークIIIスペシャルと恐れられる。
しかし東部戦線ではこの長砲身を持ってしてもソビエトのT-34に苦戦。
T-34恐るべし。
以降は
- 装甲を強化したL型
- 防水マフラーを装備して渡河能力を上げたM型
と発展するけど、これ以上の火力強化は不可。
以降主力戦車の座を降りてしまう。
確かIV号戦車の砲塔と長砲身75mm砲を装備した、K型っていうのも計画されたんだっけ。
K型は増加した重量に対して足周りを大幅に強化する必要が出てしまい、計画で終了してしまったんだ。
形式自体はIV号戦車の砲塔に50mm砲と通信機器を載せた、III号指揮戦車K型に使われるけどね。
主力戦車としての役割は終えましたが
- 余剰の短砲身75mm砲を生かした火力支援型のN型
- 低コストながら対戦車能力を持った突撃砲
等が登場。
花形の立場は失いましたが、これらの車輌は大戦後期でも陰ながら活躍するんですよね。
新規設計の車体と長砲身の50mm砲を備えたIII号戦車J型。
人気アニメガルパンの黒森峰女学院所属車を再現したキットを組んでみよう。
箱の中身
そんなこんなで箱の中身を確認。
こんな感じになっている。
劇場版、最終章、スピンオフコミックなど色々ありますが、本編放送開始は2012年10月。
既に10年以上前になってしまいましたな。
時の流れは残酷だねぇ。
パーツの袋を開封します。
元がサイバーホビーだけあって、かなりの数ですね。
サイバーホビーはドラゴン社系列。
この会社のキットは車輌の細かい個体差を再現するために、パーツを細分化する傾向があるね。
余剰パーツも大量に出るので、落ち着いて作業しよう。
説明書のパーツリストに余剰品指示もあるから、それを参考にすればいいかな?
残念ながらドラゴン社系列の使用パーツ・余剰パーツの指示はアテにならないことが多いので……。
不用品指示があるからといって先に捨てたりはしないほうがいいだろう。
一見初心者向き……と思いきや、エッチングパーツも付属する。
ここで撮影する前に、筆者がプライマーを吹き付けてしまったけどね。
こちらも余剰が多数出るようですな。
履帯はベルト式。
オレンジ色の成型色が特徴的な、DSトラックとなっている。
……。
付属デカールはこんな感じ。
- 本編1話で流れたPVでの1シーンの
- 西住まほ(ユニフォーム・学生服)
- 逸見エリカ(ユニフォーム)
- ロゴ
- 校章×8
が収録されている。
実際に使う校章は3枚だけなので、5枚は余剰品だ。
他のIII号戦車とかに貼り付けて、オリジナルの黒森峰所属車にしてもいいかもね。
付属する説明書。
厚めの紙で意外としっかりしたものとなっている。
表面ではあんこうチームの秋山優花里による実車解説付き。
裏面にはコミカライズ版を担当した、才谷屋龍一氏による1コママンガも収録されていますな。
収録塗装は黒森峰女学院所属車の1種類のみ。
ダークイエロー単色に、3枚の校章を貼り付けた姿となっている。
1話のPVに出てきた車輌も同じ色だったね。
ということは校章を貼り付けないで作れば、そっちの車輌にもなる感じかな?
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から作業に入る。
んで、さっき言っていた
「一度組もうとしてできなかった」
っていうのは?
ドラゴン系列のキットで使われるベルト式履帯、DSトラック。
先人達の間で
「謎の液体を噴き出し、硬化して使えなくなってしまう」
という報告が上がっていた。
今回III号戦車のキットがこの現象に当たってしまってね。
それで作ろうとして止まっていたという。
以前作ったIII号戦車M型とかIII号突撃砲は大丈夫だったんですけどね。
というかこの現象が起こる前に早く組んでしまおう、ということで急いで作ったのだとか。
完成後3年経過した今も、その2つはまだ履帯の硬化が進んでいない。
ともかく今回その履帯の代えの目処が立ったので、再開することになったんだ。
代えの履帯……。
後に詳しく取り上げる予定だ。
それでは今回はここまで。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット