
ガンプラのHGUC、ゲルググマリーネを作っていきましょう。

前回は脚部を組んだ。
今回は腰部を改造していく。

一体成型の場所だっけ。
この辺りからだいぶ手を加えそうな。

本格的に切り刻んでいきますな。

あまり時間をかけると完成品の代わりにゲルググマリーネのバラバラ死体ができあがる。
筆者の気が変わらないうちに一気に進めてしまおう。
それでは作戦を再開する。
腰部の改造


まずは素の状態を。
胸部も写りこんでいますが、今回これは後回し。
腰部のみとなりますな。

後のHGUCゲルググとかと違って、スカート類は一体成型なんだよね。
これは大スケールで容積に余裕のあるはずの、MGのVer.1.0なんかでも一体成型だったみたいだけど。

MGでも分割されたのはVer.2.0からですな。
このキットが出た2000年頃は、まだこのパーツが分割されている概念はなかったのか……。

筆者としてはこの一体成型の腰部は気になるようなので……
ここは各部を分割して、新たな可動軸を仕込んでみよう。
スカートアーマーを分割する


とりあえずモールドに沿って各パーツを分割していきます。
……文字にするとシンプルですが、実際はかなり時間がかかっているというやつですな。

主に使用した道具は
- デザインナイフ
- エッチングノコ
- ラインチゼル
といったところ。
ラインチゼルは本来スジ彫り用の道具だけど、最初のアタリをつけたりスジ彫りを深くするような感じで使った。

切るというよりは彫っていく……みたいな。

デザインナイフもまっすぐな部分のアタリをつけたり、刺してスジ彫りを裏側に貫通させたりと。
切断の主力はエッチング製ノコです。
筆者がここで使ったのはコトブキヤのモデリングノコ2(0.15mm厚)のようですな。
エッチング製ノコは各社から各社から発売されていますので、それらで代用も可能です。

いずれにしろケガに注意だ。
筆者もかなり危なっかしい手つきで作業をしている。
基本的に
「刃の進行方向に指を置かないこと」
が鉄則なんだけどね。

一緒に写っている流し込み式接着剤は分割用。
切れ込みを入れた箇所にこれを流し込み、力を加えるとパキッといきますな。
これはエナメル塗料の溶剤でも代用できます。
無論、意図しない場所に浸透してパキッと逝くこともありますが。

ゲルググマリーネの分割、側面の後部の境目が難しいんだよね。
微妙に分割線がカクカク曲がっているというか。



今回は大丈夫だったけど、場合によっては間違えて切り刻んで大きな隙間が出来ることがある。
そういう場合は「プラ板を接着→乾燥後に削って整形」みたいなことで修正しよう。
画像は筆者が以前切り刻んだHGUCのリバイブ版ギャン。

たまに周りにまったく関係ない溝が出来てしまうこともありますな。
そういうときは伸ばしランナーや大きめの削りカスを接着して埋めるのもありです。


とりあえず分割が完了しました。
この後は……。

可動軸を設けるための場所を確保する。
なので黒く示した接続用のピンなんかを削って平らにしてしまおう。
着色した部分以外も、凸凹面を削って均している。
ついでに切り口部分も紙やすりで整えておく。

切り口周りは板つきの400番紙やすりがいいかな?
鉄やすりだと凸凹になるし、素の紙やすりだと角が丸まるし。

他パーツと接触する部分は塗装剥がれを軽減するため、角を丸くするのもありですな。
装甲パーツの内側など……。


整形後はこんな感じに。
基部の内側はかなりガタガタだけど、外からほとんど見えないので処理はほどほどにしておく。
切り出した側面スカートはここで接着してしまおう。

スナップフィット用のピンは全部削っちゃったから、接着するしかないんだよね。
基部のは接着面が狭いから強度が不安になるけど……。

後で強度確保用にプラ板を追加する。
とりあえず分割作業はこれで完了だ。
可動軸を用意する


続いて可動軸の用意ですが……
これまた見事に残骸だらけですな。

筆者のところにあった不良在庫をかき集めてきた。
昔の筆者が改造に使おうとして失敗したのも多数あり、虫食い状態なのはそのため。
今回使用するのは
- ホビーベースの関節技ダブルボールジョイントの受け軸(小)×2
- ウェーブのBJ-03プラサポ①の1番パーツ×2
- ウェーブのPC-02プラサポ①の5番パーツ×4
- ウェーブのPC-02ポリキャップのAパーツ×2
となっている。
ポリキャップは似たようなパーツがいくつかセットされているので、それらで代用してもいい。
今回使うAパーツは厚みのある角型ポリキャップとなっている。

関節技の受け軸も、同じホビーベース製品の他ジョイントに同一パーツっぽいものが含まれているね。
このダブルボールジョイントは足首でも使ったけど、あっちでも言ったとおり今はリニューアル品が流通しているみたい。
今から買うならそっちがいいかな。


ごちゃごちゃした画像ではわかりにくいので、さっさと組み合わせてしまいましょう。
こんな感じになります。

キャップの受け軸となるPC-02の5番は少しはめ込みがキツメだったので2.0mm径のピンバイスでさらっている。
同様にBJ-03の1番の棒軸も少しキツめだったので、ポリキャップも2.0mm径のピンバイスでさらっている。
棒軸側を削って調整もしているけどね。

……なんか似たような名前のパーツが大量で、文字だけだと混乱するんだけど。

実際ウェーブのパーツは似たような名前の異なる商品がサイズ違いでたくさんあるので混乱しますな。
おそらくBJがボールジョイント、PCがポリキャップのことですな。
それぞれにプラ製パーツ(プラサポ)とポリ製パーツ(ポリキャップ)があるわけですが。

- BJプラサポ→ボールジョイントのプラパーツ
- BJポリキャップ→ボールジョイントのポリキャップ
- PCプラサポ→棒軸関節用のプラパーツ
- PCポリキャップ→棒軸関節用のポリキャップ
……てことでいいのかな?

「BJ~」や「PC~」の後につく数字(02とか03とか)はサイズ違いを意味している。
BJシリーズはボールジョイント径に。
PCシリーズは棒軸径やキャップ内径に合わせた数字となっている。
今回使用したものを例にすると
- BJ-03→ボールジョイントが3.0mm径(ボール部分が3.0mm径であり棒軸部分が3.0mmというわけではない)
- PC-02→棒軸径やポリキャップの内径が2.0mm
といった感じ

2025年3月現在、PCのプラサポのみ①と②がありますな。
これらは形状違いとなっています。
今回使っているのは①なので、②は登場していませんが……。


組んだジョイントを腰部基部や分割したスカートアーマーと組み合わせるとこんな感じに。
PC-02とポリキャップが腰部基部側に。
関節技とボールジョイント部分がスカートパーツ側に来ますな。

ポリキャップと関節技は余分な凸ピン部分をカットしている。
逆にBJ-03プラサポは引き出し可動のことも考えて、カットはせずそのまま使用した。

ジョイントと装甲パーツは単に接着しているだけだよね。
PC-02プラサポの下に見える白いのはプラ板かな?

前述したとおり腰部基部のスナップフィットの接続ピンを削ってしまったので、それの代わりの補強用だ。
0.5mm厚のものを大体9.0mm×9.0mmの大きさにカットして貼り付けている。
その後にPC-02プラサポを接着した。
これらはプラ製なのでプラモデル用の接着剤で問題なく接着できる。

関節技のほうはポリカーボネート製のようですな。
いつもの速乾流し込みではなく、アロンアルフア瞬間接着剤で済ませています。

腰部装甲は挟み込みではなくなったので、股関節基部も接続方法を変更。
凹ピン部分を切り欠いたり、凸ピンを短く調整するなどして下からはめ込むようにした。
多少緩くなったが、胸部との接続軸でうまく保持してくれるはず。
今回の戦果


外側から見るとこんな感じに。
どうしても切断した箇所がノコの厚み分削れて隙間ができますな。
気になる人は一度プラ板を接着してから整形し、隙間を狭めるとよいかと。

あんまりピッタリしていても可動時に干渉したりしやすいんだけどね。
この辺りの可動と隙間の問題は近年の最初から超絶可動なガンプラでもジレンマになっているというか。

古いガンプラは隙間が埋まっていて可動範囲狭いタイプ。
新しいガンプラは可動範囲確保の都合上、関節周りが間延びしたように見えることがあるといいますか……。

ここで更に股関節部分を破損対策に改造しようかとも考えていたけど……
脚を着脱しても壊れる気配がなかったので、とりあえず保留。
今回はここで中断。
次回は残りの箇所、武器かバックパックか胸部のいずれかになるだろう。

続きは次回!
この記事で作っているキット