
ガンプラHGUCシリーズより、ゲルググマリーネを作っていきましょう。

前回はバックパックと武器を組み、ついでに破損した股関節も修理した。
今回は残る胸部を組んで、全体の組み立て作業を終えよう。

ようやく組み立て終了に。
塗装まで行っていないのに、もうパート7だよ。

筆者の場合は実際に作業をしている時間よりも、考えている時間のほうが長いですな。

一度切り出すと後戻りが難しいからね。
それでは作戦を再開しよう。
胸部の組み立て


画像の左側のが本キットの胸部。
腹部と一体整形になっており、棒軸の肩関節や前後に真っ二つな構造など、旧来のHGUCでよく見られる構成になっていますな。

肩口は微妙に蛇腹状になっているんだよね。
これは原型機のA型ゲルググとほぼ同じというか。

本キットの前に発売された、MGのゲルググVer.1.0ではラバー状のカバーを被せる構造になっていましたな。
さすがにこの時期のHGUCではそういうわけにもいかず……。
肩口を切り出す


とりあえず分解。
ゲルググJでは色分けのこともあって腹部が別パーツ化されていましたが、こちらはそうではありません。
筆者は肩関節の改造をしたがっているようですが、部品の脱落には注意したいところですね。

腹部側も一体整形で密閉されているので、内部にパーツが脱落すると修復が困難だ。
可動のため腹部と胸部を切り離してしまう案もあるけど、強度優先で今回は別パーツ化をしない。


とりあえずまずは肩関節を切り取ってしまう。
画像で黒く示した辺りで切り出す。

ちょうど蛇腹部分をまるごと切り出す感じだね。

蛇腹部分の表面だけ切り出す案もありましたが……
今回は丸ごと切り出す形に。


切り出すとこんな感じ。
もしかしたら切り出したものを再利用するかもしれなかったので綺麗に切ったが、実際はそうでもなかった。
億劫に感じる人は砕いたり穴を開けながら作業をしてもいいだろう。

ついでに内部のスナップフィット用ピンも切削。
後に組み込む材料が干渉しないようにするためです。
ボールジョイントを組み込む


次は組み込む関節パーツだけど……
なんかいっぱいあるね。

左側はガンプラの「ボールデンアームアームズ」付属のもの。
右側はホビーベースの「関節技 ボールジョイント」ですな。
それとボールジョイントの受け軸を固定するためのプラ板。
強度が欲しいので、1.0mmとやや厚めのものを用意しました。

片方が棒軸、もう片方がボールジョイントになった関節を作るんだけど……
先に言ってしまうと、今回は関節技の受け軸(中)しか使わなかった。
しかもこの受け軸、以前使った同社のダブルボールジョイントなどに同型のものが入っている。
なのでわざわざこれらの部品を用意する必要がなかったという結果に。

せっかく用意したのに。

今回用意したこれらのボールジョイントは棒軸部分が短くてね。
ゲルググマリーネの肩関節には使えなかったんだ。
代わりに使うパーツは後ほど紹介する。


まずはプラ板の仮接着を行い、位置決め。
ジョイントの受け軸も接着剤で仮留めし、溶けた跡をプラ板につけて穴開け箇所を決める。

塗料類を代わりに使うのもありですな。
いずれにしろスタンプ方式で目印をつける感じです。


その後は仮留めしたプラ板や受け皿を外し、つけた目印を基準に穴開け。
今回のボールジョイントは5.0mm径。
筆者は3.0mmまでのピンバイスしか持っていないので、3.0mmの穴を開けてからデザインナイフなどで広げている。
とにかく5.0mm径のボールジョイントが外から入る穴を開けよう。

流れとしては
- プラ板に5.0mmの穴を開ける
- プラ板の外から5.0mm径のボールジョイントが入ることを確認
- その後受け軸をプラ板を接着
- さらにそのプラ板を本体に接着
……といったところですな。

んでこれがさっき使えなかったボールジョイントの代わりだね。
これなら軸部分が長いから、肩パーツも問題なく取り付けられるかな。

ウェーブのBJ-05プラサポ①に付属するものですな。
筆者はよく股関節の修理作業にも動員するものです。

HGUCのガンプラでよく見かける5.0mmのボール径と3.0mmの棒軸が特徴的だ。
改造に修理に大活躍だ。


ちなみに関節技の受け軸(中)の外径は7.0mm。
プラ板に7.0mmの穴を開けて、ぴったりはめ込んで固定する案も考えたけど……
「分解時のボールジョイントを引っ張る場面で外れるのでは?」
と筆者が考え、こちらは不採用にした。

さっきの内側から接着する方式だと、プラ板に引っかかる形になるから引っ張りには強くなるんだよね。
受け軸が本体の内側寄りになるから、可動が狭くなりそうだけど。

仮組みして試したんだけど、可動範囲の違いも微々たるものだった。
なので今回は強度を優先して、5.0mmちょいの穴を開けて内側から取り付ける方式にしたんだ。
肩アーマーの加工


さて肩関節の可動範囲拡大はできたんだけど……
筆者としてはどうしても気になる点があったらしい。

何かな?

肩関節を動かした際に、どうしても貧弱な棒軸部分が見えてしまう。
なので削り取った蛇腹部分の代わりになるような、なにかいいパーツはないかと思ったらしくてね。

可動と見栄え。
関節改造に関しては、これらを両立させることが難しいというやつですな。
更にそこへ強度の確保やら材料費、加工の手間など……。

一点ものならともかく、筆者は同じものをたくさん揃えたがるからなぁ。

ここで筆者は
「大小のバーニアパーツを向かい合わせに重ね合わせれば伸縮するカバーっぽいものができるのでは?」
と思い……
ウェーブのUフラットバーニア長方形を取り出した。
使用したサイズは6×9と3×4.5のもの。
これに軸を通すための3.0mm径の穴を開ける。
内部のシャッター状ディティールは外から見えないので、処理は不要だ。
6×9サイズは肩アーマーに接着。
3×4.5サイズは接着せず、関節のボールジョイントへ通す。

ゲルググMの肩アーマー、本来は上から被せられるよう下側に切り欠きがあるんだよね。
これはもう必要ないし、バーニア貼り付けのついでにプラ板で埋めちゃおう。



仮組みするとこんな感じに。
重なった際に小さいバーニアが大きいバーニアにはまり込むので、伸縮の代わりになる。
完全に棒軸が隠れるわけではないけど、今回はこれを採用しよう。

完全に隠そうとすると、せっかく広げた可動範囲が狭くなりますからね。
やはりこの辺りの両立が難しいという。

袖口の改造で正方形のバーニアも使ったよね。
ここは1枚のランナーで両方とも揃う、コトブキヤのダクトノズルIIを使ったほうがよかったかも。

コトブキヤのほうはウェーブのと比較して、角がやや丸いのが特徴です。
長方形と正方形の他、噴射口のディティールが細かいのと粗いので2種あるのも特徴ですな。
組み込んだパーツを補強する


関節パーツは組み込み終わったものの、そのままでは強度不足です。
ボールジョイントを着脱した際に外れそうですな。

合わせ目接着をすると密閉されるんだよね。
仮に部品が脱落したら修復が難しいという。

なので内部に物を充填させて、外からボールジョイントを押し込んだ際に受け軸が外れないようにしよう。
まずはプラ板の破片やランナーを適当に充填。
つっかえ棒の役割を担ってもらう。


更にエポパテを充填。
これで左右のボールジョイント受け軸を繋げるような形にする。
使用したのは先日補充したタミヤのエポキシパテ(高密度タイプ)

筆者が主力で使っている速硬化タイプに比べると、かなり硬めなんだよね。
隙間とかに詰めにくいというか。

塊にしやすいので、こういう関節の固定用に充填する際には好都合なんですけどね。
硬いので薄く伸ばしたり、切削したりするのには不向きですが。

プラ板と違って不定形で、接着剤と違い接着面積を確保する必要もない。
困ったときの関節固定にはとりあえずエポキシパテだ。
硬化前に一度部品を仮組みして、充填したパテがパーツ内部で干渉しないかも確認しておこう。


パテが硬化したらボールジョイントの着脱テスト。
部品の脱落がなさそうでしたら、胸部を貼り合わせて合わせ目消しです。
これでようやく胸部もできあがりましたな。

長かったなぁ。

腹部のコクピットハッチは開閉部分なのにモールドが甘め。
丸い別パーツに置き換えも考えたけど、ここはモールドを彫り直して対処している。
今回の戦果


各部を組み合わせてようやく形に。
これで組み立て作業は終了としましょう。

……あれだけ時間をかけておいて、ほとんど仮組み状態と全く変わらないように見えるのは気のせいかな?

外装切り貼りのプロポーション変更はしていませんからね。
主に可動部を改造しただけです。




仮組み状態で待機している2機目と比較するとこんな感じに。
パッと見は全く同じに見えるけど、可動範囲は段違いだ。
ここで動かして可動範囲を確認しておこう。

素立ち状態だと肩関節が上がるようになったぐらいしか違わないんだよね。
動かすと分割した腰部がいい感じに。

腰部のBJ-03プラサポ製の接続軸がキツめで、接着した他の部品が着脱時に外れそうになった。
なのでこの後で一度プラサポ軸を少し削りこんで緩めている。
形になったところで今回は中断。
次回はいよいよ塗装になるだろう。

続きは次回!
この記事で作っているキット