模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はガンプラのモノアイをクリアーパーツに置き換える改造法を解説しましたな。
今回は……
ガンプラのモノアイに関して、もう1つ解説しておきたいことがあるので紹介する。
キットによってはそのモノアイが動かないものがある。
今回はそれの可動化改造の一例を紹介しよう。
よくあるよね。
「がんばれば最初から可動化できるでしょ」
って言いたくなるのに非可動のキットとか。
古いものだと技術面の問題とかが考えられますが、比較的新しいキットでもたまに非可動のものがありますな。
コストの問題でしょうか。
それでは今回の作業に入っていこう。
改造品のイメージ
まずは過去に筆者によってモノアイ可動化工作を施されたガンプラ達を掲載。
今回はこれに近いものを作っていこう。
上から順に
- HGUC ゲルググJ
- HG ジンハイマニューバ
だね。
どちらもまだ2000年代前半の製品。
モノアイが動かないのは技術的な問題からかな?
二つとも頭が小さめだし。
ジンハイマニューバは構造の都合上少し手を加える箇所が多くなっている。
解説するにあたって、今回はもっと単純なものにしよう。
今回の犠牲者 HGUC ケンプファー
というわけで今回実験台になってもらうのはこちら。
ガンプラのHGUCシリーズより、ケンプファーだ。
0080ポケットの中の戦争に登場した、強襲型MSですな。
ジオン系MSのなかでも特にスマートな見た目をしているからか、根強い人気を持っていますな。
このキットは頭部を分解するとこんな感じになる。
モノアイが非可動で、黒いモノアイレール部分は板状になっている。
キットではここにシールを貼り付けることでモノアイを再現するようになっているんだ。
この構造ならなんとか改造して可動化できそうな。
材料の紹介
今回主に使用した部品がこちら。
- WAVE U・バーニアフラット1
- コトブキヤ モビルパイプ
- タミヤ プラ材2mm径丸棒
となる。
すべてプラ材ですな。
接着には困らなさそうです。
加工開始
それでは加工作業を始めよう。
まずは元のモノアイレール部分を削り取る。
ニッパーで大まかに切り取った後、デザインナイフや鉄ヤスリで整形。
最後は紙ヤスリで磨くといいだろう。
こういう平らな面を出す際は目の粗い鉄ヤスリの出番ですな。
分厚いのでヤスリ自体が曲がらず、ガリガリ削って平らにできます。
続いてモノアイパーツの作成。
基部となるパイプパーツにバーニアパーツを貼り付けよう。
今回はモビルパイプの4.0mm径にU・バーニアフラット1の2.5mm径を貼り付けている。
モビルパイプはそのままだと背が高く内部に組み込めないので、適当にカットして短くしている。
U・バーニアフラット1は品薄なのかな。
この記事を書いている2022年12月11日現在、ネット通販であまり見かけないんだけど。
モビルパイプの2.5mm径とかでも代用できそうですな。
パイプパーツはそのままだと表面が湾曲していて接着面積が確保できないので、接着部分は削って平らにするとよいでしょう。
他にも代用品がないか探してみたが……
見たところこのコトブキヤの丸ノズルが近い形状をしていた。
同じような大きさのものが複数個ついてくるので、量産機相手でも使えそうだ。
ただサイズが1.0mm刻みのみなので注意。
モノアイパーツは出来上がったので、パイプパーツに通す軸を用意する。
これは今回タミヤの2mm径丸棒を使用。
適当にカットして頭部基部に接着する。
力がかかる場所ではないからイモ付けでも大丈夫だ。
筆者は今回2mm径ピンバイスで軽い凹みをつけてから接着している。
完全に固着する前にモノアイパーツを仮組みチェックしたほうが良さそうですな。
位置によってはバーニア部分が外装に干渉するので……。
これで改造は完了。
あとはプラ棒の軸にモノアイパーツを通すだけ。
これでモノアイを左右に振ることができるようになる。
構造自体は非常に単純というか。
本体にセットするとこんな感じに。
睨みが利くようになる。
目の部分になるバーニアパーツ内部は現時点では空っぽ。
完成直前に前回使用したH・アイズを組み込むことになります。
そちらに関しては前回の記事を参照にしていただければ。
作業まとめ
というわけで改造が終了したわけですが。
手順を簡潔にまとめると
- 元のモノアイレール部分を削り取る
- バーニアパーツとパイプパーツでモノアイパーツを作成
- モノアイレールを削った跡地に棒軸を接着し、そこに作成したモノアイパーツをはめこむ
といった感じ。
この方法は左右に振るタイプのモノアイでありながら、キットでは非可動となっている機体向けですな。
T字型や十字型のモノアイレールを持っているMSに対しても、筆者はよくこの手法で可動化改造を施している。
上下には動かないけど、とりあえず左右に動いて表情がつけられればそれで事足りると判断してね。
画像は過去に作ったHGUCザク・マリナーのものだ。
ザク・マリナーに限らず水陸両用機はモノアイレールが特殊な配置だからこの手法だと苦戦しそう。
筆者の在庫で水陸両用機がいつまでも進まないのは、そこのいい改造案がまだ浮かばないからですな。
それさえ思いつけば何とかなりそうなのですが。
今回の手法はモノアイ可動化の基本的な改造案といった感じだ。
勿論今回使用した材料以外にも使えるものはまだまだある。
改造を施すMSのサイズによって好みのものを使ってみよう。
上記のザク・マリナーはバーニアパーツをパイプパーツの代わりにしていたし、冒頭のジンハイマニューバは真鍮線を軸にしていたし。
今回の記事が何か模型製作のヒントになれば幸いです。
今回はここで終了。
最近は製作方法系の記事が多かったけど、次回はおそらく通常のキット製作記事に戻るだろう。
次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット