
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が長年放置していた、ドラゴンのポルシェ型ヤークトティーガーが完成しました。
今回は……。

引き続き積み崩し。
今回も陸戦兵器となる。

またまた戦車かな?

筆者が完成品を保管する箱を欲しがっているようで。
ここ最近の航空機連続が原因で、より大きめの空き箱を確保したいようです。
今回のお題 アミュージングホビー ティーガー(P)


今回作るのはこちら。
アミュージングホビーより、ティーガー(P)だ。

これはポルシェのティーガーだね。
いままでにも名前だけは出てきていたはず。

このキットが発売されたのは2018年暮れ辺り。
5年ぐらい前の発売直後に筆者が購入、放置していたものですな。
ようやく順番が回ってきたという。
ティーガー(P)とは?

この車輌は第二次世界大戦期にドイツのポルシェ社が試作した重戦車だ。
計画車輌名のVK4501(P)や、ポルシェティーガーという名前のほうが知られているかもね。

VK4501(P)……
「45t級戦車ポルシェ案01号」
といった感じですな。

第二次世界大戦前の1937年ごろから、陣地突破用の重戦車の開発計画がスタートしていた。
道中で開発されたヘンシェル社のVK3001(H)の名前からわかるとおり、当初は30t級戦車の予定だった。
これが最終的に8.8cm砲を搭載した45t級戦車であるVK4501、後のティーガーIの計画につながる。

なんか初期の計画案だとIV号戦車をちょっと大型化させたぐらいというか。

VK4501の計画自体は1941年の5月、バルバロッサ作戦開始直前に始まった。
その後同作戦が発動され、T-34に遭遇。
既存のドイツ軍戦闘車輌全てを凌駕する性能を持ったT-34を前に、VK4501の開発も急がれた。

お馴染みのT-34ショックだね。

古い資料なんかだと
「T-34に遭遇してからそれに対抗して開発された」
とされているようですが……
現在ではT-34遭遇前から進んでいたという説が主流のようですな。
なのでVK3002こと後のパンターとは違い、VK4501には傾斜装甲は導入されていないのだとか。

このVK4501は2種類の車輌が検討された。
1つ目はヘンシェル社の設計したVK4501(H)
2つ目は今回作ることとなる、ポルシェ社設計のVK4501(P)だ。

(H)がヘンシェル、(P)がポルシェって意味だね。

ポルシェ案の特徴としては
- ガス・エレクトリック方式の動力(ガソリンエンジンで発電機を回し、その電力でモーターを駆動させて動かす)
- 車体底面を貫通せず、外付けする縦置きトーションバーサスペンション
といったものを導入していた。

ガス・エレクトリック方式は電流調整だけでギアチェンジなどの動作ができるようになるというメリットが考えられたようですな。

縦置きトーションバーは……前回作ったヤークトティーガーでも導入されて、不具合が多かったやつだよね。
ポルシェ博士としては
- 外付け式だから整備が簡単で車高も抑えられて、車体底面に脱出ハッチも設けられる
- 通常のトーションバーよりも小型だから資材が少なくてコストが安い
みたいなことを狙っていたようだけど。

1942年4月20日の総統閣下の誕生日に合わせて、VK4501(P)とVK4501(H)はお披露目された。
総統閣下は政治的繋がりの強かったポルシェ案を贔屓していたようだけど……
- エンジンの出力が明らかに不足
- 走行試験で地面に埋まってしまう、配線が焼ける
- モーターに貴重な資源である銅を使用する
- 発電機から発生する電磁ノイズが無線に入り込む
などなど大量の問題が発生した。
これによりヘンシェル社の案が正式採用され後のティーガーIに。
ポルシェ案は不採用となってしまう。

あらら。

ただ砲塔はクルップ社が設計した、ポルシェ車体に搭載されたのものがヘンシェル案にも流用・採用されたようですな。

不採用になったポルシェ案だけど、見切り発車で製造が始まっていた……というのはまた別の話。
独創的で合理的な設計だったものの、不採用に終わってしまったティーガー(P)試作重戦車。
試作・計画車輌を数多く発売しているアミュージングホビー社の製品で作ってみよう。
箱の中身を確認しよう


それでは箱を開けてみよう。
中身はこんな感じ。

車体の基本色はグレーですが、成型色はサンド系のようですな。


プラパーツその1。
非フルインテリアなので、1/35の戦車としてはそこまでランナー数は多くない。
他キットとの流用ランナーもあるので、余剰パーツもそれなりに発生しそうだ。

画像左下のFランナー2枚、どっかで見たことあるような。

以前のE-100にも付属したランナーですな。
アミュージングホビーが初期に発売したレーヴェの名前がタグに刻印されています。
レーヴェに限らず使えるドイツ軍車載装備のランナーなので、後続のドイツ軍戦車キットにも流用されているのでしょう。

ポルシェティーガーはジャッキを2つ搭載している。
そのためFランナーも2枚付属するのだろう。


プラパーツその2。
こちらは履帯用のもの。
同一のものが8枚付属する。

こっちは前にフェルディナントについてきたものと同じかな?

あちらはセンターガイドが一枚置きになったタイプでしたが、こちらは全てセンターガイド付きですな。

どうも試作段階では全てセンターガイド付きだったようだ。
石など異物を挟んで履帯が破損することがあったらしく、実戦仕様以降では1枚置きのものに改められた。
後に接地面に滑り止めがついたものも開発されている。


その他の付属品。
- ベルト式履帯
- デカール
- レジンフィギュア
- エッチングパーツ
- 金属ワイヤー
- サスペンション用金属パーツ
となっている。
ベルト式履帯は先ほどのプラ製可動履帯との選択式だ。

初心者でも安心だね。
レジンフィギュアはボックスアートにも書かれているおじさんかな。

おそらく本車の設計者であるフェルディナント・ポルシェ博士ですな。


紙媒体は説明書のみ。
冊子になっている。

見慣れた感じ。



収録された塗装図は2種類。
ジャーマングレー単色のものと。3色迷彩のもの。

デカールが付属していたけど、ここでは指示がないね。
おまけ扱いかな?

「ポルシェ案が正式採用されて、試作型が実戦投入された世界線」
みたいな感じにしてもよさそうですな。
ちなみに付属のデカール、汎用品らしく他の同社ドイツ戦車キットにも付属するようです。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から作業を開始する。

以前のフェルディナントほどではなさそうかな。
あっちは余剰パーツだらけで苦労したような。

あちらはフルインテリアの部品が余剰品でいくつか付属しましたからね。
それらの大元になったのが、今回のキットです。

履帯は今回プラ製の可動履帯にする予定だ。
そこで時間がかかりそうなぐらいだね。

続きは次回!
この記事で紹介しているキット