イタレリのポルシェティーガーを作っていきましょう。
前回は足周りを進めた。
今回はそれに履帯を仮留めし、車体上部も進めていこう。
前回は早速気になる箇所があったわけだけど、今回の範囲は……。
今回も盛りだくさんです。
正念場ですな。
昔の筆者だったら作りかけで放置モードに入っていただろう。
そういうわけにはいかないので、引き続き進めていく。
それでは作戦を再開しよう。
履帯を取り替える
このキットに付属する履帯はベルト式。
どうやら今回の再販品では、この履帯が接着・塗装可能な素材に変更されたことがウリのようですな。
ただ残念なことに……
この履帯は試作型のポルシェティーガーでは一般的ではない、接地面にハの字の滑り止めが付いたものとなっている。
滑り止めは後のエレファントで一般的になったようだ。
あらら。
ボックスアートでは滑り止めなしのタイプで描かれているのに。
筆者の手持ちには、以前のアミュージングホビー製ポルシェティーガーで余剰になったベルト式履帯がある。
せっかく素材を変更してくれたイタレリには申し訳ないけど、今回はアミュ製のものに交換してしまおう。
どうせとっておいても他に使い道もないからね。
先ほどの画像の
- 左側が今回のキット付属のイタレリ製
- 右側が以前のアミュージングホビー製
だ。
イタレリ版はエレファントとかに流用できるのかな?
しかしこの履帯、試作型ポルシェティーガー用のもうひとつの特徴である
「全てセンターガイドがついた履板」
というのはきっちり再現されています。
フェルディナント以降ではセンターガイドが1枚置きに変更。
なのでそれより後発のエレファントに流用するとこれまた不自然で、どっちつかずという。
なんか中途半端だなぁ。
同じスケールの同系統の車輌ですが、異なるメーカーの部品なので寸法が異なる可能性があります。
一度仮組みして確かめてみましょう。
ちょっと緩いみたいだけど、アミュの履帯はイタレリの機動輪・誘導輪の歯に問題なく噛み合うみたいだね。
今回は無改造でそのまま流用する。
多少緩いところは後で弛みをつけて調整しよう。
車体上部の組み立て
続いて車体上部。
外装パーツはこんな感じです。
基本的に内側から取り付ける部品もないので、先にこの外装類を車体下部に合わせてしまったほうがよさそうですね。
「車体上部→フェンダー→車体側面・前面→吸気口」
の順番に合わせていく予定です。
発売された年代の割には、フェンダーの滑り止め表現や吸気口の金網表現はかなりいい感じ。
エッチングパーツなしでこれはなかなか……。
ついでに小物類も用意。
古い製品だからか、こちらもパーツは少なめのようですな。
ただ筆者としては少し気になる部分があったようだ。
それはこれから説明していく。
予備履帯はさっきの履帯と同じ枠のだね。
当然滑り止め付きだけど……。
接地面が車体で隠れるので、こちらをそのまま使う。
反対にセンターガイド側の押し出しピン跡が見えるんだけど……
これは流し込み式接着剤を軽く塗ってピン跡を溶かし、ヘラなどで抑えればうまく均せれれる。
車体前面の組み立て
まずは車体前面。
- 前面装甲の合わせ目処理・切削跡の追加
- ライト変更
- ヒケ部分のパテ埋め
といったような改修を施している。
順番に説明よろしく。
まず前面装甲。
キットそのままだと不自然な位置に合わせ目ができたので、これは接着・整形して消している。
接着剤だけだとプラ成分が足りず隙間ができるので、伸ばしランナーも接着して補った。
以前のアミュージングホビーのE-100なんかでも似たような構成でしたな。
車体の下部側に唐突感のある合わせ目が発生するといいますか。
そのままだと車体下部側の切削跡が合わせ目周辺で途切れた感じになるので、デザインナイフなどで彫って追加。
車体上側は切削跡が最初からついているけど、面積が狭くそのままでは装甲厚を感じられなかった。
こちらも新規で切削跡を追加し、厚い装甲板を噛み合わせた感じを強調している。
実物は凸凹になった装甲板の端を噛み合わせているんだっけ。
切削跡はその切り口部分というか。
続いてライト部分。
こちらはキット付属のものだと前面カバーの縁が厚いように見えた。
なので手持ちの余剰パーツに取り替えてそれらしくしている。
何のキットのものだったかは詳細不明だけど、おそらくドラゴン・サイバーホビーのIII号戦車系列のものだと思われる。
こちらも履帯同様、温存しておいてもアレなのでどんどん使っていきましょう。
最後にヒケ。
車体前面の左右両端部分にヒケができていたので、これをタミヤパテで埋めている。
ただここは前面の棒状パーツを接着する場所。
パテが接着の邪魔をするしヒケは棒パーツで隠れるので、神経質に処理しなくてもよかったかもしれない。
このひん曲がった棒パーツが試作型の特徴というか。
見た感じ牽引用のフックみたいなものかな?
実戦型では100mm厚の増加装甲で埋まった形になります。
代わりにU字フックが追加され、そこに牽引ロープが接続できるように。
車体側面の組み立て
続いて側面。
ここはこのスコップのみ。
キット付属のスコップは先端の留め具が細い板状になっている。
ただポケット状にしたいので、これを加工している。
画像の下のフェンダーに乗っかっているのが加工前。
上の車体に取り付けられているのが加工後。
前に組んだアミュージングホビー版はポケットタイプだったよね。
イタレリ版も、ボックスアートではポケットタイプみたいだけど。
加工の手順としては
- スコップ先端を切り取り車体に接着
- 板状留め具部分を削ってスコップ本体と均一に
- 残ったスコップ本体を車体に接着
といった感じ。
このキットは車体の留め具部分が一段高くなっているので、この簡易加工でもそれらしくなる。
これも余剰品を使ったほうがよかったんじゃないの?
余剰パーツにこのポケットタイプの留め具のスコップはいくつかあった。
ただ柄の留め具の位置がどれも違っていてね。
そちらの加工が億劫だったので、今回はキット付属のものを簡易加工して済ませた。
他の斧とかは……
無改造ですな。
やや小ぶりなのが気になったけど、やはり留め具の加工が億劫でそのままになった。
というか素の状態の留め具がなかなか良くてね。
これを生かしたくて交換せずに。
留め具の表現は近年のキットよりもいいかも。
……吸気口部分といい、このキットは局所的なディティールはかなりいいというか。
車体後面の組み立て
お次は車体後部。
加工したのがひと目でわかる、色違い箇所が3つありますな。
アンテナと溶接跡、それにジャッキです。
アンテナは元のアンテナパーツを切り取り、ピンバイスで基部に0.5mm径の凹みをつける。
そこに伸ばしランナーで新しいアンテナを作り差し込む形に。
元のパーツのアンテナと違い着脱可能で、ゲートやパーティングラインの処理も不要だ。
後部パネルにある機動輪周りの溶接跡も、この伸ばしランナーを使っているね。
結構汎用性が高いものだから、あらかじめストックしておくといい感じ。
残るジャッキは四つ足部分を削り込んで再現している。
ここでは見えないけど反対側の接地部分も、ただの板状になっているので削って凹みをつけている。
そういえばジャッキ、2つあるけど1つだけだね、色違いなのは。
このキットのジャッキは2つ別々のランナーに付属しているんだけど……
Aランナーのは四つ足部分がついているんだ。
でもCランナー付属のは四つ足部分自体が省略されてしまっている。
不揃いなのが気になったので、筆者はプラ板で継ぎ足してから整形し四つ足部分を作っている。
Aランナーは転輪とかのランナーで、確か先行して発売されていたエレファントなどから流用品。
Cランナーは砲塔などの部品が収まっており、ポルシェティーガーで新規に追加されたものですな。
形状に差が出たのはその影響かもしれません。
今回の戦果
そんなこんなで車体は組み終わり。
そこそこ加工箇所が多くて時間がかかった。
パーツ数自体はたいしたことないんだけどね。
結構工具類に手を加えていたというか。
以前紹介したタミヤのIV号戦車用装備を使ったほうが良かったかも。
それも考えたけど……
肝心のジャッキやライト部分を、今までのタミヤ旧IV号シリーズ相手にほとんど使い切ってしまっていてね。
必要なパーツを確保できなかったんだ。
今回
- ライトはドラゴンのIII号戦車系列(おそらく)を流用
- スコップは形状が合わずキット付属のを改修
- ジャッキは留め具の余剰品が確保できずキットのを加工
した形に。
単純に筆者のジャンクパーツ数が増えて、探すのに時間がかかっているというのもある。
今まではベース車輌ごとに分けていたけど、パーツの種類ごとに分けて管理したほうがいいかもしれない。
……今回はここまで。
次回は砲塔部分を組む予定だ。
続きは次回!
この記事で作っているキット