
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が放置していた、ハセガワ(ICM製)の黒騎士物語版ティーガーIIを第506重戦車大隊仕様で完成させました。
今回はまた別のものになりそうですが……。

筆者が組みかけで放置していた戦車がある。
それを再開する気になったみたいなので……
今回はそれの紹介だ。

ゲルググマダー?

もう少し時間が要ります。
今回のお題 サイバーホビー T-34/85(第112工場製・1944年型)


今回作るのはこちら。
サイバーホビーより
T-34/85(第112工場製・1944年型)だ。
箱の横に貼られたシールによる日本語表記の商品名は
「WW.II ドイツ軍 鹵獲戦車 T-34/85 第122工場製 1944年生産型」(品番CH6759)
となっている。
おそらく「第122工場製」は「第112工場製」の誤植だろう。

筆者の好物、鹵獲T-34だね。
今までは76mm砲装備型が多かったけど、今回は85mm砲搭載型という。
T-34/85とは?

この戦車は第二次世界大戦期に活躍したソビエト連邦の中戦車だ。
派生車輌を含めて今までに何輌か組んでいるから、詳細は割愛。

それまで無敵だったドイツ軍の前に登場。
当時の主力であったIII号や短砲身のIV号戦車よりも優れた性能で、ドイツ軍に大きな衝撃を与えたというやつだね。

初期は2人乗り砲塔に搭載されていた76mm砲が主砲だった。
やがてドイツ軍が新型のティーガーIやパンターを投入するようになると、76mm砲では力不足に。
そのため85mm砲を装備する案が浮上し、紆余曲折あってそれが実現してT-34/85となる。
単純な火力向上もそうだけど、砲塔がドイツ軍戦車同様の3人乗りになったため車長が指揮に専念できるようになったのが特筆すべきポイントだ。

IV号戦車などに対しては完全に優位に立てる形になりましたな。
ティーガーIに対してはわずかに不利なものの、なんとか正面からでも撃破が可能に。
何よりコスト面で不利なティーガーIに対し、T-34/85は生産性で大幅に勝り数を揃えられるという。

T-34は工場ごとに外見に細かい差異があり、後年専門家によって研究がされている。
今回のキットの題材になっているのは第112工場製のもの。
正式には国営第112クラスノヤ(クラスノエやクラスナエとも)・ソルモヴォ工場というらしい。
以前作ったT-34/85は第183工場製。
両者の最も異なる外見上の違いは砲塔上下の分割と、それに伴う砲塔前部分の溶接ライン。
以前組んだ第183工場製のものは砲塔前の溶接ラインが直角になっているのに対し、今回の第112工場製のものは斜めに吊り上った形となっている。

なんか色々ややこしく……。

他にも工場や時期によって細部が異なるみたいな話を聞いたことがありますが、筆者も基本的に砲塔の溶接ライン部分しか違いを理解していないようなので……。
ちなみに他にも第174工場製なるものも存在するようですな。
174製は生産時期によって砲塔の溶接ラインが大幅に異なるらしく。

実物では第183工場製が多数派らしく、模型でも同工場製名義のものが多く発売されてるように見える。
他にわかりやすいのは砲塔の吊り下げ用フック。
基本的には三角形に近い鉤状だけど、今回のキットではU字型のフックがセットされている。

どうもこのU字型フックは第112工場製の初期の車輌で見られた……とか。
情報によると後期にはフックの形だけでなく、砲塔後部の形や溶接ラインも変化しているようです。
現在は第112工場製の中~後期型らしきキットがアカデミーやミニアートから出ているようですな。

あんまり細かい仕様に突っ込むと筆者が足踏みして組み立てをしなくなるので、ほどほどにしておこう。
85mm砲を装備したT-34。
サイバーホビーから発売されている、ドイツ軍鹵獲仕様のものを組んでみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開ける。
中身はこんな感じ。

……ほとんどできあがっているじゃん。
なんで筆者は放置したのかな?

このキットが発売されたのは2014年ごろ。
筆者が数年放置して一度手をつけたようですが、うまく組み立てられなかったようです。

主な点としては
- 履帯の長さ調整に失敗した上に、誘導輪アームを破損した
- 砲塔パーツがうまく合わず、当時の筆者にはそれを修正する技術がなかった
といったところだ。
それと車体の装備品の有無で迷ったりもしたみたいだね。


組み立て途中でランナー画像が見れないので、説明書のパーツリストを。
今回の車輌は転輪が穴開きタイプとディスクタイプを寄せ集めたような感じとなっている。
なので双方の転輪パーツが付属する。

見た感じ、片側5個の転輪のうち1個が穴開きタイプになるみたいだね。
他に特筆すべきポイントは……。

パーツリスト右下にあるQランナー群。
その中の一番右下にある、小さい部品たちが納まった区画に注目です。
今回の車輌の特徴ともいえる、U字型の砲塔フックや溶接ラインの異なる砲塔前面部分を再現するパーツが含まれていますな。


逆に注意点もある。
箱裏とかにはエッチングパーツが付属するみたいな記述があるけど……
このキットのパーツリストにはそれに関する記載がない。
牽引ロープは金属パーツが付属するけどね。

このキットは現在組みかけ品なので、過去の筆者が外した可能性もありますが……
どうも説明書を見ても、エンジン吸気口や工具の留め具などにエッチングパーツを使う指示がありませんな。


付属のデカール。
鹵獲車輌なので、ドイツ軍の鉄十字が収録されている。
他のマーキングはない。

大戦末期の車輌だからか、派手なマーキング類はないみたいだね。
これは塗装でも代用できそうな……。


塗装は2種類収録。
いずれもドイツ軍所属だが、詳細な所属部隊は不明。
ダークイエロー地にダークグリーンの迷彩を施した2色迷彩。
もしくはレッドブラウンを加えた3色迷彩だ。
外見としては前面の予備履帯の有無と、それに代わる鉄十字マークの有無だ。

ボックスアートだとほとんどの装備品が外れているんだよね。
この塗装図だとほぼフル装備だけど。
……フェンダーは前後図と側面図で有無がはっきりしないという。

図面を他キットから流用している可能性が。
少し画像検索をしたところ、当該車輌みたいなものが出てきましたな。
どうもボックスアート同様、フェンダー含めたほとんどの装備が外れている方が実物に近いようです。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回からこのキットを修復していく。

ということはダイジェストになりそうな。

基本的な内容は今までに作ったT-34/76シリーズと似たような構成です。
筆者もこの組みかけ品をどういう形で紹介するか悩んでいたようですが、細部に関してはそちらを参考に……。

今回のキットで以前の筆者がクリアーできなかった
- 足周りの破損箇所修復
- 車体の装備品撤去
- 砲塔外装の部品合わせ
をメインに取り上げていくことになるだろう。
ともかく、詳しくは次回以降だ。

お楽しみに~。
この記事で紹介しているキット