模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回は筆者が購入したばかりのフィンランド軍版III号突撃砲が完成しましたな。
今回は……。
今進めている航空機模型があるんだけど、先に紹介したいAFVがある。
そちらを先に通す。
最近AFV続きだよね。
直近の積みは航空機多めですけどね。
今回のお題 タミヤ マルダーII
今回作るのはこちら。
タミヤMMシリーズより、マルダーIIだ。
商品名は「ドイツ・対戦車自走砲マーダーII」
今回はドイツ語読みに近いマルダーで統一する。
この前筆者が購入してきたやつだね。
ずいぶん探し回っていたみたいだけど。
このキット、タミヤMMシリーズですが定番品ではなくスポット生産品のようですな。
前回の再販から10年近く経過しているように思えます。
筆者はタミヤ製品は気軽に手に入るものと思っていたようだけど……
以前は気軽に買えたけど、近年見かけないキットというのもちょくちょく発生してきた。
すぐ確保したい衝動と、控えの積みとの間で悩んでいるようだ。
そういえば筆者が最近「イタリア軍のセモベンテM40が見当たらない」とか言っていたね。
航空機ではフォッケウルフFw190のD-9型を見かけないとか言っていましたな。
イタレリ金型のはまだわかりますが、そのキットはたしかタミヤの純正品のはずです。
マルダーIIとは?
この車輌は第二次世界大戦中期ごろに登場したドイツ軍の対戦車自走砲だ。
名前のマルダーとは動物のテンを意味する。
何か前も似たような名前のものをいくつか作っていなかったっけ。
マルダーIとマルダーIIIですな。
違いについては後述です。
1941年6月にドイツ軍はソ連に侵攻したけど、そこで恐るべき敵に遭遇した。
……というのはここで何度も解説したはず。
T-34とKV重戦車だね。
T-34ショックって言葉はここで一体何回聞いたのかな。
ソ連軍の強力な戦車に対抗するため、ドイツ軍は
- 新型戦車の開発(後のティーガーI、パンター)
- 既存の車輌の対戦車能力向上(後のIV号戦車F2型/G初期型、III号突撃砲F型)
などを急いだ。
その他にとった手段として
- 対戦車用として通用しなくなった軽戦車・鹵獲戦車の自走砲化
がある。
今回作るマルダーIIは、この軽戦車の自走砲化で誕生したものだ。
旧式化した戦車の自走砲化はドイツ軍あるあるだね。
後半になるにしたがって種類が多くなって、大変なことになるんだけど。
マルダーは7.5cm級の対戦車砲を搭載した自走砲。
以前も説明したけど、ベースとなった車輌によってIからIIIまで存在する。
それぞれ
- マルダーI→占領したフランスから接収したロレーヌ牽引車をベースにしたもの。少数だが他のフランス戦車をベースにしたものもある
- マルダーII→ドイツ製の軽戦車、II号戦車をベースにしたもの。今回作るのはこれ
- マルダーIII→併合したチェコスロヴァキア製の軽戦車38(t)をベースにしたもの
となる。
今回のはマルダーIIだから、II号戦車ベースのだね。
またマルダーII自体にも大別して2つの種類がある。
まず先に生産された
「7.62cm Pak36(r)搭載II号戦車車台」
これは騎兵戦車として開発されたII号戦車D/E型やそれらをベースにした火炎放射戦車の車体に、ソ連から鹵獲したF-22野砲を改造した7.62cm Pak36(r)対戦車砲を搭載したものだ。
当初は特殊車輌番号がSd.Kfz.131だったが、後に後述する7.5cm砲型が出てくるとSd.Kfz.132と改名する。
なんかややこしい名前。
とにかく、II号戦車D/E型の車体に7.62cm Pak36(r)対戦車砲を搭載したものです。
この鹵獲改造された砲は初期のマルダーIIIにも使われていますな。
そしてもう1つが「7.5cm PaK40/2搭載II号戦車車台」
通常型のII号戦車であるII号戦車F型の車体に、ドイツ軍が開発した7.5cm Pak40対戦車砲を載せたものだ。
特殊車輌番号はSd.Kfz.131。
今回作るのはこちらとなる。
そういえば足周りがまったく違うんだね。
騎兵戦車型は速度を重視した結果、足周りが凝った作りになっていますからね。
D/E型は単純な最高速度は高かったものの、不整地走破能力がよくなかったと言われていますが。
申し分ない火力を持ったマルダーIIだったが、1943年に入ると同じII号戦車をベースにした自走榴弾砲のヴェスペが登場。
そちらに生産を集中するため、マルダーIIは生産を終了する。
生産が終了した後も、残っていた車輌は終戦まで第一線で運用された。
対戦車砲と自走榴弾砲。
名前は似ているけど用途はまったく違うという。
現在では自走砲というと自走榴弾砲を指すことが多いのだとか。
強敵T-34らに対抗するため開発されたマルダーシリーズ。
タミヤから発売されている、通常型のII号戦車をベースにしたマルダーIIを作ってみよう。
箱の中身を確認しよう
それでは箱を開ける。
小さめの箱の中に、パーツがぎっしり入っている。
古いタミヤ製品って、やたらと箱が中身に対して小さいんだよね。
発売は70年代のようですな。
ランナーのタグには1975年の刻印がされています。
まずはプラパーツ。
ランナー4枚に加えて、シャーシパーツの組み合わせ。
シャーシパーツはモーターライズ時代の名残が見える。
おそらくII号戦車の流用品だろう。
実物もII号戦車の車体を使いまわしていたからかな。
ただこのキットだと、転輪なんかは新規パーツっぽいね。
履帯とポリキャップ。
これはII号戦車F/G型のキットと同一のようだ。
履帯はやはりポリ製で焼き止め式。
昔ながらの製品だね。
付属のデカール。
各部隊マークなどが印刷されている。
2001年の記載があるので、おそらくその年にこの印刷パターンになったのだろう。
中古品のデカールなんかだと、メーカーロゴがなくてキット名しか書かれていなかったりするよね。
というかブサカワなキャラクターがいい感じ。
Kohlenklau、「石炭泥棒」という意味のようですな。
紙媒体は
- 説明書(日本語)
- 説明書(英語)
- TechTips!
- 伸ばしランナーの作り方
の4種類。
日本語と英語の説明書が別々になっているのはタミヤの旧製品ではよくあるパターンだ。
今の説明書とはちょっと違った文体がいいんだよね。
なんか世界観にのめりこめるというか。
塗装図は説明書の後ろに記載。
やはり旧製品らしく、基本の塗装パターンと各マークの組み合わせのみ書かれている。
よく言えばおおらか。
悪く言えば曖昧。
旧製品あるあるだね。
塗装図には掲載されていないが、生産時期的にグレーで塗られた個体もありそうだ。
今回はせっかくの石炭泥棒マークを使いたいので、ボックスアートに合わせたものになるだろう。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から作業開始となる。
自走砲は内部の再現が楽しいんだけど、その分ハッチを閉めたりするごまかしがきかないんだよね。
やや古い製品なので押し出しピン跡とかが気になりますな。
装甲板の裏側とかに大きな凹みが多数あることが懸念されます。
場合によっては装備で隠れることもあるけど、そうなると埋める箇所とそうでない箇所の選別がまた厄介だ。
とりあえず実際に組んで確かめましょう。
続きは次回!
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