
ドラゴンのハインケルHe162を作っていきましょう。

そうしたいところなんだけど、筆者の作業があまりにも難航していて次の工程が完了していない。
作業と乾燥をチマチマ繰り返していて、しばらくはまとまった作業が紹介できなさそうなので……
代打として、He162の後続で組んでいる別のものを紹介しよう。

今回のお題 ツクダホビー マッキMC.200サエッタ


今回つくるのはこちら。
ツクダホビーより
マッキMC.200サエッタだ。
箱ではC.200セッタと表記されているが、ここでは上記の名称で統一する。

またなんか聞いたことないような名前のメーカーが……。

ツクダホビーはかつて存在した会社、ツクダの系列会社のようですな。
2024年12月現在は倒産して存在しないようですが……。

……思い出した。
あのバトルドームを売っていた会社だっけ。

あれはツクダオリジナルです。
名前の通り、あちらもツクダ系列の1つだとか。

今回のキットはツクダ独自の製品ではなく、レベル社の製品のOEMだそうだ。
調べたところ、このツクダ版以外にも同じパーツの箱違いのものが販売されていたとのこと。

以前筆者の積み山を漁っていた際に、組みかけで放置された青いドイツレベル箱の同パーツキットを見つけたような気がしますな……。
MC.200サエッタとは?

この航空機は第二次世界大戦期に活躍した、イタリアの戦闘機だ。
MCは
- M→開発担当のマッキ社
- C→設計を担当した同社のマリオ・カストルディ技師
を意味する。
サエッタとはイタリア語で「矢(のような)」「閃光」「稲妻」といった意味。

イタリア機って模型でもあんまり見かけないよね。

- 大戦の主要国でもあり各国のメーカーが発売しているドイツ機
- 多数の日本の模型メーカー達が支えている日本機
と違い、イタリア機はイマイチ印象が薄いですからね……。
珍しいせいで、今回のキットのように筆者は一時期中古品店でイタリア機狩りをしていたという。

時代は1930年代半ば。
当時のイタリア空軍では複葉のフィアットCR.32が配備され好評だったんだけど……
イタリア空軍の首脳陣はより近代的な単葉の戦闘機を欲していた。
1936年に空軍の増強計画として単葉戦闘機に関する仕様書が発行され、その仕様に基づいた戦闘機が各メーカーで開発される。

以前同じイタリア機であるレジアーネRe.2000ファルコを製作しましたが……
あちらもこの時の仕様に従い開発された機体でしたな。

そんな中レース用水上機などで実績を上げていたマッキ社のカストルディ技師が設計したのが、今回作るMC.200サエッタ。
試作機は1937年に初飛行するものの、急旋回時にスピンしやすい等の問題が発覚。
改良をしつつ、1939年頃には配備が開始されていく。

一方Re.2000は単純な性能面ではMC.200より上だったけど、それ以外のことが問題視されて不採用・輸出仕様になったというやつだっけ。

当初は複葉機を好む保守的なパイロット達から配備を拒否されることもあったけど……
近代的な単葉機であることもあり、大戦初期は連合軍の戦闘機相手に遜色ない戦いを繰り広げる。
ただ当時の航空機の進化は早く、最大速度500km/h強で12.7mm機銃×2の武装のみの本機はやがて性能面で劣勢に。
そのため後にダイムラーベンツ製エンジンを搭載し、各部を再設計したMC.202フォルゴーレへと発展することとなる。

空冷エンジンから液冷エンジンになって、機首のデザインが大幅に変わったという。

機首だけでなく、それ以外の箇所も細々と変更されているようですな。
わかりやすいのが風防周りかと。

第二次世界大戦期のイタリア軍傑作戦闘機、マッキ。
その一番手であるMC.200サエッタを、レベル製パーツを使ったツクダホビー製品で組んでみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開ける。
中には説明書と、パーツ類が入った袋があった。

しかし筆者はよくこんな骨董品に手をつけるなぁ。

某所のブックオフで500円で投げ売りされていましたからね。
それと、珍しいイタリア機だからだとか。
筆者はMC.202フォルゴーレも保有していましたし、それと並べる予定でもあったそうです。
その割には、購入から9年ぐらい放置していたようですが。

ちなみに、筆者は同時期に同じブックオフで他にも中古イタリア機を確保している。
それらもそのうち紹介することになるだろう。


袋を開けてパーツチェック。
明確なランナー数は不明だ。

見た感じ欠損はないみたいだね。
一部パーツが折れかかっているところもあるけど。

モールドは凸モールド。
調べたところ、大元のレベル製品は60年代後半が初版のようで……。


デカールはこんな感じ。
元がかなり古いものらしく、少々質が気になる。
Printed in W.Germanyと書いてあるが、おそらく当時の西ドイツ製なのだろう。

ベルリンの壁が1989年に崩壊し、東西ドイツ統一は確か1990年ですな。
右端には1985年の印字がされています。
この通りの製品なら、今から39年前に製造されたものということになりますな。


塗装パターンは2種類収録。
片方は上面がサンドイエローにグリーンの迷彩。
もう片方は上面がグリーンの単色塗装となっている。
詳しい所属などは明記されていない。

塗料もアルファベット指示で、対応している塗料は別に記載されているね。
- A→サンディブラウン
- B→ダークグリーン
- C→ミディアムグレー
- D→つや消しホワイト
- E→つや消しブラック
- F→つや消しイエロー
- G→メタリックグレー
- H→ライトグレー
- I→カーキ
- J→ブラックグリーン
って感じに。

古いキットなので、今のイタリア機とは少し違う色が指示されている可能性もありますな。
もっとも筆者にとっては、イタリア機自体の塗装に関する情報も不足しているような気がしますが。

一部の色は置き換え予定。
今回は上面がグリーンの単色になるパターンを選ぶ予定だ。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から作業を開始する。

なんか元がものすごく古そうなキットだけど、大丈夫かな。
部品の合いとか。

パーツ自体は少ないので、部品の精度次第ですな。
筆者はここの開設以前にドイツレベル箱版を組んでいるようですが、概ね合いは悪くなさそうだったとか。

でも結局それは完成していないんでしょ。

途中で飽きてしまったらしく……。

裏でそちらもサルベージしているのはナイショだ。
ともかく、He162の目処が立つまでこちらをしばらくメインに紹介していく予定だ。

続きは次回!