アミュージングホビーより発売されていますティーガー(P)ことVK4501(P)、試作型のポルシェティーガーを作っていきましょう。
前回は本体の塗装をしたり、やり残していた履帯やレジン製フィギュアの組み立てを行った。
今回はその博士のフィギュアを塗ったり、本体にウェザリングを施し完成に持ち込む。
よしよし、完成しそうだね。
前回のヤークトティーガーといい、履帯のパーツが多いキットが続きましたな。
筆者の気力でそういうのが連続しても押し切れている。
「作って完成させたい気力>難しくて削られる気力」
みたいな。
それでは筆者の気が変わらないうちに、完成を目指して作戦を再開しよう。
レジン製フィギュアの塗装
ポルシェ博士らしきレジン製フィギュアを塗っていきます。
まずは顔から。
タミヤエナメル各種を使っていきます。
フラットホワイトで白目を入れて、今回はフラットブラウンで瞳や髪を塗っている。
多少色は違うものの、過去記事と同じような流れだ。
続いて顔部分。
ここはベースカラーにタミヤエナメルのフラットフレッシュとピンク。
この2種を混ぜたものに、先ほどのフラットブラウンやフラットホワイトを足して明暗を出します。
凹んだ部分を暗い色で先に塗っていき、上から明るい色をおいて馴染ませる感じですな。
なんかリアルな人間……というよりアニメ調の顔つきというか。
筆者は普段の兵士たちはジト目気味に仕上げている。
ただ今回は
「自信作と共に写る博士」
ということで、ややドヤ顔気味にしているとのこと。
その後は服の塗装。
先に白いシャツ部分を水性ホビーカラーのつや消しホワイトで塗装。
それ以外は
- 帽子&ズボン→水性ホビーカラーのタイヤブラック
- コート→タミヤアクリルのカーキ
- 靴→タミヤアクリルのフラットブラック
と塗っていきます。
ボックスアートを参考にして塗ってみたみたいだけど、ちょっと色味が難しいね。
特にコートというか。
カーキともオリーブグリーンとも捉えられる、なんともいえない色だ。
これは次の工程で調整する。
続いてウェザリング。
- コート部分→タミヤエナメルのオリーブグリーン
- それ以外→タミヤエナメルのフラットブラック
でスミ入れ。
その後全体にタミヤエナメルのバフでドライブラシを施しています。
ここでコートの色を調整。
グリーン系の色を陰色にし、緑色感を足している。
拭き取りの際も綺麗に拭き取るのではなく、溶剤を含ませた筆で軽く馴染ませる感じに。
博士はこれでつや消しクリアー待ちとなる。
本体の部分塗装
戦車本体に戻ります。
細かい装備を塗り分けていきましょう。
基本的に
- 木目部分→タミヤアクリルのバフ
- 金属部分→水性ホビーカラーのメタルブラック
ですな。
ジャッキ台周りが少しはみだし気味というか。
今回はウェザリング控えめ予定だっけ。
大丈夫かな?
スミ入れ兼ウォッシング
ここからウェザリングフェーズ。
まずはスミ入れ兼ウォッシング。
いつもなら埃や錆びをイメージして、茶色やライトブラウンの塗料を使いますが……
今回は自作のオイルカラーを使って全体をウォッシングしていきます。
過去記事でも紹介している通り、タミヤエナメルの
「フラットブラック+クリヤーオレンジ」
の混ぜ物ですな。
「工場の格納庫に佇む試作車輌」
をイメージして、今回は砂や泥系の汚れは施さず。
筆者は機械油っぽい汚れをイメージしているとか。
その他前面の視察バイザーなど、凹んだ箇所は黒でスミ入れしている。
ドライブラシ
続いてドライブラシ。
タミヤエナメルのニュートラルグレイを使用しています。
車体のジャーマングレイに対して、一段明るい色を使う感じだね。
ドライブラシについては過去記事も参考にしてね。
その他のウェザリング
その他は適当に
- タミヤエナメルのガンメタルで、エッジ部分の擦れた感じを表現
- ウェザリングカラーのステインブラウンで、工具の木目を再現
- ウェザリングライナー錆色セットのスートブラックで、オイルだれのようなものを表現
- タミヤエナメルのクロームシルバーで機動輪などの擦れた部分を表現
といった感じに。
ガンメタル部分は少しわかりにくいですな……。
エッジを擦るのは鉛筆とかでもいいかも。
つやを消せ!
最後につや消しクリアーを全体に吹きつけ、最終組み立て。
可動履帯のピンが折れて危ういところでしたが、機動輪状で留めることによりなんとか形に。
歯があるからいい感じに固定できるんだ。
以下、完成品のギャラリーとなる。
アミュージングホビー ティーガー(P) 完成!
……よく見たら予備履帯のセンターガイドにヒケがありますな。
ここだけでも埋めておいたほうがよかったかもしれません。
筆者もたった今気がついたみたいだね。
おまけのポルシェ博士らしきレジン製フィギュア。
コートの色味に迷いましたな。
ボックスアートに合わせたけど、コートが黄色系なのか緑系なのか絶妙だ。
正式採用されたヘンシェル案のティーガーIとの比較。
ひっくり返してみるとサスペンションの形で違いは一目瞭然ですな。
ポルシェ系列で特徴的な縦置きトーションバーと、III号戦車とかでも使われていた通常のトーションバー。
この辺りで明暗が分かれたというか。
ポルシェティーガーは不採用になったものの、後に見切り発車で100輌分ほど準備されてしまったことが発覚。
砲塔は正式採用されたティーガーIに流用。
余った車体は大半が重駆逐戦車フェルディナントへと改造されます。
他にも少数が戦車型として、更に少数が回収戦車などになっていますな。
後のエレファントだね。
フェルディナントという名前はポルシェ博士のファーストネームが由来だっけ。
71口径8.8cm砲と最大200mm厚の装甲を備え、ティーガーIを上回る攻撃力と防御力を持っていた。
1943年夏のツィタデレ作戦でソ連軍相手に猛威を振るうことになる。
後のティーガーIIやヤークトティーガーでもポルシェ社とヘンシェル社は激突。
基本的にヘンシェル案が正式採用されますが……
政治力で有利なこともあってか、随所にポルシェ要素が混ざったヘンシェル型の車輌が誕生することに。
模型として見る分には種類が多いほうが楽しいんだけど、生産・整備のことを考えると片方に統一したほうが効率的という。
作ってみた乾燥のコーナー
筆者の在庫からまたひとつ大物が完成。
筆者の感想としては……
- 今までほとんど選択肢がなかった試作型のポルシェティーガーのキットという高い希少価値
- 最低限のエッチングパーツや可動履帯が含まれるなど、値段の割には豪華な内容。ベルト式履帯も別に入っており初心者も安心
- 左フェンダー後部に不要な凹みがついていた。滑り止め表現のされた箇所だったので、綺麗に埋めにくい
- 2018年発売の比較的新しいキットであるが、ややバリやヒケなどが多め。丁寧な処理を求められる
といったところ。
可動履帯を除けばパーツ数もそこまで多くない。
サスペンションを接着固定してしまったり、ベルト式履帯を使えば更に難易度は下がりそうだ。
車載装備は既存キットの流用品なので、このキットに合わせる際は注意が必要ですな。
筆者はジャッキ固定具の位置に少し迷ったようで。
キットには配置図が記載されていましたので、それを参考にしています。
このキット以前の試作型ポルシェティーガーはイタレリ製品ぐらいだっけ。
筆者の積みにもあったよね。
筆者の手持ちにあるのは2019年版ですな。
ただ初版は90年代だとか。
どういうわけか筆者は2018年暮れに発売されたアミュージングホビー製を購入した直後に、イタレリ製も購入したという。
イタレリ製も組んで違いを確認したいところだ。
先人たちの話によると、難易度がかなり高いキットのようだけど……。
アミュージングホビー製も少し気になるところはあるけど、まだ組みやすいほうかな?
まだ実際に作って比較してみないとわからないけどね。
今回はここまで。
最後話題になったイタレリ版も組んでみたいけど、次回は一度別ジャンルのキットを挟んで気分転換予定だ。
次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット