ICM社より発売されています、ドイツ軍仕様のFCM36軽戦車を作っていきましょう。
前回は塗装とマーキングを済ませた。
今回はウェザリングを行い完成に持ち込もう。
なんか苦戦しているように見えたけど、無事完成したんだ。
塗装やウェザリングに関してはほぼいつものパターンですからね。
組み立てさえ終わればそこまで難しくありません。
最終的にどうなるのか、これから紹介していこう。
ウォッシング兼スミ入れ!
ウェザリング1番手はウォッシング兼スミ入れ。
前回のKV-2に引き続き、全体に薄めたガイアノーツエナメル塗料、埃色を塗布。
その後リベット周りにタミヤエナメルのスミ入れ用ブラウンを流し込み。
乾燥後それらを溶剤で拭き取ります。
今回もバフはお休みなんだ。
ちょうど薄めたバフは在庫切れでね。
埃色もバフも見た目はほとんど変わらない色だから、あまり気にしなくて大丈夫だ。
ドライブラシでハイライトを加える
続いてドライブラシ。
車体はジャーマングレーなので、それより明るいグレーを擦り付けてハイライトを出す。
今回はタミヤエナメルのニュートラルグレイを使用した。
なんかグレーとかグレイとか表記がややこしいなぁ。
タミヤカラーは「グレイ」表記が多いですな。
ドライブラシについては過去記事参照です。
錆びと傷とオイル染み
その他エンジンデッキを中心に汚していく。
まずはオイル染み。
これは筆者特製のオイルカラーを適当に撒き散らして再現。
詳しくは過去記事参照。
錆はウェザリングカラーを幾つか使い再現。
これも過去記事参照ですな。
当該記事では工具類も錆びさせていますが、今回はマフラーとチェーンのみ錆再現しています。
傷はクレオスのウェザリングカラーのグランドブラウンを筆にとってチョコチョコと。
主にハッチ周りや装甲面の角みたいな、動いたりぶつかりそうな場所を中心に色を置いているよ。
ウェザリングライナーで雨だれ
続いて雨だれを。
今回はクレオスのウェザリングライナー、錆色セットよりスートブラックを使用。
軽く線を引いたあと、ウェザリングカラー溶剤を含ませたフィニッシュマスターで薄く伸ばしています。
久々のスートブラック。
最近は泥色セットのディープブラウンを使っていたからね。
スートブラックのほうがより雨だれっぽいかな。
ディープブラウンは流れ出た錆感もする。
足回りの泥汚れを再現する
車体上面はあらかた片付いたので足回りを汚していく。
まずは下地となる泥から。
ウェザリングカラーのグレイッシュブラウンを適当に塗りたくる。
いつもの色だ。
いつもの色ですな。
半乾きのうちに綿棒や筆で適当に擦ってぼかす。
乾燥してしまった場合はそれら道具に溶剤を含ませて擦る。
溶剤を含んでビチャビチャな状態というよりは、一度ティッシュなどで拭き取り、溶剤分が道具にわずかに含んだ状態がいいかな。
なんというか、ドライブラシのときみたいな感じですな。
わずかに含んだ溶剤で擦るのは。
本車は特徴的な足回りをしているので、それを強調する目的でさらに泥を盛る。
ウェザリングペーストのマッドブラウンを履帯や足回りの格子状の部分付近に盛る。
ちょうど
「ベルトコンベア状の履帯に運ばれてきた泥が、四角い穴の端に引っかかりながらボロボロこぼれてきた感じ」
というか。
以前作ったB1BisとかチャーチルMk.IIIみたいな感じで・・・・・・。
ただそれらは先にペーストを塗ってからカラーを塗っているんですよね。
足回りの最後は銀色の擦れ。
タミヤエナメルのクロームシルバーで起動輪や履帯の凸部分を擦ってやりましょう。
入り組んだ構造なので、どうしても余計なところに銀色が付着する。
その場合はまた泥汚れを被せて隠してしまおう。
最後の仕上げ!
そして最後の仕上げ。
タミヤアクリルのフラットクリヤーをエアブラシで吹きつけ、つやを整える。
キット表面がざらついたついでにウェザリングマスターを擦りつけてさらに色をつける。
ウェザリングマスターはA・B・Cセットを使用。
Aセットは3色すべてを使って足回りの砂埃を再現。
Bセットはススを砲口に擦りつけてアクセントに。
Cセットはアカサビを錆部分に擦りつけて変化を。
上からコートしているとは言え、ウェザリングカラーの塗布部分は定着が弱いので注意です。
あんまり強く擦ると剥がれてしまうので・・・・・・。
ウェザリングマスター部分もさらにクリアーコートして、ようやく完成だ。
以下、ギャラリーとなる。
ICM FCM36軽戦車(ドイツ軍仕様) 完成!
なんか走るピラミッド的な。
実はこのキット、筆者が失敗している箇所があったり。
なんだろう。
車体前面と後部の点検ハッチ周辺、実は目立つパーティングラインがあります。
筆者は塗装などがほとんど終了するまで気が付かなかったようなので、このように残ったような状態に。
あらら。
なんとか泥汚れで誤魔化そうとした痕跡があるね。
あまり派手に盛ると不自然になるから、完全には隠せなかったようだけど。
FCM36の同期であるルノーR35との比較。
37mm砲と7.5mm機銃といった武装を始め大まかなレイアウトは同様だが、溶接で組み立てられた装甲板の影響で印象はかなり異なる。
R35だけじゃなくて、この頃のほとんどのフランス戦車は鋳造製の丸っこい装甲が特徴だよね。
ルノーR35と同期のオチキスH35は鋳造式のAPX砲塔を装備しています。
当初の予定ではFCM36に搭載されていた溶接式のFCM砲塔を、ルノーR35やオチキスH35にも搭載して統一されるはずだったとか。
しかし主砲を長砲身のSA38に換装した際、増した反動にFCM砲塔は耐えられないとのことからこの計画は却下。
両車輌とも鋳造製のAPX砲塔を装備しつづけた。
どうも反動で溶接部分からヒビが入ることが懸念されたそうだ。
ということは計画通りだったら、カクカク砲塔を搭載した丸っこい車体の車輌が誕生していたかもしてないという・・・・・・。
作ってみた感想のコーナー
カクカクスタイルがなんともいえない戦車。
筆者の感想は・・・・・・。
「綺麗だけどちょっと手強い」
とのこと。
特徴的な砲塔の溶接跡など、モールド部分は綺麗で繊細な仕上がり。
これは筆者お気に入りポイントらしい。
キットの溶接跡がよく出来ていたので、今回は溶接跡追加作業を行いませんでしたな。
反面車体部分の部品が反っているものが多く、矯正しつつ組み立てる必要があるね。
特に車体上部側面の歪みがかなり大きかったように感じるとか。
そういえばなんかすごい歪んでいたような。
部品は少なめでよくまとまっている感じがする。
ただし構造上足回りの部品が多く、紛失しやすいから注意だ。
細かい部品の足回りと歪んだ車体外装。
この2点を乗り越えられればそこまで難しくないように思えるね。
今回作ったのはドイツ軍仕様。
同社からは他にも本来のフランス軍仕様や、ドイツ軍が改造した各種自走砲も発売されていますな。
これらは筆者の手持ちにはないけどね。
機会があったら取り上げたいところだ。
・・・・・・今回はここまでにしよう。
次回も、お楽しみに~。