アカデミーのIV号突撃砲を作っていきます。
前回は塗装とマーキングが終わった。
今回はAFVキットの醍醐味、ウェザリングだ。
いつもの作業がほとんどになりそうですな。
ただ新規の人もいるかもしれない。
改めて解説しながら作業をしていこう。
ブラウンのスミ入れ兼ウォッシングを行う
まずはエナメルのフラットブラウンを溶剤で薄めて、キット全体に塗りたくり、乾燥後に溶剤で拭き取ります。
コーティングの凹凸に流れ込んで際立たせるため、今回は伝家の宝刀、バフは使わなかった。
タミヤエナメルでドライブラシ
そのウォッシングに使わなかったバフは車体へのドライブラシに使っています。
こちらもコーティング面を強調する目的で行っている。
ついでに次の二重チッピングに備えて、装甲の角に同色を筆でちょこちょこ乗せておこう。
二重チッピング
バフ塗装部分を縁に残すように、クレオスのウェザリングカラー、グランドブラウンをちょこちょこ乗せていきます。
すると塗装が剥げたように。
ちなみにこの機銃&防盾、接着面積が狭くて強度的に不安なんだけど、クレオスのMr.セメントSPを使うと非常に強力にくっついてくれる。
筆者は以前鋳造表現に使ってタミヤセメントとの違いがわからなかったけど、今回の接着作業でこの違いが判明したようだね。
オイル染みと錆汚れ
車体後部にオイル汚れ。
タミヤエナメルのフラットブラックとクリアーオレンジの混ぜ物を撒き散らしている。
錆部分はクレオスのウェザリングカラー。
ステインブラウン、ラストオレンジの順に重ね塗りしている。
ここはなんとなく塗る感じで。
綺麗に塗る必要はないかな。
筆者の時短テクニック発動ですね。
昔は車外装備を綺麗に塗り分けていました。
が、この錆汚れを後から施して見えなくなるので、下地の金属塗装を塗らなくなったのだとか。
足回りのウェザリング
車体のウェザリングが終わったら、足回りの汚しに取り掛かります。
使ったのはウェザリングカラーのグレイッシュブラウン。
今回の車両はフランスのノルマンディーでの戦闘に参加していた模様。
泥というよりは、乾いたような砂っぽさをメインにしていく。
履帯もウェザリング。
ウェザリングカラーは定着力が低いので、綿棒やら筆やらでこすってあげると、ふわっとしたような砂埃みたいになります。
つや消しクリアーを吹きつつ最後の仕上げ
あらかたのウェザリングが終わったので、ここでつや消しクリアーを吹いて完成へと近づけます。
・・・・・・なんか足りないと思ったら、雨だれを描きわすれていましたね。
いつも通りウェザリングライナーで描き込んであげましょう。
ここが今回の失敗点。
つや消しした面に雨だれを描き込んだところ、ザラザラした面に引っかかるのか、うまくぼかすことができない。
結構目立ちますね。
つや消しでザラザラすると、逆に粉物はいい感じに定着してくれます。
タミヤのウェザリングマスターを擦りつけておきましょう。
足回りにはAセットの各サンド系色を使用。
砲口はアクセントをつけるため、Bセットのススを使う。
実際は爆発防止のため、砲口のススはこまめに拭き取られていたようだけど。
よくみたら、車体に乗せている予備履帯の形式がバラバラですね。
車体下部前面に乗せているのはセンターガイドに穴が空いていますが、それ以外のは穴なしタイプです。
きっと下部のはどこかで拾ってきたのだろう。
ライナーとマスターに関してはこちらの過去記事を参照に。
全ての工程が終了しましたら、履帯を瞬間接着剤で転輪に固定。
たるみをつけて重量感を表現します。
プライマーを塗っているとはいえ、普通のベルト式より接着しにくい。
接着剤がはみ出たらウェザリングマスターを擦り付けて誤魔化そう。
アカデミー IV号突撃砲初期型 完成!
おまたせしました、これでIV号突撃砲が完成しました。
以下、ギャラリー。
運よく筆者が以前作ったタミヤの同車が近くに保管されていました。
ので、以下は比較となります。
タミヤのキットは70年代発売。
同社が発売していた旧製品のIV号戦車H型の部品を流用している。
元のキットがモーターライズ時代の部品を使っているからか、車体がやや幅広となっている。
税抜き2500円、シュルツェン付属、少ない部品と作って楽しいキットではある。
こちらもアカデミー製品同様、目立つ位置に押し出しピン跡があるのが難点だけど。
こちらは基本色がダークイエロー1で塗っているので、ちょうど色みの違いがよくわかりますね。
生産後の感想コーナー
地味な車輌ではありますがIV号突撃砲はかっこいいですよ。
一見パーツが大量についてくるから戸惑うけど、大半が余剰品なので慌てることはない。
ただ転輪類なんかは見た目がよく似た部品が多数付いてくるから、間違えないようにする必要があるね。
あとは、押し出しピン跡が目立つ位置にくる部分が多いのが気になるところ。
車体下部側面のはコーティングするので、適当な処理でも何とかなります。
問題は車体上部につけるパーツですかね。
機銃防盾裏なんかは地味に処理しにくいですね。
他には、接続部分の強度が不安な履帯とか。
近年のAFVキットでは比較的安価(2020年9月現在4000円前後)だったり、選択肢の多いマーキングと言ったところは評価できるね。
余剰パーツが多いけど、使用パーツ自体は抑えられているのも好ポイント。
筆者はプロポーションやディティールよりは、組みやすさを重視するタイプですからね。
イタレリ製品のタミヤウォーバードコレクションで苦労した人間だ。
今回はこの辺りで止めておこう。
次の作戦に備えましょう。
この記事で作っているキット