模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はなにやら筆者の思いつきで謎実験をしていましたな。
今回は……。
通常の製作記事に戻る。
戦車と航空機がそれぞれ進んでいるけど、進みが順調な戦車から先に紹介しよう。
再び戦車。
今回は何が来るかな。
ここ最近、戦車などAFVは直近で購入したものばかりですな。
積みがなかなか減りません。
今回のお題 タミヤ 1/35 ティーガーI(後期型)
今回作るのはこちら。
タミヤMMシリーズより
ティーガーI(後期型)だ。
タミヤのティーガーIは久々ですな。
ここの開設間もない頃に初期型と極初期型を作って以来です。
後期型も確か作っていなかったっけ。
いつものオイル染み記事で。
あれは完成直前で長年放置されてきたものを再利用しただけですからね。
ほとんど出来合いのものだったという。
今回改めて、最初からこのキットを紹介することにしたんだ。
ところでこのキット、なんか箱の色が違うね。
タミヤキットはいつも白い背景なのに、グレーっぽいというか。
このキットが発売されたのは1989年12月。
タミヤMMシリーズは70年代に最初の全盛期を迎える。
しかし80年代に入ると第一次ガンプラブームが発生。
更にスーパーカーブームも始まり、それら他ジャンルの影響で戦車プラモの勢いが止まってしまうんだ。
AFV冬の時代って言われているやつだっけ。
その頃はあんまり新作も発売されなかったとか。
その時期にAFVモデラーたちがガンプラ方面に流れてきて、ウェザリング技法の伝授に一役買ったとか言っていたよね。
70年代が全盛期とは言ったものの、道中でオイルショックが発生したり。
80年代は他にも1983年にファミコンが登場しましたな。
娯楽の種類が増えて……。
ただタミヤはまだミリタリーモデルの需要があると考え、新作を発売。
それがこの
ティーガーI後期型
(商品名 ドイツ重戦車タイガーI 後期生産型)
だったんだ。
それまでのキットの大半がモーターライズ時代の流用品だったけど、これは完全に最初からディスプレイモデルとして開発された。
当時としてはディティール優先のもの。
これがきっかけでMMシリーズは再始動したような形になり、2023年11月現在も続いているんだ。
タミヤMMシリーズのなかでは一種のターニングポイント的なものだったんだね。
ティーガーI後期型とは?
この戦車は第二次世界大戦中盤から登場した、ドイツ軍の重戦車だ。
「タイガー戦車」の名前で知られているね。
戦車といえばまずその名前ですな。
元々は陣地突破用の戦車として開発されていた。
幾つか試作車輌があるけど、VK3001(H)とかが有名だね。
なんかIV号戦車を発展させたような感じというか。
そうこうしている内に独ソ戦が勃発。
そしてドイツ軍の前に、ソ連のT-34らが登場。
T-34は「走・攻・守」のあらゆる面で、当時のドイツ軍戦闘車両のどれよりも優れていた。
……というのは今まで何回も話したはず。
T-34ショックだね。
んでドイツ軍はT-34に対抗するために、新型戦車の開発を急いだり、既存の車輌の強化をする。
当時VK4501という名前で開発が進んでいたティーガーIの原型も、この流れに乗って開発が急がれることに。
T-34以前に開発が始まっていたということもあって、ティーガーIは傾斜装甲を採用していないのが特徴的ですな。
試作型のVK4501はヘンシェル社設計の(H)と、ポルシェ社設計の(P)がある。
数々の新機軸を盛り込んだポルシェ案のVK4501(P)
それに対し既存の機構で手堅くまとめたヘンシェル社のVK4501(H)
審査の結果ヘンシェル社の案が採用され、これがティーガーIとなる。
不採用となったポルシェ案はそのまま終了する……と思いきや形を変えて復活。
これに関してはフェルディナントもしくはエレファントで調べていただければ。
今回作るのはそのティーガーIシリーズの中でも後期のもの。
戦訓に基づき、ティーガーは次々と細部が改良されていくんだけど……
1944年の1月か2月頃から、転輪がそれまでのゴムリム付きからゴムを内蔵した鋼製転輪に変更された車輌が生産開始される。
一般的にこの鋼製転輪を導入したティーガーを後期型と分類するようだ。
とにかく、この鋼製転輪になったものが後期型だね。
また後にティーガーIIが生産開始すると、そちらと一部部品を共通化した車輌が登場する。
こちらは最後期型と分類される。
今回のキットでは一部部品を選択することでそちらも作ることが可能だ。
外見としても微妙に後期型と差異があるようですな。
実際は組み立ててから確かめてみましょう。
当時としては規格外の戦闘能力で連合軍を驚かせたティーガーI重戦車。
鋼製転輪を装備した後期生産型を、タミヤの製品で組んでみよう。
箱の中身を確認しよう
とりあえず箱を開ける。
中身はこんな感じ。
今となっては見慣れた感じ。
だけど、当時の出戻りモデラーたちからしたら新鮮だったのかな。
プラパーツその1。
ランナーは4枚で、これに車体下部が付属する。
成型色はダークイエロー。
プラパーツその2。
履帯パーツ。
同一のランナーが3枚付属。
これを1枚ずつ切り出し、接着して組み立てるものとなっている。
焼き止め履帯が多かった当時としてはかなり先進的だった組み立て式だね。
ただ1枚ずつは大変そうな。
初心者には難しいからか、後の同シリーズでは
- 接着・塗装が可能なベルト式
- 直線部分が一体化された組み立て式
が主流になっていきましたな。
ちなみにこの履帯は接地面に滑り止めが付いた後期タイプとなっている。
初期型のティーガーに流用すると不自然な感じになるので注意だ。
タミヤMMでは
- 初期タイプの履帯→ベルト式(極初期型・初期型)
- 後期タイプの履帯→組み立て式(中期型・後期型・シュトルムティーガー)
で住み分けていますな。
付属のデカールはこんな感じ。
第505重戦車大隊の騎士マーク以外はシンプルなものとなっている。
追加マークっていうのがあるね。
どうも騎士マークは当初砲塔左右で同じものと考えられていたみたいですな。
後に左右で鏡像になっていたことが発覚したらしく、マークが追加されたのだとか。
同じ向きだと、砲塔右に貼り付けた騎士が後ろ向きに突撃することになるからかな?
紙媒体は
- 組み立て説明書
- 塗装図兼ツィンメリットコーティング説明書
- Tech Tips!
だね。
コーティングの説明書イラストが可愛いね。
ミリタリー系イラストでおなじみ、上田信氏のイラストですな。
このキットに限らず、氏のイラストは90年代のタミヤキットの説明書にはたびたび登場します。
ツィンメリットコーティングに関して、当時は道具が少なかったので
「パテを塗りヘラで1つずつ刻む」
という手法が紹介されている。
さすがに時間がかかりすぎるので、これは別の方法で施す予定だ。
どの手法を試すのか……。
収録された塗装・マーキングは
- 007号車
- 308号車
- 1号車
- 3号車
- 312号車
の5種類。
312号車だけダークイエローとレッドブラウンのツートン。
それ以外はダークグリーンを加えた3色迷彩となっている。
古い説明書だからかな。
所属がはっきり示されていないというか。
以前オイル染み記事で完成させた312号車。
これは特徴的なマークからして、ドイツ国防軍の第505重戦車大隊のもので間違いないですな。
それと説明書にある007号車。
これは有名なSS第101重戦車大隊のミハエル・ヴィットマン最期の搭乗車ですな。
1944年の8月8日、その車輌に搭乗してフランスのノルマンディー方面でカナダ軍と交戦。
同軍所属のシャーマン・ファイアフライの攻撃を受けて戦死しています。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から作業を始めよう。
タミヤ製だし特に問題はないかな。
筆者もティーガー系列は何個も作っているようだし。
筆者の物資の中にこの別売りエンジングリルセットもありましたな。
今回はこれも投入してみる予定です。
有名車輌だけあってサポートグッズもたくさんある。
今回公式の改造パーツはとりあえずこのエンジングリルだけ足して、後は素材の味を楽しもう。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット
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