模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はタミヤのFw190A-3が完成しましたな。
今回は……。
引き続き航空機模型になる。
タミヤのものではないけどね。
最近飛行機多くない?
筆者の積みの大半は1/72の航空機模型ですな。
小粒で安価なので、積みスピードが他のジャンルより速いのですよ。
今回のお題 ドイツレベル ハインケルHe70F-2
今回作るのはこちら。
ドイツレベルより、ハインケルHe70F-2だ。
あんまり聞いたことがないような飛行機が。
元が民間用である上に、活躍の期間も短かったですからね。
ただ先進的な設計と数々の記録を持っているという。
ハインケルHe70とは?
この機体は戦間期の1930年代前半にドイツのハインケル社が開発した航空機だ。
当初はドイツの航空会社、ルフトハンザの郵便機として開発された。
郵便機……。
わざわざ手紙の輸送専用の飛行機を作るなんて。
当時の飛行機では
- 貨物輸送をするには飛行機はパワー不足
- 旅客輸送は高価
だったため、民間航空会社のメインは郵便物の輸送だったのだとか。
ただHe70は旅客輸送にも使われていますな。
現代の大型旅客機とは異なり、客室の定員はたったの4人ですが。
- 機体表面の凹凸を最小限にする皿リベット
- 当時としては先進的な引き込み脚
- 後のハインケル社製航空機でも見られるようになる楕円翼
など、極力空気抵抗を抑えた設計となっているのが特徴だ。
試作機は1932年に初飛行。
高速性能を生かして、区間距離速度で8つの世界記録を出したとのこと。
1930年代はちょうど固定脚から引き込み脚に変わる一種の過渡期ですな。
後に優れた高速性能を買われて、軍でも偵察機や爆撃機として運用される。
今回作るF-2型も、軍用偵察型の1つだ。
1936年から始まったスペイン内戦にも28機のHe70が送り込まれて、高速性能を生かした爆撃機・偵察機として活躍した。
ただどうやら材料にマグネシウム合金など燃えやすいものを使っていたらしく、銃弾1発でも簡単に発火するという問題があった。
なので前線からはすぐに引き上げられてしまったとか。
元が民間用だったから、その辺りは考慮されていなかったのかな?
活躍した期間は短かったものの、基本的な設計は先進的なもので後の飛行機に影響を与えている。
特徴的な楕円翼は同じハインケル社のHe111爆撃機やHe112戦闘機。
ほかには日本海軍の九九艦爆にも影響を与えているのだとか。
楕円翼は抵抗を抑えられる反面、曲面ゆえに製造コストが大きいという欠点がありますな。
He112が不採用になったのもそれが一因だったり。
短い期間の活躍ながら数々の記録と影響を残したハインケルHe70
ドイツレベル社から発売されている偵察機型、F-2型を作ってみよう。
箱の中身の確認
それでは箱を開けよう。
中身はこんな感じ。
そういえばドイツレベルは他社のOEM率が高かったよね。
今回はどこの金型なのかな?
箱の横には「Made in Ukraine」(ウクライナ製)と書かれていますな。
調査したところ、どうやらウクライナのICM製だそうです。
戦車模型なら今までに何回かICMや、それのパーツを使った製品を組んでいたね。
飛行機は今回が初めてっぽいけど。
部品はこんな感じ。
ランナー4枚にクリアーランナー1枚だ。
偵察機だけあって、クリアーパーツの窓は多め。
説明書を見たところ、実際はランナーがAとBの2枚のようですな。
元のICM版は箱が薄くて幅広だったようですが……
ドイツレベルの小さい箱に合わせた結果、ランナーを分割して入れることに。
というか、ランナータグにICMの刻印がモロに出ているね。
普通明言していない他社の刻印は潰していることが多いんだけど。
パーツをアップで。
全体に細かいリベットモールドが施されている。
モールドは凸モールドが多めだ。
細かいバリも多いね。
接着前に整形しておいたほうがよさそう。
調査によると、大元のキットは2000年代後半の発売だそうです。
スケールモデルとしてはそこまで古くはないはずなのですが。
ドイツレベル製品の輸入代理店であるハセガワの公式HPによると、このドイツレベル版は2016年2月発売だ。
余談だけど、ドイツレベルのHe70はマッチボックス社製金型のものも存在するらしい。
付属のデカール。
鉤十字は別個に用意してください。
下のほうには2015の文字が。
ハセガワのHPでは2016年だったみたいだけど……。
輸送の関係で海外と国内の発売時期に差が出た、と考えるのが自然ですな。
紙媒体は説明書と謎注意書き。
それだけだ。
小粒っぽいキットだけど、表記はレベル4。
少し難易度は高そうだね。
同じドイツレベル製のHe177A-5に比べれば簡単そうですけどね。
あちらは確かレベル5でしたな。
収録された塗装図は1種類のみ。
ドイツ空軍所属機で、1941年にバート・ツヴィッシェンアーンにいたものだとか。
RLM65の下面色にRLM71と70のスプリッター迷彩という、同軍の爆撃機とかでお馴染みの塗り分けだ。
聞いたことない地名が。
バート・ツヴィッシェンアーンとはニーダーザクセン州にある街だそうです。
ドイツの北西部にあるようですな。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から組み立て開始となる。
少しバリとかが気になるかな。
戦車の場合と違って、誤魔化しがききにくいし。
接着面にあるものは放置すると凸凹になって支障が出ますからね。
うまく処理したいところです。
詳しくは実際に組んでから確かめることになるだろう。
続きは次回!
この記事で紹介しているキット