ブロンコモデルより、ハンガリーの41MトゥラーンII重戦車を作っていきましょう。
前回は塗装とマーキングを済ませた。
今回はウェザリングをして完成させよう。
終わりが見えてきたかな。
そのようですな。
完成まであと一息。
それでは作業を再開しよう。
スミ入れとウォッシング
手始めにスミ入れ兼ウォッシング。
リベット部分などに薄めたタミヤエナメルのフラットブラウンを。
それ以外の面には同じく薄めたガイアエナメルの埃色を塗り、乾燥後にふき取ります。
ブラウンはスミ入れ用のを使ったら?
現在筆者は手持ちの在庫を切らしておりまして……
今回は錆だれ表現を省略しますが、このリベット周りのブラウンを垂直方向に伸ばすことで錆だれの代わりにします。
ドライブラシ!
続けてドライブラシ。
今回はグリーン系の車輌なので、タミヤエナメルの明灰緑色を使用します。
リベット接合車なので、リベット部分を中心に施すと立体感が増しますな。
ドライブラシについては過去記事。
この作業に限らず、今回は筆の扱いに注意しよう。
細かい部品やエッチングパーツが多いからね。
力を入れすぎると作業中に部品が破損する。
車体上部のウェザリング
車体上部はオイルを撒いてみたり、排気管を錆びさせてみたりと。
ヒンジ部分を中心にチッピングによる傷も描きこんでいますな。
いつものメンツの他に、なんか見慣れない塗料が紛れ込んでいるね。
いつもどおりなら排気管にはウェザリングカラーをそのまま塗るんだけど……
薄く塗ると地のグリーンが目立つのでね。
試しにタミヤエナメルのハルレッドを下に塗って補助してみたんだ。
錆びに関する過去記事は以下から。
今回は排気管と予備履帯のみ錆びさせています。
足周りのウェザリング
足周りも過去記事どおりですな。
ウェザリングカラーとウェザリングマスターによる泥や砂埃。
クロームシルバーによる擦れ表現です。
今回はプラ製の可動履帯。
破損を懸念していつもより溶剤成分は少なめに作業をしている。
最後につや消しクリアーを吹きつけ、ウェザリング資材を定着させます。
その後は履帯やシュルツェンをセットして、最終組み立てとしましょう。
詳しいことは後述するけど、履帯は指定枚数より多めに繋いだほうがよさそうだ。
指定の101枚だとギリギリで、筆者は取り付けにかなり手こずった。
……長かったけどこれで完成だね。
以下がギャラリーになるよ。
ブロンコ 41MトゥラーンII重戦車 完成!
大変だったけど、いざ完成してみるとかなりかっこいいね。
特にパンチングボードのシュルツェンがいい感じ。
ドイツ軍の同盟として、対ソ連戦に参加したハンガリー軍。
元々シュルツェンはドイツ軍がソ連軍の対戦車ライフルに対抗したものだったので、ハンガリー軍もそれに倣った可能性が高いですな。
同じシュコダ社が開発したLTvz.35こと35(t)軽戦車と。
トゥラーンの前身のT-21が35(t)の拡大発展型ということもあって、よく似た見た目をしていますな。
35(t)同様の古風な足周りのトゥラーン。
しかし路上最高速度は47km/h。
当時の戦車としては速い部類だ。
同じくハンガリー軍の戦車であるトルディIIaと。
さすがにこれと比べたらトゥラーンのほうが大柄ですな。
トルディはスウェーデンのランズベルクL-60軽戦車のライセンス生産品。
トゥラーンはチェコスロヴァキアのT-21中戦車のライセンス生産品だったね。
作ってみた感想のコーナー
とにかく組み立てに時間がかかったんだけど……。
筆者の感想としては……
- 2023年10月現在唯一のトゥラーンIIキット。
- 足周りは可動式で、自然な接地が可能
- エッチングパーツが多いものの、極一部を除き取り付け位置がはっきりしているので迷うことは少ない。
- 足周りをはじめ非常に部品が多い。金属部品も多く初心者には少し荷が重いかもしれない
- 原型は2010年代に発売された比較的近年のキットだが、細かいバリが多め。接着箇所に生じているものも多いので処理が必要
……といった感じ。
ここまでの記事を見ての通り、とにかく部品が多い。
ただまったく部品が合わないとか、そういうわけではないね。
筆者としては特にエッチングパーツの接着位置がはっきりしているのが嬉しく感じたようだ。
シュルツェンのコの字フックは取り付け位置が微妙に凹んでいました。
位置ははっきり示されていたので、後は網目部分が埋まらないように接着剤の量に注意すればなんとかなりますな。
さっきも少し触れたけど、最後に気になった点は履帯かな。
指定の101枚だとギリギリで、履帯を引っ張って両端を合わせることになる。
これだと
- 繋いだ可動式履帯を引っ張る
- どこかで千切れる
- 千切れた箇所を繋ぎ直し、再び引っ張って両端を合わせようとする
- どこかで千切れる
- 繰り返していくうちに接続軸が磨耗して余計に外れやすくなる
みたいなループになる。
せっかくの履帯の弛みもあまりつけられないし、指定より1、2枚増やしてもいいかもしれない。
磨耗した可動履帯は薄く瞬間接着剤を塗って、渋みをつけてから再びはめ込んでいますな。
接着固定も考えましたが、ここまできて固定するのはあれだったので。
このキットの難易度を上げているのは大体可動式の足周りとエッチングのシュルツェンな気がするんだよね。
接着固定したり、シュルツェンなしの車輌を選ぶと多少難易度が下がるかも。
難易度は高いキットだけど、今回長々とキット内容について追ってみた。
これから作る人の参考になれば幸いだ。
筆者の積みにはトゥラーンの派生種であるズリーニィのキットが控えていますな。
今回トゥラーンを作って流れをつかんだので、少し希望が見えてきました。
今回はここまで。
ズリーニィも気になるけど、難易度の高いキットを連続するのはアレなので……。
次回は箸休めに簡単そうなものを作ってみる予定だ。
次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット