タミヤの新作、KV-2重戦車を作っていきましょう。
そうしたいところなんだけど・・・・・・
なんか筆者が
「この機会に組み立て式履帯について記事をまとめたい」
らしいんでね。
それを今回は取り上げていこう。
久々の製作技法系かな?
技法とは言っているけど、実際そこまで大げさなものじゃないんだけどね。
というか実のところ筆者が
「同じことを毎回説明するのが面倒」
という理由でそういう記事を作るのがほとんどだ。
私も戦車のウェザリングで何度
「詳しくは過去記事参照だよ」
と言ったか・・・・・・。
とりあえず今回の作業を始めましょう。
改めて今回のキットの確認
今までの製作記事を見ずにいきなりここに飛んできた人もいるかも知れないので、改めて使用するキットを紹介しよう。
今回履帯の組み立てに使うのはこのタミヤMMシリーズより
KV-2重戦車だ。
2022年3月現在、タミヤMMの最新作だね。
これまでの作業で、既に砲塔や足回りが組み立て終わっている。
この段階で今回は履帯を組み立て取り付けていくことになる。
今までのことに関しては下記参照だよ。
パーツの確認
そしてこのキットに入っている履帯がこちら。
俗に「部分組み立て式履帯」とも呼ばれることがある。
完全に履板が1枚ずつ独立しているのではなく、直線部分がある程度つながった状態で成型されている。
完全に1枚ずつ成型されたものと比べて組み立てが楽なのが長所だ。
近年のタミヤMMシリーズでは頻繁に見るタイプですな。
過去筆者が作ったものとしては38(t)軽戦車とか、マルダーI対戦車自走砲など・・・・・・。
説明書ではこんな感じに組むよう指示が出ている。
地味に履帯の向きがあるほか、起動輪と誘導輪の折り返し部分が左右でパーツ枚数が異なるので注意だ。
画像でメインに写っているのは車体左側の履帯。
起動輪部分はD4パーツが7枚に誘導輪部分が5枚。
一方車体右側では両方ともD4パーツを6枚使用するようになっています。
とりあえずパーツを切り出して片側分を用意。
ここで使うのは4種類。
D2、D9番パーツが1枚ずつ。
D5番パーツが2枚ずつ。
後はD4番パーツが16枚となっている。
指示通りですとD4番パーツは片側14枚使用です。
なので両側合わせて4枚は余ります。
紛失に備えた予備パーツとして活用したり、予備履帯として戦車に乗せたり・・・・・・。
使用する接着剤
続いて使用する接着剤を紹介。
今回主に使うのはこちら。
- タミヤリモネンセメント
- タミヤセメント(速乾流し込みセメント)
とりあえず筆者の手元にあったものを使う。
ここでは一例として出していますが、とりあえずプラを溶かして接着する「プラモデル用接着剤」なら何でも大丈夫ですな。
筆者が以前他に使用していたものでは
- タミヤセメント
- クレオスMr.セメントSP
なんかもありますね。
通常のセメント(トロトロタイプ)と流し込み式(サラサラタイプ)では付属のハケの毛先が異なる。
筆者としては毛先が細いほうが作業しやすいように感じるから、トロトロタイプを使う際でもキャップ部分を一時的に挿げ替えて使うことが多いかな。
実際に接着をしてみよう
それでは実際に作業をしてみよう。
まずはトロトロタイプの接着剤を使った場合。
こちらの場合先に履帯の受け部分に接着剤を乗せて、その後合わせる部品を乗せて接着する。
こちらはプラが溶けるまで時間がかかるので、多少ゆっくり進めても大丈夫ですな。
初心者の場合はこっちのほうがいいかな?
どうしても慎重になりがちだし。
筆者が始めて組み立て式履帯を組んだ時はこのトロトロタイプを使っていた。
確かタミヤのティーガーI後期型だったような。
流し込み式を使う場合はこちら。
先に部品を組んでから、隙間に接着剤を含ませたハケを当てる。
毛細血管現象によって部品の合わせ目にサラサラな接着剤が流れ込み、溶着してくれる。
こちらは忙しい人向けですな。
ただ速乾式の接着剤を使用しているので、早く進めないと作業中に完全固着してしまうことに・・・・・・。
ちなみに流し込み式だけど速乾じゃないものもある。
こちらのほうが多少余裕を持って作業が出来るかもね。
先にパーツを全て並べてから一気に接着剤を流し込むという手もあるね。
速乾式の場合そっちのほうがやりやすいかも。
接着と配置を繰り返してこんな感じに。
1本の束が出来上がる。
何度も言っているけど向きだけには気をつけてね。
ここを間違えると台無しに・・・・・・。
そういえば筆者の積み山には履帯の向きを間違えて組んだI号戦車のキットが放置されていたような・・・・・・。
流しこみ速乾を使った場合は完全固着までの時間が短いので、すぐに巻きつけ作業を開始する。
一方通常のトロトロタイプのセメントを使った場合は急いで作業をすると固着していない部品が作業中に外れてしまう。
なので少し待ち。
どのくらい待てばいいんだろう?
道中の作業時間によっても異なりますが・・・・・・
筆者の場合は10分以上1時間以内の場合が多い気がします。
キットでは起動輪周辺のD4番パーツ達から組むよう指示が出ている。
筆者も今回起動輪周辺の部品が束の両端に来るようにして組み立てた。
これは歯がある起動輪部分は履帯を引っ掛けることができて、位置決めがしやすいため。
今回は画像の赤線部分で分けて両端化していますな。
接着した履帯を足回りに巻きつける
それではいよいよ履帯を巻きつけていこう。
一番最初はとにかく位置決めしやすい部分から。
端の部分を起動輪の歯に引っ掛け、上部履帯であるD9番パーツを上部転輪に合わせる。
起動輪の歯と、D9番パーツの弛み部分で位置決めをする感じだね。
端部分は起動輪に合わせて軽く曲げます。
完全固着しないうちに取り付けるのは、この曲げ作業が必要だからですね。
上部を合わせたら誘導輪の部分で曲げて折り返し。
ここは慌てて曲げると接着した履帯が折れて取れやすいのでゆっくりと・・・・・・。
誘導輪部分は歯がないので引っ掛けて固定が出来ませんからね。
仮に千切れた場合、筆者は流し込み速乾など乾燥時間の早いもので再接着します。
どうしてもうまくいかない場合は誘導輪ごと瞬間接着剤で・・・・・・。
折り返して下部に巻きつけた履帯の端を起動輪上で合わせる。
ここは乾燥待ちとかの必要がないので速乾を流し込んで溶着する。
瞬間接着剤でもアリだ。
これでとりあえず巻き終わりかな?
全体像はこんな感じ。
とりあえず巻き終わったけど、履帯が完全固着しないうちに形を整えていこう。
不自然な形にならないように・・・・・・。
例えばこんな感じに上部転輪と履帯を接着してやったり。
履帯が上部転輪と離れて空中に浮いていると不自然なので、こうやって接着固定してしまう。
どうしても乾燥までに上部転輪と履帯が離れてしまうね。
ここは乾燥までクリップで固定しつつ・・・・・・。
キットによっては履帯の上部に車体やフェンダーが来る。
そういう場合はティッシュなどを詰めて押さえつけるのも有効。
画像は以前接着組み立て式履帯を使ったタミヤのティーガーIIだ。
タミヤのティーガーIIはベルト式履帯が付属しますが、別売りのディティールアップパーツとして組み立て接着式の履帯セットが発売されていますな。
厳密にいうと過去に筆者が使ったのは履帯セットではなく、予備履帯の余剰を寄せ集めたものでしたが。
番外編 必殺のロコ組み!
ちなみにこの時
「サスペンションと車輪を接着せず、車輪と履帯だけ接着」
するとこんな感じに、足回りをユニット化して着脱可能な構造となる。
いわゆる「ロコ組み」というやつですな。
ロコというメーカーの戦車模型の足回りがこのような構造をしていたことから、俗にそう呼ばれるそうです。
この構造にすることで後々足回りの奥まった部分も塗装がしやすくなるという利点がある。
ただしKV-2の場合起動輪の近くにスクレーパー(泥かき)が付く。
この部品が起動輪に引っかかって着脱が出来ないので、ロコ組みをする場合はスクレーパーを接着しないで作業をする必要がある。
なんかキットによってやりやすい、やりにくいとかあるのかな?
筆者の感覚としては・・・・・・
- ベルト式履帯は弾力があってやりづらい。組み立て接着式のほうがやりやすい。
- 履帯と転輪の接地面積が広いほどやりやすい。
- シュルツェンやフェンダーなど、転輪のすぐ横を塞ぐように部品がセットされている車輌はやりづらい。
といったところのようです。
上の画像はやりやすい系の代表選手であるタミヤのルノーR35ですな。
今回のKV-2のように、着脱を妨げるものを接着せずに進めればそういうタイプでも可能だ。
ただしあまりにも部品が多くなると別の手間が増えるね。
画像はタミヤのヘッツァー。
こちらは着脱を妨げるシュルツェン(片側3枚)を接着せずに進めている。
他にもベルト式はやりづらいといったものの、上下から転輪を挟み込むようなスタイルの車輌は例外的にやりやすいですな。
画像はタミヤのティーガーI初期型です。
まとめ
接着連組み立て式履帯の話がメインなので、ロコ組みやベルト式履帯の話は一旦終了。
話を戻してまとめに入ろう。
接着組み立て式の大まかな組み立て方は
- 部品を切り出す
- 向きに注意しつつ、部品をプラ用接着剤で接着しつつ並べる
- もしくは部品を並べてから流し込み式接着剤を流し込む
- 接着剤が完全乾燥しないうちに足回りに巻きつける
といった流れかな。
通常のプラセメントと流し込み式の他、乾燥タイプも通常型と速乾型がありますな。それぞれ・・・・・・。
- 通常型は乾燥時間がゆっくりなので、1枚づつ接着する&受け皿状の接続部分がある履帯で作業しやすい
- 反面取り付けタイミングが多少難しく感じる。実は乾燥時間が足りず、作業中外れてしまったり。
- 筆者の場合外れた箇所は乾燥時間の短い速乾型や瞬間接着剤で間に合わせながら再度接着。
- 速乾型はすぐ乾燥するので、直線部分が一体成型された比較的接着箇所が少ない履帯におススメ。または受け皿状の部分がない履帯。
- 乾燥時間が早すぎるので先に完全固着してしまうことも。特に折り返し部分でうまく曲がってくれなかったり。
- これに関しては固着部分に接着剤を流し込んで浸透させてからゆっくり曲げ直す。
といったところでしょうか。
今回は乾燥時間の違いで2種類の接着剤を使って紹介した。
筆者の場合さっさと作業を済ませたいのと、部分接着組み立て式のキットに当たることが多いから圧倒的に速乾流し込み式を使うパターンが多いかな。
筆者の場合
- 1枚ずつ接着していく
- 接着面が受け皿状になっている
この2つの条件がそろった時のみトロトロタイプを使うことが多いですな。
例としてはタミヤのティーガーIの中期型・後期型などなど。
最近の筆者はスピード重視だからね。
・・・・・・といったところで今回は終了としよう。
次回はKV-2の続きとなる予定だ。
次回も、お楽しみに~。
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