マッチボックスのハインケルHe170Aを作っていきましょう。
前回は主脚や風防を取り付け、全体の組み立てを完了した。
今回は塗装とマーキングを行おう。
やっとこさ塗装作業に。
なんかあまり見慣れない塗り分けっぽいけど。
古い製品ですと塗料名の指示も現在とは違ったりしますからね。
一部使用塗料を変更しながら進むことになるだろう。
それでは作業を再開する。
塗装図の確認
本キットに収録されている塗装は3種類。
- F-2型(スペイン内戦・コンドル軍団所属機)
- G-1型(ルフトハンザ所属機)
- He170A(ハンガリー空軍所属機)
ですな。
形式が異なり、すでに部品選択済みなので変更はしません。
He170Aで進めていきましょう。
パッケージ裏の塗装図では、機体の左側面だけが描かれているね。
反対に説明書の塗装図では左側面以外の図が掲載。
ちょうど補い合う感じ。
説明書のものは小さく不鮮明な上に白黒でややわかりにくい。
塗装の際はカラー化された左側面から塗っていくと間違えにくいだろう。
下地の塗装
手始めに下地作り。
- 風防周り→Mr.カラーのRLM02グレー
- 全体の下塗り→Mr.サーフェイサー1000
- 主脚カバーなどの塗装→Mr.カラーのRLM02グレー
ですな。
ちなみに塗り分けのため、機首は瞬間接着剤の点付けで仮留めしておきます。
……なんかサーフェイサーが少し茶色っぽくない?
こんな色だっけ。
どうも
- 筆者が不良在庫化していた、古い水性ホビーカラーのRLM02グレーを見つける
- 古くなっていたから、変色して本来の色ではなくなっていた
- 捨てるのもアレなので、サーフェイサーに混ぜて再利用した
というらしく。
またなんか変なことを……。
下面の塗装
その後は主脚周りをマスキングしつつ、下面の塗装。
使用したのは水性ホビーカラーのRLM65ライトブルーですな。
前回のドイツレベル版と同じだね。
水性ホビーカラーで基本塗装を試すという。
その一環で古い水性のRLM02グレーを引っ張り出そうとして、先ほどのサフ水増し要員になったわけです。
上面の塗装
続いて上面の塗装。
主翼・尾翼の付け根や機首下部の出っ張り部分は上面色が吹き込みやすい。
まずはそこをマスキングしてから塗ろう。
意外なところから吹き込みますからね。
上面の色はまずグレー。
先ほども使ったRLM02グレーを塗ってしまいます。
この色、今回だけで3回も出てきているよね。
- 風防の下塗り
- 主脚周り
- 上面色
……と。
一回に絞ったほうが効率的ですが、
- 風防はクリアーパーツで反対側から見えるので、最初に目的の色を塗りたい
- サフを吹いて塗料の食いつきをよくしたいので、2回目はサフの後に
- マスキングの手間とかを考えて、間にRLM65を塗ってから3回目上面色を
といった風に。
今回の上面迷彩、塗装図では
「グレー・ダークグリーン・ブラックグリーン・サンドイエロー」
と指示されている。
ただ筆者は
「1930年代後半のドイツ機は『グレー・グリーン・ブラウン』の3色では?」
と判断し、それとサンドイエローを加えた塗装にすることになった。
過去に作った機体ではJu86がその3色塗装ですな。
時期的にはスペイン内戦のコンドル軍団の機体でよく見られたようです。
近年では
「グレーはRLM02ではなくRLM63という別の色」
という説もあるみたいだけど、今回はRLM02で塗ってしまう。
続いて2色目のグリーン。
前述どおり、以前のJu86に倣った色を使います。
Mr.カラーの濃松葉色ですな。
この色自体は航空自衛隊の機体向けの色らしい。
RLM62という名前のグリーンの近似色として今回使っている。
この辺りは筆者が昔購入した、ハセガワのコンドル軍団所属機の塗装図に従っているってやつだよね。
んでそのコンドル軍団の機体達は……。
現在に至るまで放置されていますな。
続いて3色目。
これも以前のJu86同様、Mr.カラーのマホガニーで塗っています。
説明書の指示ではブラックグリーンですけどね。
プロペラスピナーもこの色を使っているよ。
ドイツ空軍の塗料名では、RLM61って色が正しいみたいだけどね。
どういうわけか、He170Aではもう一色サンドイエローが追加されている。
説明書ではRLM7サンドイエローの塗装指示。
代わりになる色が手持ちに見当たらないので、今回はそれに従いMr.カラーのRLM79サンドイエローを使っている。
これだけ本来のドイツ機迷彩とは違ったパターンというか。
少し調べてみましたが、どうも個体差があるようで、この色を塗っていないHe170Aもあるようですな。
あれこれ考えていると作業が止まってしまう。
今回はこれで進もう。
ちなみに他の小物の色は
- プロペラ→Mr.カラーのRLM70ブラック
- タイヤ→タミヤアクリルのセミグロスブラック
とした。
下面のマスキングをはがし、全体を確認するとこんな感じに。
スプリッター迷彩と違って、テープをペタペタする必要はないから時間はかからなかったね。
塗料の切り替えは頻繁に行ったけど。
デカールの貼り付け
続いてデカール。
キット付属のものはこんな感じです。
大判デカールがたくさん。
随分古そうだけど、崩れたりしないかな?
結論だけいうと崩れたりはしませんでした。
ただノリだか台紙だかが劣化していたので
- 水で劣化したノリなどを洗い流す
- 代わりにタミヤのデカールのりを塗る
などしてから貼り付けていますな。
そういえば、この右側面のマークは窓部分に貼り付けるようだね。
窓と重なるように貼り付けるみたいだけど。
そのことについてだけど……
どうもこの機体、塗装図を見た感じ胴体側面の窓は機体色に塗りつぶされているみたいでね。
筆者はきっちりマスキングしているね。
どうも勘違いしていて、この段階になって気がついたようだ。
なのでここでマスキングを剥がし、急遽塗り分けている。
今回の戦果
そんなこんなで窓を塗りつぶし、マーキングが完了したのがこれです。
三角形の大判国籍マークがいいね。
調べたところ、ハンガリー軍の国籍マークは時期によって頻繁に変わっているようですな。
このマークは1938~1941年ごろに使われたようです。
次のマークは黒い四角に白い十字を描いたものとなっている。
1940年11月にハンガリーが日独伊三国同盟に参加したから、おそらくその影響だろう。
……窓騒ぎがひと段落したので、今回はここまで。
次回はウェザリングなどをして完成に持ち込もう。
続きは次回!