我らが戦友!プラモデルにおける伸ばしランナー活用法

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筆者の製作技法
レーナ
レーナ

模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

アドルフ
アドルフ

前回はHGUCのジム寒冷地仕様が完成しましたな。

今回は……。

ヴァルダ
ヴァルダ

最近筆者が伸ばしランナーをあちこちに使うようになった。

なのでここで一度それについて語っておきたい。

レーナ
レーナ

ようやく出てきたね。伸ばしランナー。

アドルフ
アドルフ

筆者が紹介したかったようですが、なかなかタイミングが合わず。

ようやくそのときが来たようですな。

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伸ばしランナーって何ぞい?

ヴァルダ
ヴァルダ

「そもそも伸ばしランナーってなんZOY?」

と思う人がいるかもしれないので、まずはそこから。

名前の通り、プラモデルの枠「ランナー」を熱して細長く伸ばしたものだ。

レーナ
レーナ

これについて一番馴染みのあるジャンルはおそらくAFVだよね。

タミヤMMシリーズの説明書に、伸ばしランナーを利用したアンテナの作成方法が頻繁に記載されているから……。

アドルフ
アドルフ

画像はタミヤのIII号戦車L型の説明書に記載されたもの。

これでアンテナを作るよう指示が出ていますな。

ヴァルダ
ヴァルダ

作成方法はいたってシンプル。

  1. プラ製のランナーを切り出し、持ちやすい状態にする。できれば細長いものがいい。(画像左)
  2. 火などを使い、ランナーを暖める。すると熱が加えられたランナーは柔らかくなり変形する(画像中央)
  3. 柔らかくなったランナーを引っ張ると細長く伸びる。直接手で引っ張ろうとすると火傷の原因になるので、筆者はピンセットなどでつまんで引っ張っている(画像右)

といった感じ。

引っ張り方によって糸みたいに細長くなったり、プラ棒よりちょっと細い程度のものになったりする。

アドルフ
アドルフ

筆者は片側を伸ばす方式ですが……

人によっては長いランナーの真ん中を熱し、両端を持って伸ばす人もいるようですな。

筆者は1本のランナーから何本も伸ばしランナーを採るので、片側を伸ばす方式を採用していますが。

レーナ
レーナ

……実際にやっているところを動画にしたら?

ヴァルダ
ヴァルダ

筆者はいつもキッチンのコンロを使っているけど、そのコンロがかなり汚れていて撮影に耐えうるものではない。

自室でローソクとかを使ってというのも思い浮かんだけど、塗料とか可燃物が多いからね。

アドルフ
アドルフ

火を使うときは火傷はもちろん、家事に注意です。

特にプラモデルは塗料やスプレー缶、接着剤などの可燃性の有機溶剤を使用することが多いので……。

レーナ
レーナ

「これから毎日家を焼こうぜ?」はフィクションの中だけだゾ☆

ヴァルダ
ヴァルダ

伸ばしランナーも太さによって作業に向き不向きがある。

その都度作成していては非効率的なので、筆者は一度にある程度の本数をまとめて作りストックしている。

アドルフ
アドルフ

どちらかといえば、筆者は糸みたいに細いのはあまり使用しませんな。

接着剤をつけた瞬間に完全に溶けてしまうことが多いので。

活用法その1 アンテナを作る

ヴァルダ
ヴァルダ

それでは活用事例を順番に見ていこう。

まずはアンテナ。

タミヤMMシリーズの説明書にあるとおりの活用法だ。

真っ直ぐ伸ばしたものを所定の長さに切り出す。

画像は先ほどの説明書と同じ、タミヤのIII号戦車L型で使用したもの。

レーナ
レーナ

真鍮線とかと違って、微妙に太さが両端で異なるんだよね。

本当に微妙に異なるだけだけど。

アドルフ
アドルフ

戦車でもガンプラでもそうですが、プラパーツで再現されたアンテナはどうしてもゲートやパーティングラインが発生します。

それらの処理をする手間がなくなるのも、伸ばしランナーによるアンテナの利点ですな。

レーナ
レーナ

処理の手間もだけど、処理中に破損したりするからね。

伸ばしランナーは弾力があるから、ちょっと曲げただけじゃ簡単には折れないという。

その2 溶接跡を再現する

ヴァルダ
ヴァルダ

続いては溶接跡。

これは過去記事で散々語った部分だ。

戦車模型のパーツの継ぎ目に伸ばしランナーを接着。

接着剤で更に溶かしながら、ピンセットなどで突っついて跡をつける。

アドルフ
アドルフ

パーツ同士の隙間を埋める効果もありますな。

後にこれを筆者が別のことに応用し始めるのですが……。

その3 円錐部分を使い穴埋め

ヴァルダ
ヴァルダ

続いては穴埋め。

これは伸ばしランナーで余りがちな、伸びる前と後の境目に発生する部分を利用したものだ。

円錐状になったこの部分を利用し、キットで不要な穴を埋める。

例は過去に作ったプラッツ(ドラゴン社製品)のIII号戦車J型。

レーナ
レーナ

円錐の先端を穴の内側に差し込んで、尻尾の太い箇所を穴に合わせて接着。

乾燥後に不要な部分を切り取って整形する。

……ってやつだね。

円錐型だから、わざわざ穴に口径を合わせたプラ棒を用意する必要がないのが利点。

パテと違ってパーツと同じプラだから、接着強度が高いのもポイント。

ヴァルダ
ヴァルダ

接着するのは合わせ目消しの応用みたいな感じだ。

注意点としては

  • 貫通している穴でないと使いにくい。貫通していない穴だと円錐の先端側を削って調整したり、ピンバイスで穴を貫通させる必要がある
  • 今回の例であるIII号戦車J型の場合、フェンダー上の滑り止めモールドを潰すような形になってしまう

といったところ。

アドルフ
アドルフ

埋まったディティールに関しては筆者が適当に彫り直していますな。

遠くから見る分にはまったく問題がない感じにはなりました。

その4 プラ棒・真鍮線の代用としての軸

ヴァルダ
ヴァルダ

戦車の例ばっかりだったので、次はガンプラを使っての例。

伸ばし方によって細くなったり太くなったりする伸ばしランナー。

太めのものを作り、プラ棒や真鍮線の代わりにするのが第4の活用法だ。

画像は直近で作ったHGUCのジム寒冷地仕様。

切り離したビームサーベルの刃に太めの伸ばしランナー(約1.5mm径)で接続軸を作っている。

レーナ
レーナ

2.0mm径以下のプラ棒ってあんまり見かけないというか。

ある程度の太さの伸ばしランナーを使って代用する感じだね。

アドルフ
アドルフ

プラ棒の代わりに真鍮線を使えばいいのですが、1.5mm径などある程度太いと加工がしづらいという点が気になりますな。

伸ばしランナーはさすがに金属製と比べると強度は落ちますが、加工のしやすさと修理時の交換が容易という利点があります。

その5 接着剤だけでは消えない合わせ目を埋める

レーナ
レーナ

……というか、さっきから過去記事の使いまわしばっかりなのは気のせいかな?

これじゃあ漫画原作の連載に追いついたアニメ状態だよ。

アドルフ
アドルフ

総集編というやつですな。

ヴァルダ
ヴァルダ

なのでここで新規画像で、筆者が最近多用する第5の伸ばしランナー活用法を紹介。

合わせ目消しの接着剤だけで消えない、隙間埋めだ。

今回はこのガンプラのシュツルムファウストを使って実例を紹介しよう。

レーナ
レーナ

シュツルムファウストはジオン系MSが装備している、ドイツ軍のパンツァーファウストに似た武器だよね。

キットにとって多少造型に差異があるけど……。

アドルフ
アドルフ

これはおそらくHGUCシリーズのザクIやその黒い三連星仕様に付属するものですな。

弾頭部分は柄と分離されておらず、シンプルな2パーツ構成です。

筆者がザクを作ったものの、こちらは使用せずに余っていたという。

ヴァルダ
ヴァルダ

合わせ目が発生するんだけど、横に走った弾頭側面の合わせ目は隙間が大きい。

なので普通の合わせ目消しのように、接着剤だけでは埋まりきらないことが多いんだ。

これを伸ばしランナーを使うことによって埋めてみよう。

ヴァルダ
ヴァルダ

まずは普通に合わせ目部分を接着して貼り合わせる。

縦向きの合わせ目はこれだけでも埋まる。

問題の横向きのものは隙間が大きく、接着剤とそれによって溶け出したパーツ面だけでは埋まらない。

レーナ
レーナ

こういう広い面の合わせ目はどうも残りやすいというか。

合わせ目消しについては過去記事を参考にしてね。

ヴァルダ
ヴァルダ

ここで伸ばしランナーの出番。

流し込み式速乾の接着剤を使い、ランナーを合わせ目部分に接着。

半乾きの間に更に接着剤で溶かし、合わせ目に押し込んでいこう。

曲面で一度に接着するのが難しい場合は、細かく切り刻んだものを複数接着してもいい。

レーナ
レーナ

色が異なるのがランナー部分だね。

気になる人は使うパーツと同じランナーで伸ばしランナーを作るといいかも。

アドルフ
アドルフ

筆者は塗ってしまいますからね。

あまり成型色を合わせることはしません。

逆に色違いだと埋めた箇所がわかりやすいという利点も。

ヴァルダ
ヴァルダ

接着剤の乾燥後、削って整形。

これで隙間が埋まったはずだ。

アドルフ
アドルフ

念のため500番のサーフェイサーを吹き付けてチェック。

見た感じ大きな隙間は残っていませんな。

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ヴァルダ
ヴァルダ

幅の広い面や、頂点部分にくる合わせ目は接着剤だけで消すことができる。

しかしガンプラに限らず、広い平面に走る合わせ目は接着剤だけではなかなか消えてくれない。

おそらくプラ成分が足りず、合わせ目を埋めきれていないから。

伸ばしランナーを使い、そのプラ成分を継ぎ足してやる感じだ。

レーナ
レーナ

これは飛行機模型での例だね。

直近に作った、フジミの月光での……。

作業まとめ

アドルフ
アドルフ

というわけで伸ばしランナーの作成方法と、使用例を5種類ほど紹介しましたな。

  • アンテナ作り
  • 溶接跡再現
  • 円錐部分での穴埋め
  • 接続軸
  • 合わせ目の隙間埋め

と。

ヴァルダ
ヴァルダ

特に筆者としては合わせ目の隙間埋めに使えるのに注目している。

接着剤だけで消えない、ガンプラの武器の合わせ目に長年苦労していたようでね……。

アドルフ
アドルフ

隙間埋めといえばパテですが……

異素材なので食いつきが悪いと切削中に剥がれたり、プラとは異なる削れかたをするという難点がありましてね。

銘柄によっては乾燥時間が長かったり、悪臭がキツめだったりと。

レーナ
レーナ

ランナー利用だと接着剤の臭いぐらいかな。

流し込み式速乾を使えば、乾燥時間はそこまでかからないし。

ヴァルダ
ヴァルダ

今回はここまで。

ここで紹介したことが何か参考になって、少しでも完成品が増えれば幸いだ。

レーナ
レーナ

次回も、お楽しみに~。

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