模型大体戦闘日誌、始まるよ!
前回は筆者が数年間放置していたHGのレギンレイズが完成しましたな。
今回は……。
そのレギンレイズ以前に前から購入していて、完成もせず中途半端に変な状態で放置されているガンプラがある。
今回はそれを使ってウェザリング解説。
筆者がいつも行っているチッピング(傷)のやり方を解説しよう。
まだ筆者の犠牲者になった哀れなガンプラがいたとは……。
その辺ひっくり返すとそういうのはいくらでも出てきますな。
こうやってサルベージされるだけマシですよ。
それでははじめよう。
チッピングってなんZOY?
チッピングで調べると
「石などの小片」
「切削工具の刃に出来た欠け」
みたいな意味で出てくる。
プラモデルでいうチッピングは
「ぶつかったりして出来たような傷、塗装の剥がれ」
みたいなものだと思ってもらえばいい。
実際に筆者の過去作を見ていただいたほうが早いかと。
上から順に
- タミヤ III号戦車N型
- タミヤ Sd.Kfz.223フンクワーゲン
- HG プロトタイプグフ(戦術実証機)
だね。
装甲面の角とかに焦げ茶色っぽい傷があるのがお分かりいただけるだろうか。
これがチッピング。
今回は筆者がいつも行っているそれらの手順を追っていく。
今回の犠牲者 HGジンタイプインサージェント
今回実験台になってもらうのはこちら。
ガンプラHGシリーズより
ジンタイプインサージェントだ。
SEED系列の作品でのザク的存在のジン。
スターゲイザーに登場した、武装勢力が改修を施した機体ですな。
……なんかすごく変な状態になっているような。
筆者がここの開設以前に購入・改造などしていたものの……
完成には至らず筆者が途中で遺棄してしまった。
今回はサルベージしてきたこれを使ってウェザリングを解説する。
キットの簡易的な確認
とりあえず簡単に状態を確認。
基本的には2003年4月に発売したノーマルジン(商品名モビルジン)と同様。
インサージェントはそれに投光器やそれの取り付け用凹みがついた部品などを追加し、2006年9月に発売された。
価格は2022年12月現在税込み1320円。
通常のジンがグレー系の色だけど、これはオーカー系の色なんだね。
このキット、前述どおり筆者がいくつか改造を施している。
- 頭部の後ハメ
- モノアイ可動化
- 肩の後ハメ
- 無反動砲後部の改造
などなど。
以前に似たような製品であるジンハイマニューバに同じような加工を施しているから、詳しくはそちらの一連の記事も参考にしてもらいたい。
無反動砲は後部まで真っ二つなので、一度切り落として改造パーツやプラ材で新造していますな。
この装備も通常のジンには付属せず、タイプインサージェントで追加されたものです。
今回は使わないけど、シールや近接武器の重斬刀も付属。
劇中の機体が装備していなかっただけで、重斬刀は無改造で装備可能だ。
ただ黄土色成型なので塗装したほうがいいだろう。
シールは投光器部分やモノアイ周りなど。
特徴的な胸の「K」もホイルシールだね。
ここには載せていないけど、通常のジンに使われた投光器なしの部品も余剰品として付属する。
色を塗り替えれば無反動砲装備のノーマルジンとして作ることも可能だ。
チッピングまで作業を進める
とりあえず欠けている部品はなかったのでチッピング手前まで作業を進める。
まずは塗装をしてこんな感じに。
使用塗料は画像に写りこんでいるもの。
前面黒で塗りつぶしてから、それを残すようにして塗っている。
完成見本や設定画に比べると成型色は淡め。
なので少し濃い感じにしていますな。
その後は
- デカール貼り
- 部分塗装
- スミ入れ
- ドライブラシ
と進めている。
胸の「K」の字は今回シールは使わず面相筆での手書き。
鉛筆で下書きをした後、水性ホビーカラーのモンザレッドで塗っている。
スミ入れ・ドライブラシは前回完成させたレギンレイズと同様の手順です。
そちらを見ていただければ……。
チッピング作業開始!
さて前置きが少し長くなってしまったけど、ここからが今回の本題であるチッピング作業。
まずは使用する塗料の紹介。
筆者が今回使用するのは
- タミヤエナメル バフ
- クレオス ウェザリングカラー グランドブラウン
の2色だ。
2色なのにビンが3つ……。
ウェザリングカラーはそのままのビンだとビンの口が狭く作業性に難があるので、他のものに移し替えている。
筆者が今回移し替えたのはクレオスのサーフェイサーの空きビン。
空きビンがない人は各社から発売されているスペアボトルを使うのもいいだろう。
クレオスからはサーフェイサーのものと同型の40mlスペアボトルが発売されている。
スペアボトルは混色用に目盛り付きのものが多いですな。
筆者は不用品の再利用も兼ねて空きビンを使います。
とにかく塗ってみよう。
実験台にするのはこの背面のスラスターパーツ。
まずはタミヤエナメルのバフ。
これを飛沫状にペタペタと置いてみる。
塗料が濃すぎると糸を引いたようになって作業しづらい。
反対に薄すぎると溶けて水っぽくなり、ぶつかった傷感がなくなってしまう。
一度に大きく塗るよりは、小さく何回も重ねるとそれらしくなるかな?
使っている筆は毛先の広がった古い2線級の筆。
筆の代わりにスポンジとかでも良さそうですな。
続いてグランドブラウン。
先ほどのバフを縁に残すようにしてペタペタと塗り重ねていく。
ウェザリングカラーの場合、多少濃いほうがザラついて雰囲気が出る気がする。
なんとなくそれらしくなったかな。
気に入らない場合は溶剤で落としてやればやり直せるよ。
もう一箇所。
今度は肩アーマーで試してみよう。
先ほどと同じく、まずはバフで。
この色、ドライブラシした色と同じですな。
実際はドライブラシついでに施したほうが効率がよさそうです。
ちょっと薄いかな。
なんか水っぽくなって失敗しているような。
ここでやり直すのも手ですが……
上からグランドブラウンを塗ってカバーしてみましょう。
そしてグランドブラウン。
なんとか上手くいったかな。
筆でペタペタした箇所だけじゃなくて、ドライブラシした箇所の上にも塗ってあげるといいかもね。
作業後……
これを機体あちこちに施していく。
- ぶつかったりしそうな装甲の角
- 人の手が触れたり頻繁に動いたりしそうなハッチなどの可動部
- 敵の攻撃を受けそうな前面装甲
辺りに施してやるとそれらしくなる感じだ。
作業まとめ
そんなこんなでチッピングは終了です。
作業後の全体像はこんな感じに。
手順を簡潔にまとめると
- 本体色に対して明るい色(今回はバフ)を置く
- 焦げ茶色(今回はグランドブラウン)を、先に塗った明るい色の上に置く。このとき縁に明るい色が残るようにする
といった感じだ。
元々本体の色が明るい場合は先に塗る色を省略したり、逆に濃い色を使ってみてもいいかもね。
今回のジンも白い部分があるけど、そこは先に塗る色を省略しているよ。
焦げ茶色は塗装が剥がれて浮き出た金属地肌が錆びたように見えます。
ここの色を変えるとより別の表現ができそうですな。
- シルバー→新しい傷
- ダークグレー系→錆びまではいってないが少し時間の経った傷
- オレンジ系→赤錆
みたいな。
今回は筆でペタペタしたけど、ドライブラシみたいに角に擦り付けてもそれらしくなりそうだね。
他にもスポンジでペタペタやってみたり。
今回のはあくまで一例。
色を変えたり道具を変えたりしてみると新しい発見がありそうだ。
今回のが何か役に立てば幸いです。
今回はここまで。
次回もこのジンタイプインサージェントを使って、もうひとつ筆者がよく行うウェザリングを紹介しよう。
次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット