
サイバーホビーより、ドイツ軍鹵獲仕様のT-34/85中戦車を作っていきましょう。

前回は塗装とマーキングを行った。
今回はウェザリングをして完成に持ち込もう。

長年の放置品がまた完成に。
組みかけ品だったからダイジェストでお届けと思いきや、結構記事は分割したような。

思ったよりも各部に手を加えましたからね。
それと修復手順も紹介しましたし。

実はもう一つ組みかけで修理待ちのT-34があったりする。
それもそのうち紹介することになるだろう。
それでは作戦を再開しよう。
エナメル塗料でのウェザリング


手始めにエナメル塗料でのウェザリングを。
- スミ入れ兼ウォッシング
- ドライブラシ
- オイル染み
などですな。
例によって、過去記事も参照にしていだだければ幸いです。

またいつもの変わり映えのないパターンに。

強いて言うなら、スミ入れ・ウォッシング辺りは少し変えている。
ダークイエロー系の塗装なのでライトブラウン系の汚しは目立たないと判断。
メインはタミヤエナメル、フラットブラウンを薄めたものを使っている。
ライトブラウン系はガイアエナメルの埃色を少量、上面などの水平面に使って変化を加えた。

エンジングリルは……。

ここは本来吸気口で、穴部分に金網を貼り付けたもの。
なのでアースカラーではなく、フラットブラックを塗布している。
前回塗らなかったペリスコープもこの色で塗っておいた。

エナメル塗料は溶剤での拭き取りがしやすいのが利点ですな。
「塗布する→拭き取る」
で、特に奥まった部分への塗装がしやすいという。
車体上面のウェザリング


更にウェザリング。
チッピングの傷表現、雨だれ錆だれ。
それに排気管汚れですな。

排気管部分の錆部分はいつも通り、ウェザリングカラーを使っている。
ただ排気口の煤とかはタミヤウェザリングマスターを使用した。
Bセットに含まれるスス色を使い、車体側にもうっすらとした排気汚れを施してみることに。

装備品の錆は……
って、今回は車載装備がほとんどなかったね。
最近の筆者はそもそも装備品を錆びさせなくなっているけど。

「金属色で塗って砂色を軽くドライブラシするだけのほうがかっこいい」
と思い込むようになったらしく。
足周りの汚し


続いて足周り。
いつもより派手に施していますが、基本はここも過去記事通り。
ウェザリングカラーとタミヤエナメル・クロームシルバーのドライブラシをメインにしていますな。

ドロドロの東部戦線らしく、今回は立体的な泥汚れも追加。
クレオスのウェザリングペースト・マッドブラウンにウェットクリアーを添加するなどしている。
光沢表現については後にも追加しているので、ここは省略しても良かったかもしれない。

ペーストはなるべく奥まって泥が詰まりそうな場所に……。
底面は外からほとんど見えないから、省略しちゃうよ。
泥汚れに光沢を追加して濡れた感じにする


最後に仕上げの水性ホビーカラー、つや消しクリアーを吹きつけて整えます。
……泥汚れの光沢が消えてしまいますな。

泥部分はタミヤのつや出しニスを使い、ところどころ光沢を塗り直し。
これで濡れた泥のような感じになる。
やはり奥まったり厚みがあって、乾くのに時間がかかりそうな場所を中心に塗ってみよう。

濡れている感じは光沢で表現……
車体全体を光沢にすれば、雨の中の車輌っぽくなるかな?


最終組み立てを行い、これで完成ですな。
半壊状態で遺棄されていたものが、なんとか復活しました。
復活したものの、フェンダーが吹き飛んでいるなど完成品が半壊状態ですが。

フェンダーがないので泥汚れなんかはいつもより激しくしている。
雨だれやダメージ表現も少し多めに。

以下、ギャラリーだよ。
サイバーホビー T-34/85(第112工場製・1944年型) 完成!







泥と車体地の境界はもっとぼやけたり飛び散った感じにしたほうが良かったかな?
ニスの光沢面とか、なんかいかにも「筆で塗りました」感があるし。

今回はフタについたハケを使ってそのまま塗布しましたからね。
細い面相筆なんかも併用したほうが良かったかもしれません。



以前作ったアカデミー製のものと。
あちらは第183工場製の後期型。
今回は第112工場製となっています。

- 砲塔側面前側の溶接跡
- 砲塔フックの形状
が、主な違いだったね。
今回のサイバーホビー製はそれを新規パーツで再現しているみたいだけど。

実車でも第183工場(UTZ。ウラル戦車工場)製のものが多数派だったようで、模型でもこのタイプ名義のキットをよく見かける。
ドラゴン・サイバーホビーで元々発売されていたのも、同工場製のをイメージしたものようだ。
おそらくそれにパーツを追加して、今回の第112工場製のものを再現しているのだろう。
作ってみた感想のコーナー


とりあえず形にはなったかな。

修復を終えた筆者の感想としては……
- 大元のキットはドラゴン社のスマートキット以前の製品。後述する新規パーツ以外は概ね合いが良好で、パーツ数も抑えられていて組みやすい
- 実物に合わせて転輪は2種類付属。有効しやすそうな部品なので余るのは嬉しい
- 肝心の新規パーツである砲塔溶接跡パーツがそのままでは合わない。筆者としては細かい仕様違いよりも気になるポイント
- 箱の裏にはエッチングパーツが付属するようなことが書かれているが、少なくとも説明書の組み立て図やパーツリストには一切記載がない。過去の筆者が入っていたものを外した可能性もあるが
といったところ。
今回は過去の筆者が途中で遺棄していたものをリトライして、完成に持ち込んだ
。
履帯などは修復作業があったけど、キット側に不備があったわけではないので安心を。

キット側で気になった点としては、上記のとおり新規の溶接跡パーツぐらいですな。
修正作業が入ったので、新規パーツなのに溶接跡を付け直すことに。

キューポラとか、結構手を加え直していたみたいだけど……。

この辺りは合っているのか筆者も自信がないので、詳しいことは追求しない。
もしかしたら今回キットのパーツをそのまま作った足周りも、この時期のこの工場製のT-34では異なるのかもしれない。
本当に細かいところは無視してしまっている。

筆者も
「○○年型」「○○工場製」
とかの、ある程度の存在・傾向しか軽く把握していないという。
完成させて並べて初めて違いに気が付くタイプですな。

今回のは第112工場製。
U字フックを装備しているけど、これは後に他のT-34/85同様の三角形に近い鉤型になったようだ。
なので同じ第112工場製名義のキットでも、今回のとは多少形が異なる場合もある。

2年前にミニアートから、今回のと同じU字フックを取り付けたタイプのT-34/85が発売されたようです(第112工場製1944年春生産型名義)。
同社はその前後の、第112工場製T-34/85も発売しているようですが。

筆者はミニアート製のT-34は作ったことがないけど、派生車輌のSU-85は作ったことがあるよね。
フルインテリアキットと兼ねた設計だったから、ちょっと部品が多めだった気がするけど。

気になるところではあるがSU-85で少し部品が多く感じたらしく、なかなか手が出せないでいるようだ。
そんなこんなで今回はここまで。
無事T-34/85が形になったので、次回は別のものになるだろう。

次回も、お楽しみに~。
この記事で作っているキット