グリーンマックスのNゲージキット、エコノミーキットより旧型国電の72系・73系4両を作っていきましょう。
前回は塗装を施した。
今回はマーキングなどをして完成としよう。
純正インレタでマーキングをする
まずはインレタ貼り。
今回使うのはこちらの品番6303「73系・事業用車両」用のものです。
現在作っている72系・73系の他、それらを元にしてつくられた事業用車両に対応したものとなっています。
事業用車両……。
客などの取り扱いではなく職員や小荷物・郵便などを輸送したり、他電車の牽引用のものですな。
余剰になったモハ72なんかがそれらに改造・部品流用される事例も多かったのだとか。
今回使うインレタは白文字。
同社からは黒文字のものも発売されている。
どうやら車体色によって違うらしい。
可部線や仙石線みたいなウグイス色の72・73系は黒文字が使われていた様子。
- ハサミで台紙ごと切り出し
- 台紙を外し、セロテープを使い貼り付け位置に固定
- 先の丸い硬いものでマークをフィルムの上からこする。筆者は調合スティックを使用
- フィルムをゆっくりと剥がし転写。転写できていないようだったらフィルムを戻し再度こすりつけ
……といった流れです。
MGのガンプラに付属するドライデカールと同じようなものですな。
今回はこの車番だけにしておく。
純正品以外にも所属表記などを示したインレタも販売されているようだ。
こだわる人はそれらを使ってもいいだろう。
あえて貼り付けないことで所属を特定しないというのもアリかな?
とりあえずサハ・モハ・クハの貼り付けが終了しました。
それらしい番号を選択して……。
手持ち資料を元に、千葉の津田沼電車区(千ツヌ)に在籍した記録がある車両を選んでみた。
最も、所属していた時期はバラバラみたいだけどね。
クモハ73も貼り付け。
ただ貼り付けようとしたマークはクモハ73086。
クハ79236と同じ偶数ですな。
なんか以前も言っていたね。
筆者はまだ良く理解していないみたいだけど、奇数と偶数で向きが反対になるみたいな。
なのでバラ数字と組み合わせてクモハ73085に。
資料によると085も086も津田沼に居たことがあるようですな。
丁度キットのものと同じ前面形状のようですし、丁度いい感じに。
貼り付けるとこんな感じに。
バラ数字は細かいので取り扱い注意だ。
筆者はここの解説以前に失敗しているからあまり使いたくなかったみたいだけど。
今回は何とかうまくいきましたな。
クリアーコートと最終組み立て
インレタの保護も兼ねて仕上げのクリアーコート。
完成品達に合わせるため、Mr.カラーのスーパークリアー半光沢を使用しています。
その後はトレーラー車(動力なし車両)にオモリをセット。
更に全車の窓にクリアーパーツを貼り付けます。
モハとサハはドアと窓の位置が同じですが……
クハとクモハはドア部分が窓より一段高くなっています。
なので窓パーツをそれに合わせて短く切ることに。
接着にはセメダインのハイグレード模型用。
クリアーパーツでも曇らないから安心。
変なところに付いてもこすればとれるから大丈夫だよ。
これで完成としよう。
以下ギャラリー。
グリーンマックス 旧型国電72系・73系(クハ79原型・モハ72・サハ78・クモハ73原型) 完成!
まずはクモハ73。
後の時代になると改造されたりして外見が変化しますが、今回のは前身の63系の面影を残す原型車です。
見た目的にも最もモハ63の面影が強い。
当初はモハ73系を名乗っていたけど、1959年6月の称号規程改定でクモハ73と改名された。
後に新生はされず、既存の車両からの改装車のみのようだ。
それ以前は運転台の有無に関わらず、動力車は全車モハを名乗っていたようですな。
80系の登場により中間動力車が一般化されたので、モハとクモハで区別するように。
前身のモハ63も運転台付きだけど、1944年登場だからクモハじゃないという。
続いてサハ78。
動力も運転台もない車両なので、一番すっきりした見た目をしていますな。
こちらもクモハ73同様、63系からの改装車のみで後に新生はされなかったようだ。
63系時代から存在したけど、改装後も改称はされなかった。
当初からサハ78として作られた100番台車が大半だけど、サモハ63から改造された300番台車が20両ほど存在したとのこと。
両者は片側4ドアの開く向きが異なっていたようだ。
100番台車は2ドアずつ車体中央から車体端に向かって開く。
300番台車は4ドア全てが一方向に向かって開くのだとか。
サモハ……
サが付随車でモが動力車だよね。
矛盾した形式名というか。
サモハは付随車代用という意味だそうです。
モハになるつもりが戦争による資材不足のため電動装置が調達できず、未電装で完成したものに名づけられたのだとか。
ただ急遽クハ79に改造されたサモハ63が大量発生。
そのためサハ78の300番台は欠番だらけという。
3両目はモハ72。
中間電動車ですな。
桜木町事故がきっかけで新たに登場した車両だ。
前身のモハ63とは違い運転台を廃止し貫通扉を備えているので、緊急時に他の車両への避難がしやすくなっている。
前述した80系の影響もあるけどね。
いまだと中間電動車は当たり前になっているけど、この時期に一般化したという。
資料によると……
初期に改造された0番台の168両は改造元の種車と向きが同じで、奇数偶数の番号も同じ。
奇数車が多かったのか、一部偶数が欠番になっているみたいだ。
後期の改造車120両は種車と関係なく全て奇数設計で、区別のためか番台も200番台(200~319)を名乗っているとのこと。
最後にクハ79。
電動車ではないのでクモハと違い、パンタグラフはありませんな。
今回のキットは原型タイプのクハ79。
当初サハ78になる予定だったサモハ63の74両がクハ79に改造された。
このタイプのクハ79は全て偶数車であり、奇数車は存在しないとのこと。
番台では100~250のどれかが振られていたようだ。
それ以前の0番台車は他形式からの改造車。
直後の300番台車は新生車となっている。
なんかいろいろややこしいなぁ。
筆者が購入してしばらく放置していたのも、その辺りの理解に時間がかかったからだとか。
実際にまだ理解していないこともたくさんありますが。
まだまだこれからといったところ。
4両並べてみるとこんな感じに。
4~6両くらいだと実物っぽさと模型としての手軽さが一番両立できている気がするんだよね。
短すぎると物足りないし、長すぎると走らせる場所の確保が難しいし。
実際に線路に乗せるとこんな感じになる。
奇数偶数とか言っていたけど、実際にこれで正しいのかは不明。
筆者としては
「遠くから見てそれらしくなっていればいいや」
程度の認識だそうですから……。
散々あれこれ調べていたのに。
走行動画も掲載。
部屋が散らかっているので、背景は箱でガートしている状態ですが。
やっぱレイアウトが欲しいね。
この状態だと首都圏というより郊外の風景が似合いそうな。
筆者の場合、レイアウトよりも車両を増備したくなるパターンに入りそうですな。
近代化された全金属車や、別の旧型国電を繋げたくなるという。
作ってみた感想のコーナー
久々のNゲージキット。
今回電車は初めてだったけど……。
筆者の感想としては……
- 部品の合いは概ね良好。クモハ73の配管周りで少し合わせるのが難しかったぐらい
- 実物は個体差が非常に激しい。さすがにこのキットでは全ての車両をそのまま再現できないので、突き詰めるなら各自改造が必要
といった感じ。
今回はお手軽に、動力組み込み以外の大規模な改造はしないで進めた。
現時点での筆者はこれで十分満足しているようだ。
一昔前のキットだから、そのままだとライトも光らないんだよね。
この時代は昼間無灯火だったらしいけど。
近年はTOMIXからの完成品も発売されていますな。
ただ細かい改造をするなら、キットのほうが気軽にやりやすいという点も。
筆者は結構グリーンマックスのキットが気に入ったようだ。
ただ客車と違い動力を組み込む加工を施したり、高い動力ユニットを購入する必要がある。
そこが難しいところだ。
筆者の在庫には別の電車キットがありますな。
現時点ではパンタグラフや台車・動力が足りず、先に進めませんが。
どうにか調達しないと……。
とりあえず今回はここまで。
次回は未定。
おそらく鉄道車両以外になると思うけど。
続きは次回!
この記事で作っているキット