模型大隊戦闘日誌、始まるよ!
前回はファインモールド社の五式戦闘機が完成しましたな。
今回は・・・・・・。
筆者がある戦車を進めている。
今回はそれを紹介しよう。
筆者はあれこれ並行生産しているようですが・・・・・・。
乾燥待ちなんかが発生すると並行生産しがちだ。
待っている間に他のものを進めたり・・・・・・。
今回のお題 タミヤ 1/35 駆逐戦車ヘッツァー(中期生産型)
今回作るのはこちら。
タミヤMMシリーズより
駆逐戦車ヘッツァー(中期生産型)だ。
なんか可愛い見た目だね。
実際海外ではマスコットキャラ扱いされているとか。
ヘッツァーとは?
この戦車は第二次世界大戦の後期にドイツ軍が主に運用した駆逐戦車だ。
戦時中は同盟国であったハンガリー、戦後にチェコスロヴァキアやスイスでも使われている。
後者は運用だけでなく戦後に新たに生産されたりもした。
生産設備がチェコスロヴァキアにあったので・・・・・・。
事の発端は1943年11月。
当時ドイツ軍の対戦車戦力であったIII号突撃砲。
これを生産していたアルケット社の工場が連合軍の空爆を受け設備が破壊され、生産の中断を余儀なくされたんだ。
連合軍め。
よくもそんなことを!
どこの環境活動家ですか。
環境破壊は気持ちいいzoy!
とりあえずレーナ殿は置いといて・・・・・・
III号突撃砲は低コストながらも強力な対戦車兵器。
生産のストップは致命的ですな。
そこで急遽III号突撃砲の代替品が模索された。
その1つがここでも以前作ったIV号突撃砲。
III号突撃砲の上部をIV号戦車のシャーシに乗せたものだ。
以前作ったのはアカデミー製品ですな。
そしてそのほかにも、III号突撃砲自体を別の工場で生産しようという案が出てきた。
白羽の矢が立ったのは当時ドイツに併合されていたチェコのBMM社。
38(t)軽戦車を開発・生産したことで知られているね。
結果は・・・・・・。
BMM社の返答はこうだった。
「生産設備が小規模でIII号突撃砲の生産代行は不可。
ただしIII号突撃砲に近い別のものなら生産可能」
と。
これに総統閣下がGOサインを出して開発が始まり、僅か4ヶ月ほどで開発が終了して量産が始まった。
これが今回作る駆逐戦車ヘッツァーだ。
おお~
早い早い。
一説には同盟国であったルーマニアのマレシャル駆逐戦車を参考にしたというものもあるそうです。
断定はできていないそうですが。
余談ですが筆者としては
「関係性はともかく1/35スケールのマレシャル駆逐戦車のキットが欲しい」
とのことです。
ヘッツァーとは「狩りの勢子」「猟犬」などのこと。
元々はEシリーズの一員E-10駆逐戦車に名づけられる予定だったのがいつの間にか本車の名前になったといわれている。
生産会社が同じなこともあって38(t)戦車の駆逐戦車型とされているけど、厳密には間違い。
38(t)を発展させた新型の38(t)n.A.偵察戦車をベースにしている。
なんかややこしいなぁ。
まとめると・・・・・・
- 38(t)軽戦車→BMM車が開発した軽戦車。元々はチェコスロヴァキアのLTvz.38だったが、同国がドイツに併合されたためドイツ軍によって運用された。大量生産され大戦初期のドイツ軍を支え、後に車体がマルダーIIIなど自走砲にも転用された。
- 38(t)n.A.偵察戦車→通称新型38(t)。転輪などは従来の38(t)に酷似しているが、寸法が異なるよく似た別物。競作となったII号戦車L型(ルクス)に敗れ不採用、数輌の試作止まり。
- 駆逐戦車ヘッツァー→38(t)n.A.偵察戦車をベースにした駆逐戦車。なので従来型の38(t)とは似ているが別物の足回りを持っている。
38(t)軽戦車と新型38(t)はよく似た別物。
マルダーIIIは38(t)ベース。
ヘッツァーは新型38(t)ベース。
ってことでいいのかな?
ヘッツァーはベースが軽戦車ながらも48口径7.5cm対戦車砲を備えており、単純な火力ではIII号突撃砲やIV号戦車と同等だった。
防御面も車体前面は傾斜した60mm厚の装甲を持っている。
ただし側面と後面は20mm厚なので、大戦後期の車輌としてはやや物足りないかな。
また生産コストもIV号戦車の半額程度と言われ、大戦後期の戦車不足を補うのに一役買った。
装甲は「ないよりマシ」程度ということですな。
対戦車自走砲のマルダーIIIではオープントップだったので、歩兵の小火器でも防げませんからね。
それとヘッツァーは車高を抑えてより待ち伏せ攻撃に適したのもポイントですな。
しかし小柄な車体に中戦車クラスの7.5cm砲を装備したため、様々な問題が発生した。
まず傾斜装甲を採用したことも相まって車内が狭く、また少しでも容積を確保使用とした結果主砲を右側に寄せた形で配置した。
これにより重量バランスが崩れ、幅の狭い履帯や出力の付属した発動機と相まって小柄な割には不整地での機動性が悪かった。
その他主砲が邪魔で車内からはハッチを閉めた際に右側が完全に死角になってしまう問題もあった。
「なんてせまいんだ、最低だぜ」
ってやつだっけ。
だまれ!
優れた戦車兵は優れた兵器に勝るんだ。
そういえばIII号「突撃砲」の代替品なのに、ヘッツァーは「駆逐戦車」なんだよね。
突撃砲は以前から管轄を巡って砲兵と戦車兵が取り合いをしていましたな。
ヘッツァーは当初突撃砲だったそうですが、戦車部隊で運用したがった戦車兵の偉い人(グデーリアン将軍)が
「これは砲ではありません、戦車です」
と主張、駆逐戦車に区分されたのだとか。
まあ素人からみれば
「でっかい大砲積んだ車はみんな戦車」
なんだけども。
そういう経緯もあってからか、当初は戦車みたいに突出しては死角を突かれて撃破されることが多発したんだ。
後に小隊ごとにまとまって互いの死角を補いつつ、待ち伏せ攻撃を行うことで真価を発揮した。
見た目や名前は戦車でも、実際は装甲化された対戦車自走砲といったところですな。
小柄で急造品ながらも大戦後期のドイツ軍を支えた駆逐戦車ヘッツァー。
その雄姿を再現してみよう。
箱の中身を確認する
長々と解説をしていたけど、ここからはキットの解説。
手短に行おう。
箱の中身はこんな感じ。
こちらはプラパーツ。
足回りのパーツはランナー2枚分となっていますな。
履帯もここに含まれています。
パーツ数はそんなに多くない感じ。
その他の付属品。
接着可能なベルト式の履帯にポリキャップが2種、そしてデカール。
ランナーのところでも少し触れましたが、本キットはベルト式の履帯と接着組み立て式の履帯が両方付属します。
お好きなほうで組み立てましょう。
紙媒体は組み立て説明書にカラーの塗装図、そしてTech Tips!
塗装図については後述・・・・・・。
本キットの塗装は4種類。
- 第708国民擲弾兵師団1708突撃砲大隊所属車
- 第17軍所属車
- 第1装甲軍独立第744戦車駆逐大隊第2中隊所属車
- 第3山岳師団第95山岳戦車駆逐大隊第1中隊所属車
となっています。
今回は第17軍所属車で作る予定だ。
光と影迷彩の他、白縁の無い国籍マークが特徴となっている。
次回、製作開始!
今回はここまで。
次回から早速組み立て作業に入る。
例によって実際は既に生産が始まっているのは内緒ですな。
詳しい内容は次回以降だ。
お楽しみに~。
この記事で紹介しているキット
↓タミヤの公式オンラインショップはこちら↓