
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が部品を紛失してしばらく放置してい、フジミのJu87G-1が完成しましたな。
今回は……。

先月購入した3つのキットのうち、まだ手をつけていないものがある。
今回はそれの最後の1つを紹介しよう。

えっと、戦車だっけ。

戦車ですな。
送料無料ラインを超えるため、新発売されたオチキスH39の巻き添えになったやつです。
今回のお題 タミヤ T-34/76(1943年型・チェリャビンスク)


今回つくるのはこちら。
タミヤMMシリーズより
T-34/76(1943年型・チェリャビンスク)だ。
商品名は「T34」とハイフン抜きだけど、ここではハイフンあり表記にしておく。
また近年の資料だと、この六角砲塔搭載のT-34を1942年型とするものもあるけど……
同社の1942年型(ピロシキ砲塔タイプのやつ)とごっちゃになるので、こちらは商品名に合わせた表記にする。

タミヤのT-34/76は以前も作ったね。
たしか同じ1943年型の六角砲塔タイプで……。

今回のキットはその派生品ですな。
タミヤMMは基本的に白い背景のものが多く、背景付きのものは限定生産品のイメージがありますが……
今回のは例外なのか、2025年6月現在も店頭でよく見かけますな。
T-34/76(1943年・チェリャビンスクとは?)

T-34についてはここでも複数組んでいるので、簡潔に済ませる。
これは第二次世界大戦期に活躍した、ソ連軍の中戦車だ。

走・攻・守が高い水準でまとまった傑作戦車だね。
対する当時のドイツ軍の戦闘車輌は、この戦車の前ではほぼ無力化するという。

今回のキットは「1943年型・チェリャビンスク」
1943年型の特徴としてはまず、それまでの背の低いピロシキ型砲塔から六角形のナット型砲塔に変更されたことが大きな特徴だ。
これにより砲塔容積が増えて作業性が高まり、ハッチも小型の開閉しやすいものになった。

タミヤ製キットは「1943年型」という名義ですが、近年のこの呼称は
「ナット型砲塔+車長用キューポラ付き」
の車輌に対して使われるようですな。
新しい分類の場合
「ナット型砲塔+キューポラなし」
に対しては1942年型と呼称するとか。

さっきも言ったとおり、そうなると同社の1942年型(新呼称1941年型戦時簡易型)と被るから、ここではキット名に合わせている古い分類方にしてるってやつだけどね。
ええっと、チェリャビンスクは……。

1941年に独ソ戦が始まると、ソ連は戦車工場をウラル山脈の東側へと疎開させた。
チェリャビンスクは現ロシア連邦の南西に位置する都市で、ここはその疎開により工場が集中。
その結果同地はタンコグラード(戦車の都市・町)と呼ばれるようになったんだ。

チェリャビンスク。
近年ですと2013年に隕石が落下してきて少し話題になりましたな。

そんなチェリャビンスクの工場の1つに、レニングラード(現サンクトペテルブルク)から疎開してきた第100工場(国営第100キーロフスキー工場・疎開後の略称ChTZ)があった。
通常のナット型砲塔は鋳造製の外装に天板部分を溶接したもの。
しかしこの第100工場のものは天板までが一体化された鋳造砲塔になっている。
今回のキットのT-34は、この一体型砲塔を搭載したものを再現しているんだ。

この第100工場(キーロフ工場)、どちらかといえばKVや後のJSなど、重戦車の生産がメインだったようですな。

と、ここまで語っていて言うのは難だけど……
近年は異説もあり
「チェリャビンスクのキーロフ工場で作られた鋳造製」
ではなく、
「ウラル重機械製作工場(別名第9工場、ウラルマシ、UZTMなど)で作られたプレス製」
という説があるようだ。
名称も「チェリャビンスク砲塔」ではなく「ウラルマシ砲塔」「フォルモチカ砲塔」といった呼称がある。

なんかまたややこしいことに。

近年の説ですと、逆に通常の溶接天板持ちのほうを「チェリャビンスク砲塔」と呼ぶパターンもあるのだとか。
なので近年の他社製のキットですとこの一体型砲塔は
「ウラルマシ砲塔」もしくは「フォルモチカ砲塔」と呼ばれているようですな。

チェリャビンスク砲塔、ウラルマシ砲塔、フォルモチカ砲塔……。

名称や製造方法など専門的なことはともかく
「通常のナット型砲塔とは異なった、天面まで一体成型されたナット型砲塔」
ということだけ理解してもらえれば安心だ。
そんな丸みを帯びた独特な形の砲塔を持つT-34/76中戦車。
通常型からの派生品としてタミヤMMにラインナップされているものを作ってみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開ける。
中身はこんな感じ。

いつもの見慣れた光景だね。

昔は履帯を輪ゴムで縛っていたようですが、資材節約のためでしょうか。
近年はあまり見かけないような。

縛っていると変な曲げがついたりするので、筆者としてはそのまま入れてもらったほうが好都合のようだ。


プラパーツ一式。
一番左のAランナーや車体上下は通常の1943年型なんかと共通パーツ。
反対に一番右のDランナーがこのキットの新規パーツだ。
特徴的な一体型砲塔や、歩兵・火器などが収録されている。
逆に通常のT-34/76(1943年型)のキットで付属した戦車兵達は付属しない。

真ん中のCランナーは車輪パーツだね。
これも通常の1943年型とは違うような。

通常版は穴開きのものや、ゴムリムなしの穴開き鋼製転輪がセットされていました。
今回は穴なしのディスクタイプがセットされていますな。

どうもタミヤのT-34系列キットとしてはこのディスクタイプが多数派のようだ。
ただ2025年6月現在、そのディスクタイプを採用しているT-34やSU-85などはほとんどがスポット生産品となっており、数年に1度の生産となっている。

結構種類があるんだっけ。

調べたところこのキット以外のディスクタイプ転輪を装備したキットは……
- No.49 T-34/76(1942年型)中戦車
- No.72 Su-85襲撃砲戦車
- No.93 Su-122襲撃砲戦車
- No.138 T-34/85中戦車
辺りがあるようですな。

筆者の組みかけ放置品にT-34/85があった気がするね。
気が向いたらそのうちサルベージしてくるかもしれない。


その他の付属品。
- ポリキャップ(Bランナー)
- ベルト式履帯(ポリ製の焼き止めタイプ)
- シャフト&ナット・ビス
- デカール
ですな。
デカールはもちろんこのキットのための新規品です。

後の部品はT-34系列共通のものっぽいね。

先ほど名前を挙げた同社の1942年型。
あれがタミヤMMのT-34の一番手らしく、今回のキット含め後の系列は全てそれの派生品となっているんだ。

公式HPによると、1942年型の初版は1974年発売。
今回のチェリャビンスク版の1943年型は1990年発売のようです。

モーターライズ時代の名残があるけど、発売はモーターライズを廃した後期型のティーガーIの後っぽいね。

公式HPによると
- ティーガーI後期型→1989年12月発売(シリーズNo.146)
- T-34/76(1943年型・チェリャビンスク)→1990年10月発売(シリーズNo.149)
のようですな。


付属の紙媒体。
説明書とTech Tips!のみですな。

初期のモーターライズ流用時代のキットのは和英それぞれ2冊の説明書が付属することが多かったけど…・・・
ティーガーI以降の新生タミヤMM自体のものだからか、説明書は1冊にまとまっている。


収録された塗装・マーキングは4種類。
ソ連軍仕様が3種と、ドイツ軍仕様が1種類となっています。
塗装はそれぞれ
- ソ連軍→ダークグリーン単色(1種類のみその上から冬季迷彩)
- ドイツ軍→ダークイエロー単色
の指示ですな。

このキットはドイツ軍鹵獲仕様が最初から収録されているんだ。
もちろん筆者はこれを選ぶんだよね?

うむ。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から組み立てに入ろう。

タミヤのT-34は一度組んでいるし、組み立てに苦労はしなさそうだね。

というより、筆者は一度このキットをここの開設以前に組んでいますな。
その時もドイツ軍仕様の同じもので組んだので、本音を言うと同じ塗装で組むか迷っているようです。

同じマーキングで組んで比較してみるのもいいかもね。

とりあえずは説明書の塗装パターン通りで仕上げることになるだろう。
ともかく、まずは組み立ててからだ。

続きは次回!
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