
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が長年放置していた、ドラゴンのIV号戦車G型が完成しました。
今回は……。

暖かくなったと思ったら、また冷えてきた。
なので筆者が組みかけで放置していた、この季節に相応しい戦車キットを紹介しよう。

また冬モノかな。

おそらく。
ただ冬季迷彩ではないようですな。
今回のお題 サイバーホビー 駆逐戦車ヘッツァー(中期型)


今回作るのはこちら。
サイバーホビーより
駆逐戦車ヘッツァー(中期型)
だ。

ここで作るヘッツァーは4輌目だね。
タミヤの中期型と、アカデミーの初期・後期型に続いて……。

このヘッツァー、中期型という名称だけど……
実はタミヤの中期型よりはアカデミーの後期型に近い形状をしている。
詳しくは後述だ。
ヘッツァーとは?

この戦車は第二次世界大戦後半に登場した、ドイツ軍の駆逐戦車だ。
前述通り今までに3輌組んでいるので、詳しい解説は省略する。

- 大戦後期の1943年11月頃、III号突撃砲を生産していたアルケット社の工場が空爆を受ける
- 38(t)などの生産をしていたチェコのBMM社へ、III号突撃砲の生産を打診される
- BMM社は「機材の都合でIII号突撃砲は生産できないけど、それに近い代わりの車輌なら生産できる」と、II号戦車L型に敗北し不採用になっていた新型38(t)をベースにした駆逐戦車を提案
- これが採用されてヘッツァーになる
っていう流れだったね。

生産が止まったIII号戦車の代用品として登場したものは、ヘッツァーの他にIV号突撃砲もありますな。

今までにヘッツァーは3輌組んだけど、生産時期の違うものだった。
前述したとおり、今回のキットは「中期型」と銘打っているけど……
実際の外見は以前組んだタミヤの「中期型」よりも、アカデミーの「後期型」に近い特徴となっている。

具体的には……。


とりあえず以前組んだ3輌の画像を。
- 左→初期型(アカデミー製)
- 真ん中→中期型(タミヤ製)
- 右→後期型(アカデミー製)
ですな。

初期型は一旦置いといて……
注目してほしいのは中期型と後期型。
違うポイントは
- 操縦手用の視察装置が中期型では直視式のバイザーブロックだったが、後期型では雨どいを被せたペリスコープに
- 背面の排気管が中期型では横置きだったが、後期型では縦置きに
といった感じだ。
というわけで今回作るサイバーホビー製品は中期型という名称だけど、同じ中期型名義のタミヤ製品よりも後期型名義のアカデミー製に近い見た目をしている。

聞いたところによると、これらの変更は1944年10月頃に行われたという情報が出てきましたな。

分類の基準がメーカーで異なるのかな。


ちなみに転輪回りも中期型と後期型で異なりますな。
後期型ではゴムリム周りのボルトが少なくなっています。
この点も今回のサイバーホビー製中期型は、アカデミー製後期型に近いものに。

大戦後期のドイツ軍を数の面で支えた駆逐戦車ヘッツァー。
サイバーホビーのオレンジボックスシリーズで登場したキットで組んでみよう。
箱の中身を確認しよう


それでは箱を開ける。
中身はこんな感じ……。

うーん、組みかけかぁ。

説明書の表記によると、このキットの発売は2013年頃。
筆者が購入したのは確か2016年頃だった気がします。
どうも途中まで組んだものの、精度の悪さが気になって放置したようで……。

購入から9年も経っているという。

サイバーホビーのオレンジボックスシリーズは一部例外を除いて、ドラゴンの旧製品におまけの兵士をプラスしたものなんだ。
大元となったドラゴン製のヘッツァーはドラゴン黎明期の90年代発売の製品とのこと。
今組んでいるサイバーホビー・オレンジボックス版は現在あまり見かけないけど、大元のドラゴン版は2023年頃に火炎放射戦車との選択式になって再販されたようだ。


切り出されたパーツを並べて。
黒い瞬間接着剤を盛られたパーツがいくつかありますな。

このキット、どういうわけかパーツの表側に押し出しピン跡が多数存在する。
それを埋めるために過去の筆者が接着剤を盛ったんだけど……
その時点でモチベが迷子になってしまい、放置ルート入りしたんだ。

履帯は一枚ずつ切り出して作る接着組み立て式。
これは手付かずだね。
画像の右側にあるのはおまけの兵士かな。

サイバーホビー・オレンジボックスシリーズ恒例のものだね。
このキットに付属するのはドイツ武装親衛隊冬季装備(アルデンヌ1944~45)
こちらも戦車本体同様、既存のキットからのものだ。


その他の付属物としてエッチングパーツとデカール。
デカールはほとんどが兵士の装備に施すものですな。

大戦後期の車輌らしく、本体に使うのは車番と国籍マークだけみたいだね。


説明書と塗装図。
パーツが切り出し済みだったので、実際のランナー数はこちらを参考に……。

兵士用のランナーが2枚で、戦車本体のランナーは8枚。
部品の大半は履帯だから、本体の部品はかなり少ないという。

本キットに収録された塗装は2種類。
- 第167国民擲弾兵師団第167戦車猟兵大隊所属車(1944年ベルギー)
- 第257国民擲弾兵師団所属車(1945年フランス)
となっている。
兵士達は迷彩服が特徴的だ。

戦車本体は部品の選択とかは特にないみたいですな。
塗装直前まで保留にしても大丈夫かと。

……第167師団のほうは迷彩に使われている黄色が2種類あるね。
足元はいつものダークイエローみたいだけど、上面の迷彩は「白+黄色」の混色指示。
これはどういうことなんだろう……。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回からこの組みかけ品の製作再開となる。

パーツは少ないけど、変なところに押し出しピン跡がたくさんあるというか。
その辺りの処理が中心になるかな。

後は組み立て式の履帯ですな。
バリやピン跡でかなりガタガタしていますので、おそらくここが一番の難所になるかと。

今の筆者ならなんとか片付けられるだろう。
何はともあれ、詳細は実際に組んでからだ。

続きは次回!
この記事で紹介しているキット