
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回はタミヤの新作、オチキスH39が完成しました。
今回は新たなキットの紹介になりそうですが……。

オチキス配送の送料無料ライン超えのため、巻き添えになったものが2つある。
今回はそれの片割れを紹介しよう。

飛行機と戦車があったね。
どっちが来るのやら……。

実際はどちらも裏で開封、既に進んでいるようですが。
今回のお題 ハセガワ 1/72 F6F ヘルキャット


今回作るのはこちら。
ハセガワ1/72スケール航空機模型、B帯シリーズより
F6Fヘルキャットだ。
正式には部品の一部を選択することで「F6F-3」「F6F-5」のどちらかを組むキット。
また同社からはスケール違いの同機が発売されているけど、例によって1/72スケールとなる。

筆者には珍しいアメリカの戦闘機。
F4U-1Aコルセア以来かな。
F6Fヘルキャットとは?

この機体は第二次世界大戦の後期に登場したアメリカ海軍の艦上戦闘機だ。
- F→機種番号。Fは戦闘機(Fighter)
- 6→メーカーごとの通し番号(1番目の機体は省略される)アメリカ海軍に採用された6番目のグラマン社機の意味
- F→開発を担当したメーカー記号。Fはグラマン社(現ノースロップ・グラマン)
という意味。
愛称のヘルキャットは直訳すると地獄猫という意味だが、俗に性悪女という意味もある。

当時の日本で「敵のグラマン」というと、だいたいこの機体のことを指すようですな。

グラマンっていうと、ハガレンに出てくるグラマン中将が真っ先に思い浮かぶなぁ。

マスタング大佐をはじめ、あの作品の軍人キャラは軍用機由来の名前が多いですからね。
筆者の好きなドイツ軍機由来ですとヘンシェル、ハインケル、シュトルヒ辺りが登場しますな。

1930年代後半、生産のなかなか進まないブリュースター社のF2Aバッファローに代わって、グラマン社のF4Fワイルドキャットがアメリカ海軍の主力艦戦の座についていた。
それの後継機として同じグラマン社が開発したのが、本機F6Fヘルキャットとなる。

F4Fでは胴体の真ん中に主翼を配置した中翼構造。
一方F6Fは胴体の下側に寄せた位置に主翼を配置した、低翼構造なのが見分けるポイントですな。

1940年にはF6Fヘルキャットに先駆けて、もう一つのF4Fの後継機であるヴォート社のF4Uコルセアが初飛行していた。
しかしコルセアは艦載機でありながら空母での運用が難しいと判断され、後発であったF6Fヘルキャットがアメリカ海軍空母艦載機としての主力を務めることになる。

コルセアは様々な新機軸を盛り込んで不具合があったのに対し、ヘルキャットは基本的にF4Fワイルドキャットの改良型として堅実な設計をしていたというのもあったみたいですな。
……どちらかといえばコルセアの保険としてヘルキャットは存在したとか。

というか前身のワイルドキャットも、本命のF2Aバッファローの保険みたいな感じだったんだよね。
2機とも予備案みたいな存在だったのに、主役になったというか。

1943年1月に空母エセックスに最初に機体が配備され、同年8月のマーカス島の攻撃で実戦デビューする。
2000馬力級のエンジンがもたらす約600km/hの速度、頑丈さによる高い生存性、扱いやすさを兼ねた性能で旧式化した日本軍の零戦などを大いに苦戦させるんだ。

なんか戦車でいうM4シャーマンみたいな。
尖った性能ではないけど、堅実にまとまっているというか。

鈍重そうな見た目とは裏腹に、意外と運動性能も悪くなかったという話を聞いたことがありますな。
それで日本軍機お得意の格闘戦でも撃墜しづらかったとか。
「2000馬力級のエンジンで最高速度600km/hはそうでもない」
みたいな声もありますが、日本機は600km/h出ないものも多いので、そこまで問題にはならなかったようですな。
確か零戦の五二型で560km/hぐらいだったはずで、戦況が悪化すると品質低下による性能低下も……。

ただ零戦はF6Fに比べるとエンジン出力が1100馬力級ではるかに低い。
出力差の影響は速度よりも寧ろ防御力で大きく出たように感じるね。
……そんな大戦後半のアメリカ海軍主力艦戦として活躍したF6Fヘルキャット。
お馴染み「飛行機のハセガワ」から発売されている、1/72スケールのキットで作ってみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱を開ける。
中身はこんな感じ。

いつものハセガワキットといった感じ。
そういえば今まではA帯やD帯、E帯だったけど今回はB帯なんだよね。
これってなんか意味があるのかな?

どうもE帯以外は値段で決まっているようですな。
ハセガワ社の公式HPを見たところ、このヘルキャットの所属するB帯は2025年6月現在全て本体価格が900円(税込み990円)だそうです。

2025年6月現在は
- A帯→800円(税込み880円)
- B帯→900円(税込み990円)
- C帯→1000円(税込み1100円)
- D帯→1200円(税込み1320円)
- E帯→それ以上
のようだ。
B帯はヘルキャット以外現用ジェット機で、C帯は全て現用ジェット機となっている。
今のところそれらは筆者の守備範囲外なので、ここではあまり見かけないというやつだ。


A帯は以前に隼をはじめ、多数所属する日本機を作りましたな。
お値段が手ごろですが凸モールドだったりと古い金型のキットも多いです。
対するD帯やE帯は少し値段が上がりますが、90年代~2000年代初版のキットが多数所属しているので比較的品質は良好ですな。


パーツは通常のプラランナーが3枚とクリアーランナーが1枚。
非常にシンプルな内容となっている。

モールドは昔ながらの凸モールドですな。
ヤスリがけで消えやすかったり、接着剤のはみ出しとかで崩れやすいのが難点ですが。

いつぐらいの金型のパーツなんだろう……。

諜報部の情報によると。確認できた範囲で一番古いパッケージは1980年頃との情報が出てきました。
なので少なくともその辺りには発売されていたものかと。

となるともう45年前の金型から作られたパーツなんだね。
この時期って丁度初代のガンプラが出てきたあたりというか。


付属のデカールはこちら。
細かい注意書きまでマークがセットされています。

右下のほうに2020年って印字されているね。
そのときに何か変わったのかな?

少なくともこのキットはそれ以前の発売ですから……
内容には特に変更がなく、書籍で言う第○版みたいなものかと。

梱包状態などが変わっているパターンもあるね。
このキットではデカールが素の状態で入っていたけど、筆者が航空機模型素人時代の15年前ぐらいはデカールも袋に入っていたはず。


紙媒体。
説明書の他に、デカールの貼り方に関する解説書が入っていますな。

一時期は付属しなかったけど、またこういうのが入るようになったみたいだね。
筆者は中古品でこのような解説書が入っていたのをよく見かけたようだ。

動画にアクセスできるQRコードとかがあるのは現代風というか。
この辺りはタミヤのTech Tips!みたいに、初心者のサポート目的もありそうだね。


収録された塗装図は3種類。
- F6F-5 空母エセックス搭載 第15空母航空群司令官 デビッド・マッキャンベル中佐機 1944年10月 レイテ
- F6F-3 空母イントレピッド搭載 第6戦闘飛行隊 アレクサンダー・ブラシウ少佐機 1944年2月
- F6F-3 空母エセックス搭載 第15空母航空群司令官 デビッド・マッキャンベル中佐機 1944年9月
といった感じ。
各部の部品選択があるので、先にどれにするかは決めておこう。
……詳しくは後述するけど、筆者はこの塗装図の機体では今回仕上げないけどね。

F6F-3とF6F-5で違うのかと思いきや、なんか部品選択がごっちゃになっていたり。
これはどういうことなのかな?

確かF6F-3と5での大きな違いとして「風防後部側面の小窓の有無」がありますが……
このキットでは形式にかかわらず小窓を取り付ける指示が出ていますな。

ところで3と5の違いは……。

ざっくり言うとF6F-3は初期生産型。
F6F-5はそれを改良した後期生産型ですな。
次回、製作開始!

今回はここまで。
次回から組み立てを開始する。

ええっと、筆者は今回収録の塗装では仕上げないみたいだけど……
また鹵獲機にでもするのかな?


そのつもりだね。
戦後に横須賀海軍基地で進駐軍が垂直尾翼に「ヨ-801」と書かれたF6F-5の残骸を発見・撮影している。
筆者の手元にはTechmod製の日の丸マークと、「ヨ-801」のマークがあるので、それを使って再現してみよう。

「ヨ-801」のマークはここの開設以前に筆者が作った、アオシマの紫電一一型甲「エース列伝シリーズNo.10 剣部隊」のおまけとして収録されていたものですな。
同製品は現在リニューアルされていますが……。

筆者がかつて購入したのは90年代が初版の旧版。
アオシマの紫電は2010年代半ばにコクピット周りを一新した紫電改の新版が登場し、旧版で登場した紫電各タイプも後にそれに合わせてリニューアルされている。
剣部隊のキットでは懸架台パーツもセットされているようだ。

紫電はタミヤのを作ったっきりだね。
アオシマのもそんなに高価じゃないし、そのうち紹介してみたいところ。

ともかく、今はF6Fヘルキャットを進めていこう。

続きは次回!
この記事で紹介しているキット