
模型大隊戦闘日誌、始まるよ!

前回は筆者が長年放置していた、ハセガワのHe111Z-2が完成しました。
今回は……。

今月初めに更新が一週間ほど止まったけど……
それはそのHe111Z-2ともう一つの機体を急ピッチで仕上げる必要があったからだ。
今回は更新が止まる原因となった、もう一つの機体を紹介しよう。

その表現だとまたまた飛行機になるのかな。
そろそろ他ジャンルも組みたいけど。

筆者が箱のまま長期放置しているものは、航空機率が高いですからね。
とにかく箱を消費しないと積みが減った気にならないので……。
今回のお題 ハセガワ ハインケルHe111Z-1ツヴィーリング


今回作るのはこちら。
ハセガワより
ハインケルHe111Z-1ツヴィーリングだ。

なんとなく予想はしていたけど、また同じような機体が連続で……。

寧ろこちらのほうが有名ですな。
実機でも実際に製造されたようですし、先に発売もされたようです。
He111Z-1とは?

He111は以前組んだときにも説明したとおり。
1930年代に登場し、スペイン内戦や第二次世界大戦で活躍したドイツの爆撃機だ。
ドイツ軍の他に東欧諸国でも使われたり、民間用の旅客機としても使用されたりしている。

第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約の影響で軍用機の製造・保有に制限がかかっていたというやつだね。
それで当初は民間の旅客機という名目で開発が始まって……。

戦闘機を振り切れる「高速爆撃機」としてのコンセプトでも開発がされていますな。
爆弾搭載量の増加や戦闘機の高速化に伴い、この思想は否定されてしまうわけですが。

Z-2型の部分でも少し語ったけど、改めてZ型についても簡潔に解説。
- 1941年頃、巨大な輸送グライダーであるメッサーシュミットMe321ギガントが登場する
- ところがこれを曳航できる適当な機体が存在せず。当初はBf110複数機を使用した「トロイカ式曳航」を試みるが、機体同士の歩調を合わせることが難しく事故が多発
- これに対しハインケル社のエルンスト・ハインケル博士が「2機のHe111H-6爆撃機を連結して、更にエンジン1機を追加した5発機」による曳航を提案
このために開発されたのが、今回作るHe111Z-1である。

主なバリエーションとしては……
- Z-1型→グライダー曳航型。本来の目的のもので少なくとも10機前後製造されていた様子。今回作るのはこれ
- Z-2型→長距離爆撃型。実際に製造はされず計画のみ。前回作ったのはこれ
- Z-3型→長距離偵察型。こちらも計画のみ
ですな。

He111Z-1は多少舵が重いものの大きな問題のない操縦性で、十分実用に耐えうるものだったという。
ただ運用する飛行場や航続距離の都合でMe321との組み合わせではなく、2~3機のゴータGo242を曳航することに用いられたようだ。
Me321自体も、エンジンを搭載したMe323へと発展している。

イタレリのゴータGo224、なんか筆者の記憶にあるみたいだね。

以前I号戦車を買いに行った際に某所の駿河屋さんで見つけたようですな。
あの時は一緒に並んでいたJu86を確保したわけですが……。

異色の大型機、He111Z-1。
かつてハセガワから限定生産されたキットで再現してみよう。
箱の中身を確認する


それでは箱の中身を確認。
中身はこんな感じに。

また組みかけ品かぁ。
これじゃあどんなものかわからないよ。

基本的には前回組んだHe111Z-2型とほぼ同様ですな。
あちらは爆撃機型だったのでレジン製の爆弾ラックが付属しましたが、こちらには代わりにプラ製の増槽が付属します。

本来なら先にZ-1を紹介するべきだったけど、筆者の手持ちは組みかけ品。
なので未開封のZ-2型が先行した形になったんだ。


とりあえず組みかけ品のパーツをチェック。
胴体や主翼など、合わせ目接着部分は完了しているようですな。

機内も塗装済み。
……主脚格納庫部分が1箇所塗られていないね。

詳しくは製作時に後述しますが、どうもこのキットはパーツの指定間違いがあったようです。
そのため途中で入れ替えたようで。


パーツその2。
画像の真ん中辺りに切り出し済みの部品が写っている。
ここにある増槽パーツが、Z-2には付属しなかったものだ。

しかしずいぶんと中途半端な状態に……。

時系列的に説明しますと……
- このキットが発売された2010年頃、筆者がすぐに購入
- 組み立てようとしたものの、当時素人の筆者には手に負えず
- 筆者の興味が戦車に移ったこともあり放置ルート入り
- 他キットで修行を積んだ筆者が、この2015年1月になって引っ張り出してきた
というものだそうです。

もう15年も前かぁ。
それにしてもずいぶん記憶が鮮明なような。

このキットにボークスさんの値札シールが付いていましたが、確か立て替え前の秋葉原ラジオ会館の同店で購入したものだそうです。
立て替え後も同店は健在で、この前の買出し時にも寄っていましたな。

ラジ館の立て替えは確か2011年の震災直後だったはず。
老朽化が原因で、それ以前に立て替えが決まっていたようだけどね。

それにしても当時素人だった筆者がいきなりこんなゲテモノに挑むなんて……。

実は筆者が一番最初に手に入れたHe111のキットがこれだったりします。
その後通常のHe111を購入し手を出しますが、そちらも挫折。
その挫折したHe111が、昨年引っ張り出してきたオールドカムフラージュのP型だったりしますな。

当時はまだ便利なセメダインハイグレード模型用もなかったからね。
結局筆者が初めて完成させたHe111は、ここの開設後に組んだE帯のP型になるんだ。


話を本キットに戻す。
クリアーランナーやポリキャップといった部品だ。
こちらは当時の筆者が製作に自信がなかったらしく、手付かずで残っている。

機首部分や背面部分とか、微妙に形が違うのも混ざっているんだよね。

このHe111Zを含め、ハセガワからはマイナーチェンジ版が多数限定販売されていたようですからね。
定番品のはずのP型やH-6型も、2025年1月現在ではほとんど見かけませんが……。


切り出し済みでアテにならない部品たちだったので、キットに掲載されたパーツ一覧で確認。
中央翼などを含めた右上のXランナーが、前回同様Z型のHe111に付属する新規パーツだ。
発売順としては、このZ-1型のキットで初めて付属した感じとなる。

独自パーツはデカールの他にそれぞれ
- Z-1型→Zランナーの増槽×4
- Z-2型→中央翼に付くレジン製の爆弾ラック×2
だね。
後はそれぞれ共通の部品みたいな。


付属のデカール。
切り欠き部分は機内の計器ですな。
ここは組み立て済みなので、使用済みです。

注意書きは黄色のもののみ使い、赤い文字のものは余剰扱い。
他キットの補修などに使うといいだろう。


紙媒体は説明書の他、ドイツ機研究家である国江隆夫氏による詳細な解説書付き。
He111に影響を与えた、He70の話題もありますな。

このHe70の楕円翼が、後のいくつかの航空機に影響を与えているんだっけ。


このキットに収録された塗装図は2種類。
- 部隊コード「DG+ZG」(冬季迷彩)
- 部隊コード「TH+ZI」(通常迷彩)
となっている。
ゴンドラ部分の窓枠とかの塗り分けが異なるみたいなので、先にどちらにするか決めておこう。
今回は冬季迷彩のものにする予定だ。

相変わらず大変そうな塗り分け。
……そういえば筆者は前回のZ-2型のときに使ったテープを保存していたんだっけ。

無論、このキットに使うためですな。
もう1度ぐらいは使い回せるでしょう。
次回、製作開始!

今回はここまで。
15年前に筆者が組めなかったこのキットに、再び挑んでみよう。

増槽と爆弾が入れ替わるだけで、基本的にはZ-2型と同じなんだよね。
これはダイジェストになりそうな。

おそらくダイジェストになりますな。
塗装など、異なる部分をメインに取り上げる予定です。

その他気になった部分などをメインにしていく予定だ。

続きは次回!
この記事で紹介しているキット